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2009年4月28日火曜日

GM再建計画アップデート

GMが再建計画(原文では、Viability Plan)のアップデート発表する記者会見をCEOのHenderson氏が行いました。

今回のアップデートの主な内容としては、ポンティアック・ブランドを遅くとも2010年中に廃止(終了)することを発表、また、債権者に対して、額面1000ドルの債券・手形に対して225の普通株式と交換する提案を発表しました。ニュースリリースによると、今回の提案の目的は以下の通りです。

- 現在一般市場にある債券の残高は270億ドルあり、これを普通株式と交換する
- 株式交換が首尾よく行われた場合、債権者、米財務省、そしてVEBAからの負債総額が最低で440億削減できることとなる
- 債権者は、今回の株式交換提案が無事完了した場合、GMの10%を保有する事となる。
- 当該交換は、VEBAの条件変更と財務省からの負債の交換条件に依存するが最低で200億ドルの負債削減となる。
- 交換提案が実行されない場合は、バンクラプシー救済を選択する見込み

尚、最後の項目については、プレスリリースの中で、以下の様な記述があります。

In the event that GM does not receive prior to June 1, 2009 enough tenders of notes to
consummate the exchange offers, GM currently expects to seek relief under the U.S. Bankruptcy
Code. GM is considering its alternatives in seeking bankruptcy relief in consultation with the U.S.
Treasury, GM’s largest lender. If GM seeks bankruptcy relief, noteholders may receive
consideration that is less than what is being offered in the exchange offers and it is possible that
such holders may receive no consideration at all for their notes.

(要約)6月1日までに十分な債券の交換提案が応じられない場合は、US バンクラプシー・コードによる救済を求める事となる見込みである。米財務省と相談しながら、バンクラプシー救済を求める中での代案を検討する事になる。もし、GMがバンクラプシー・リリーフ(要はChapter 11申請後のフォローアップ・アクション)を選択した場合、債権者は今回提案の株式交換の条件よりも悪い(低い)条件を受けとることとなるかもしれない。さらに、その様な債権者は、保有する債券に対して全く考慮されない条件を受けとる可能性もある。

(かなり強い表現だと思います。)

GMは米国内の年間の乗用車販売台数が1000万台で損益分岐点(break-even)となることを元に、今回の計画を作成しているとのことです。

GMプレスリリース


以下に、今回プレスブリーフィングでのHenderson氏のプレゼンテーションとその後の質疑応答のビデオのリンクを添付します。全部で約1時間弱です。冒頭のヘンダーソン氏のプレゼンテーションは約10分程度なので時間がないかたは、最初の部分だけご覧になられることをお勧めします。質疑応答はかなり時間を割いていますが、いろいろ興味深いやり取りがあります。私の感想としては、ヘンダーソン氏は質問の受け答えが良くできているな、一部記者の質問は不安まじりの少し感情的なものもあったりして、今回のプレスブリーフィングの場の雰囲気が良く分かると思いました。ご興味のあるかたは、是非ご覧になってみて下さい。



(お知らせ)週末から、体調を大きく崩してしまいました。パソコンに向かう時間もほとんど取れない状態です。また、今週からもう一つのブログ(ウォーレン・バフェット ウォッチ)の更新に力を入れる事を考えているため、本ブログの更新は不定期となります。特に、当分の間、本日の米国市場のエントリーは簡略、あるいは、割愛させていただくかもしれません。いつもご覧になって下さっている読者の皆様、申し訳ありません。

誠に勝手ながら諸事情、ご了解下さいます様、よろしくお願いいたします。


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2009年4月24日金曜日

4月23日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,957.06 +70.49 (+0.89%)
Nasdaq: 1,652.21 +6.09 (+0.37%)
S&P500: 851.92 +8.37 (+0.99%)

今日は朝から午後にかけては前日比でマイナスとなっていましたが、その後上下に比較的大きく変動したものの最終的には前日よりも上昇して終了しました。

<本日の主なニュース>

本日発表された先週の失業保険申請件数は、2万7千上昇し、64万件でした。添付の記事によると、この数字は高いものの3月の終わりに記録した過去26年半で最悪の67万4千件よりも低いため、経済の悪化の傾向が収まりつつあると解釈しているアナリストもいる様です。
U.S. jobless claims rise, home sales fall

