2009年3月20日金曜日
3月19日の米国市場
(旅行中のため、簡単にしています。)
<主要インデックスの終値>
DOW: 7400.80 -85.78 (-1.15%)
Nasdaq: 1483.48 -7.74 (-0.52%)
S&P500: 784.04 -10.31 (-1.30%)
本日は、前日終値より高く始まりましたが、すぐに下落基調となり、多少上下したものの前日比でマイナスのまま終了しました。昨日の上昇の大きな要因となったFedの長期Treasury Bond購入とさらなるクレジット市場に対する施策の発表は、一日経って、Fedのこれらの刺激策が長期的なインフレを引き起こす懸念等が高まり、ファイナンスセクターは本日は一転して大幅安となり、市場全体としてもマイナスとなりました。主要インデックスの動きとしては、ファイナンスセクターの割合が高いS&P 500が他のインデックスよりも下落、Nasdaqは下落の幅は他の主要インデックスよりも小さかったです。これは、昨日市場終了後に市場予想よりも良い四半期決算を発表したOracleが10%近い上昇となった他、他の主要ソフトウェア関連の企業の株も堅調な動きをしたことが、Nasdaq全体のパフォーマンスの下落に歯止めをかけた様です。
<本日の主なニュース>
昨日の上昇の大きな要因となったFedの長期Treasury Bond購入とさらなるクレジット市場に対する施策の発表は、今日は逆にそれが意味するクレジット市場の問題、長期インフレ懸念等、マイナス材料の方に市場の注目が移り、ファイナンスセクターは本日は一転して大幅安となりました。
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原油価格は本日7%を上回る上昇となりました。これは、昨日Fedの昨日の発表に起因して、ドル安を招き、それに対して原油が買われたとの見方が支配的です。
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政府から巨額の救済資金を得ているAIGが1億6500万ドルのボーナスを先週末に支払った事について、大きな話題となっていましたが、米下院が、政府の救済措置を得ている企業において、巨額のボーナスを得た社員に対して、制裁的な課税措置を取る提案を賛成多数で可決しました。この提案は、50億ドル以上の政府から救済資金を得ている企業において、収入が25万ドル以上の社員(一般的に幹部社員)に対して支給されるボーナスに対して90%の税率を適用するものです。この案に対しては、共和党は反対の姿勢を取っていますが、一部の共和党社員も賛成に動き、賛成多数となっています。尚、上院では別の案が検討されているので、まだ、多少紆余曲折がある可能性も残っています。
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オバマ政権は、倒産の危機に直面している自動車部品メーカーに対して、50億ドルの救済融資を行うことを発表しました。
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<主なセクター・株の動き>
(ファイナンス)昨日の大幅上昇とは逆に、本日は大幅下落となりました。目立ったところは、Citi 15.58%, Morgan Stanley 13.02%, Wells Fargo 15.58%, Bank of America 9.65%の下落となっています。
(小売り)上昇と下落に分かれていますが、主要企業で下落しているところの下落幅はそれ程大きくありません。
(住宅関連)MTH 11.43%, LEN 8.99%は割と目立って下落しているところです。それ以外は5%以下の下落で、あまり下がっていないところもあります。
(テクノロジー) Oracle 9.73%上昇が際立っています。加えて、Yahoo, Microsoft, Citirix 等のソフト系の会社も上昇。IBM, Apple, Dell, HPも上昇しています。
<まとめ・コメント>
昨日のFed の発表の影響で本日は、ドル安となり、それによって原油価格が大幅に上昇したことにより、Fedの施策の負の側面が逆に市場の注目を集めることとなり、ファイナンス・セクターは大幅な下落となりました。インフレ懸念が高まっている事を挙げる記事を多く目にしましたが、セクター的に見ると、ファイナンス・セクターの下落が顕著である一方で、小売りはそれ程でもないこと等を考えると、ここ最近大幅に上昇していたファイナンスセクターの株を中心に利益確定、調整的な動きで下落したと私は解釈しています。
昨日市場終了後に予想以上に良い四半期決算を発表したOracleは本日は10%近い上昇となり、ソフト系の企業や、ハイテク大手の株は上昇したところも多く、投資家の売買の志向に影響を与えてきていると思います。この傾向は、昨年末頃から今年の1月にかけてのテクノロジー株を積極的に買う動きと似ています。気をつけなければいけないのは、1月後半から下落になった際には、テクノロジーもやはり大きく売られ、下落したので、今後市場全体が再び下落基調になるようであれば、結局、テクノロジー株も下がる事になることが予想されます。
一日で、昨日発表されたFedの 施策に対する見方が180度反転するのは、あきれる様な気持ちにもなりますが、どちらか一方に極端に振れるよりも、1日経って相殺されるのであれば、市場全体としてみた場合、ある意味で好ましい気もします。ファイナンスセクターの株の取引数量はここ最近以上に多く、例えば、Citiの株の一日の取引数量は連日10億株を超えています。これだけ激しく上下に短期で動けば、取引数量も尋常でなくなるのも分かりますが、それにしても行き過ぎの観があります。
もう少しすると、第1四半期の決算結果がどうなのかに、市場の注目は移って行くと予想していますが、それまでに、市場がある程度沈静化するのか、再び、上昇か下落のどちらかに極端に動いて行くのか、興味深いところです。
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