3月の中古住宅の販売は、季節要因を考慮した年換算で457万件の販売ペースでした。これは、下方修正した2月の471万台のペースから比べて3%の下落です。また、2008年3月の492万台のペースに比べて7.1%下落しています。発表したNAR(National Association of Realtors)は、初めて家を購入する人が増えている事に焦点を当て、市場が安定しつつあると言った見方を示しています。尚、今回の販売件数のうち45%はフォークロジャー関連の販売によるものとの事です。(これってもの凄い状況だと思います。)
March Existing-Home Sales Slip but First-Time Buyers Rise (NAR press release)

USPが発表した四半期の結果は、4億100万ドル、EPS40centsの利益でした。一時的な出費を除いた場合のEPSは52centsでアナリストの予想56centsを下回りました。先々の収益見込みに対しても慎重な姿勢を示しています。
Global slump hurts UPS profit, shares fall

市場終了後に、AmEx, Amazon, Microsoft等が決算を発表しました。AmExは大幅な減益ながら、アナリストの予想よりは良い結果でした。

AmEx earnings beat expectations, shares rise

Amazonの結果は増益でアナリスト予想を上回る好決算でした。

Amazon beats Q1 sales, profit estimates, shares up

Microsoftの結果は、32%の減益、今後の見込みに着いても慎重な見方を示しましたが、発表後のアフターアワーズでは上昇となっています。コスト削減とWindows7の開発が日程通り順調に進んでいると語った事が好材料とされた様です。

Microsoft cuts costs, says Windows 7 on track

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)かなり上下の変動がありましたが、最終的にはCiti 1.54%, MS 2.14%下落。WFC 10.51%, BAC 6.78%, JPM 4.11%, GS 1.93%上昇しました。

(小売り)ほとんどが下落しています。下げ幅はそれ程大きくはありません。

(住宅関連)Lennarが8.78%の上昇、他の主要な株は上昇と下落に分かれていますが、それ程変動の幅は大きくありません。(多くは1%未満)

(テクノロジー)  Apple 3.2%上昇、昨日大幅に上昇したBroadcomは今日も3.27%の上昇で好調でした。Microsoftは日中は0.75%の上昇で、発表後のアフターアワーズで更に3%以上上昇しています。

<まとめ・コメント>

今日は上下に変動があり方向性があまりはっきりしませんでしたが、最終的には上昇となりました。発表された中古住宅販売結果、しかも2月を下方修正した上で、そこから下落、フォークロジャー関連の販売の割合が高い内容でした。また、UPSの大幅減益の決算等、悪材料もありましたが、大きく下落する事なく、逆に上昇して終了しました。これは6週連続で上昇しているモーメンタム、市場センチメントを非常に良く表していると思います。大幅減益だったとしても、アナリストの予想を上回れば上昇、下回ったとしても株価、市場への影響は限定的な動きなのが先週から今週にかけての市場の反応の特徴だと思います。

個人的にはすごく危ういものを感じますが、一方で、明らかに非常に悪いニュースがない限り、このまま乗り切ってしまう勢いもでてきています。こうなってくると、マクロの視点では、決算発表結果よりも、ストレステストの結果、そして、ChryslerとGMがChapter 11申請となるか否かが短期的な市場の動向に大きな影響を与える要因が更に高まってきている気がします。

Chryslerについては、オバマ政権が設定した期限まで後1週間となりました。今の時点では、まだどうなるかはっきりしませんが、土壇場の激しい交渉が水面下で行われている様です。

今日の夕方にNew York Timesが、財務省は、 ChrylerにChapter 11の申請を準備する様に指示したとの報道があります。この記事によると、バンクラプシーを申請させた上で、Fiatとの提携を完了させる計画の様です。元の政府の提案は、1ケ月以内にFiatとの提携を完了する事、それができなければ、 バンクラプシー申請のシナリオでしたが、多少、変更となった様です。このNewYork Timesの記事は非常に詳しく書いてありお勧めです。

U.S. Is Said to Push Chrysler to Prepare for Chapter 11

明日は、政府がストレステストの結果の一部を対象の銀行に提示する予定となっています。また、オバマ大統領が主要クレジットカード会社の経営者とホワイトハウスでミーティングを行う予定です。これらのニュースがどの程度明日の市場に影響があるかわかりませんが、どちらも重要なイベントだと思います。


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2009年4月23日木曜日

4月22日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,886.57 -82.99 (-1.04%%)
Nasdaq: 1,646.12 +2.27 (+0.14%)
S&P500: 843.55 -6.53 (-0.77%)

今日は、市場開始前にWells FargoとMorgan Stanley等の決算発表があり、市場開始前の取引では両社の株は大幅に下がっていました。市場開始後も下落で始まりましたが、その後、Wells Fargoは一時は$20を超える大幅な上昇、MSも下げ幅を縮小し、それ以外の主要ファイナンスもかなり上昇していました。発表されたAT&Tの決算結果が減益だったもののアナリストの予想以上でした。また、iPhoneの売り上げが好調だったとされ、市場終了後に決算発表予定のAppleも好決算の期待が高まり、また、他のテクノロジー株の動向にも好影響を与えていました。しかし、終了までの最後の1時間で、AppleのMacの売り上げが前四半期よりも低いとの見込みであることが、一部で報道された事等から、テクノロジーセクターは下落、全体の市場も下落に転じて、DOWとS&P 500は結果的には前日比で下落、Nasdaqはほぼ変わらずで終了しました。

<本日の主なニュース>

Morgan Stanleyの第1四半期の結果は、5億7800万ドル、一株あたり57セントの損失でした。アナリストの予想平均は、一株あたり9セントの損失を見込んでおり、予想よりも悪い結果でした。決算発表時に配当を一株あたり5セント、80%減額することを併せて発表しました。
Morgan Stanley posts loss, slashes dividend

AT&Tが発表した四半期の結果は、売り上げは0.6%減り305億7000万ドルでアナリストの予想310億6000万ドルを下回ったものの、利益は31億3000万ドル、EPS53セントでアナリスト予想の48セントを上回りました。第1四半期に160万台のiPhoneがアクティベイトされたとのことです。新規顧客の携帯の月々の売り上げの内、iPhone向けが75%になっている様で、一部のアナリストからは、AT&TのiPhoneのエクスクルーシブの契約終了に対する懸念がでてきている様です。(以下添付の記事をご参照下さい。)
AT&T profit boosted by iPhone, video, Internet

Boeingの第1四半期の利益は6億1000万ドル、EPS86セントでした。昨年の同期の12億1000万ドル、EPS$1.62に比べると、大幅な減益となりました。また、2009年の収益見込みを引き下げ、$4.70から$5.00の間と発表しましたが、アナリストの予想$4.61よりも高かった事等から、株価は本日1.77%上昇しました。
Boeing profit narrows as economy hits orders

市場終了後にAppleが決算を発表しました。結果は、12億1000万ドル、EPS$1.33の利益でした。アナリスト予想は、EPS$1.09を上回りました。iPhoneの出荷は、379万台でアナリストの予想の330万台を上回りました。iPodの出荷は、1101万台、Macは222万台の出荷でした。(iPodは予想よりも約100万台も多く、Macは予想通り。尚、Macは今回前四半期に比べ出荷減となりました。)
Apple profit beats expectations on iPhones, iPods

EBayの発表した四半期の結果は、純利益、売り上げ、利益率とも下落しましたが、アナリストの予想を上回ったため、本日日中に3.43%上昇に加えて、アフターアワーズでさらに7%近い上昇となっています。
EBay profit, sales down but beats Street view

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)MS 8.97%, BAC 5.71%, WFC 3.35%, JPM 1.94%下落しています。C 0.31%, GS 0.11%の若干の上昇です。

(小売り)Wal-Mart 1.75%, Best Buy 0.60%下落となりましたが、それ以外は上昇しているところが多いです。

(住宅関連)ほとんどが上昇しています。日中は、大きく上昇していたのですが、最終的には数%程度の上昇のところがほとんどです。

(テクノロジー)  上昇と下落に分かれています。上昇で目立ったのは、BRCM 10.19%, STX 7.20%, TXN 3.16%上昇等です。Broadcomについては、昨日Emulexに対する買収提案の際に大きく下落した反動と思われます。

<まとめ・コメント>

今日の朝発表されたWells Fargoの決算はほぼ事前発表通りで、特に驚く様な材料はありませんでした。クレジットロスに関しては、46億ドルを計上、228億ドルをクレジットロス用に備えていると発表しました。Morgan Stanleyに関しては、アナリストの予想以上に悪い決算で、昨日市場終了後にCapital Oneが発表した結果も、クレジットロスが急速に増えており、ファイナンスセクターの今後については、予断を許さない状況だと解釈していました。しかし、市場開始後は私個人の予想とは裏腹にファイナンスセクターは大幅な上昇となりました。Capital Oneは昨日のアフターアワーズでは、かなり下がっていましたが、本日の日中は前日比で上昇となっており、個人的には納得できず、また、市場があまりにも楽天的に推移している様に思いました。結果的には、ファイナンシャルは、ほとんどが反転下落で終了しました。ある意味、これはある程度好ましい調整的な動きだったと思います。

政府がストレステストの一部の結果を対象の金融企業に対して、今週の金曜日に明らかにする予定との報道がありました。また、今回のストレステストにおいて、TCE(Tangible Common Equity)の割合が重要な基準点として扱われると一部の報道がありました。主要なファイナンス企業の第1四半期の決算がほぼ出そろいつつあり、ファイナンスセクター関連の焦点はストレステストに集まってきています。

AT&Tの決算結果は予想よりも良く、また、AppleのiPhoneが大きく事業に貢献したとの内容から、AT&Tの決算結果は
Appleはもとより、テクノロジーセクター全体に好影響を及ぼした様です。今日のTIは大きく上昇しましたが、恐らく、その影響と思われますが、反応があまりにも飛躍しすぎていると思っています。携帯電話の中でスマートプォンが非常に好調な一方で、既存の携帯電話はシェアを失っており、TIは既存の携帯の半導体では高いシェアを持っていますが、スマートフォンでは後手に回っており、苦戦中です。と言う事で、BroadcomやMarvellが好調なのは分かりますが、TIが今回の決算結果と発表した最新の収益見通しから見た場合、決算発表後に上昇するのは納得できません。(納得できない動きを短期的には常にするのが株式市場の傾向だと理解はしています。特にテクノロジーセクターの株に関しては、そうです。)

市場終了後に発表されたAppleの決算はアナリスト予想を上回る好結果でした。これは、本当に素晴らしい結果だと思います。AT&Tとのエクスクルーシブの契約は来年終了予定なので、契約期間終了後どうなるのかに市場の注目が集まってきています。(AT&Tの不安材料、他のキャリアのアップサイド)Appleの決算発表の速報をみたのですが、どうも、カンファレンスコールにおいて、AppleはAT&Tとの関係に満足していると語った様です。これは、AT&Tには非常に好材料だと思います。

ここまでの決算結果は、減益、売り上げ減を発表する企業が多いながら、アナリスト予想は上回るところが多く、市場としては大きく崩れずに堅調に推移していると思います。ここ数日、一部企業ではアナリスト予想を下回る結果を発表したところもありますが、市場全体への影響はほとんどなく、株価自体もここ数週間のレベルでみた場合、悪影響はほとんどない様なところが目立ちます。(e.g. Capital One, Morgan Stanley他)

「アナリスト予想よりも良い、あるいは悪くない」=「最悪期は脱した」との解釈がある様に思います。また、市場は5週連続で上昇しており、その上昇モーメンタムは依然として強いものがあります。このままモーメンタムを維持できるのか否かが短周期的な着目点だと思います。個人的には、遅かれ早かれ、市場のトレンドは転換すると考えています。短中期的にはやはりストレステストの結果、政府の対応が非常に大きなイベントだと思います。


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2009年4月22日水曜日

4月21日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,969.56 +127.83 (+1.63%)
Nasdaq: 1,643.85 +35.64 (+2.22%)
S&P500: 850.08 +17.69 (+2.13%)

今日は市場開始直後は、下落して始まりましたが、上院でガイトナー氏がほとんどの銀行は、今後の損失に対して十分な蓄えがあるとの見方を示したことが銀行株に対する政府の新たな加入に対する懸念を払拭し、ファイナンスセクターは全面高となり、市場全体の上昇の原動力となりました。
Wall St gains as banks lifted by Geithner remarks

<本日の主なニュース>

今日の一番のニュースはなんと言っても財務長官のガイトナー氏の以下の発言でした。

"Currently, the vast majority of banks have more capital than they need to be considered well capitalized by their regulators," Geithner said, a comment that gave stocks a lift in morning trading.

「現時点でほとんどの(大多数の)銀行は、行政から見て必要とされる資本よりも多くの資本を持っている。」

と語った事から、ストレステストの結果がでた際に、一部の銀行に対して政府から追加の資金調達を求められる可能性に対する市場の懸念を払拭した様な形になりました。本日市場開始直後は、ほとんどの銀行株はそれなりに大きく下がっていたのですが、この発言の報道をきっかけに逆に大幅な上昇に転じました。また、市場全体のセンチメントも大きく向上させる事になった様です。
Geithner says most banks have adequate capital

建設機器製造大手のCatapillarの第1四半期の決算結果は、一株あたり19セントの赤字でした。Catapillarが赤字になったのは、過去17年間で初めての事です。売り上げは、前四半期に比べて30%減でしたが、グロスマージンは上昇でした。レイオフの費用を除いた場合の EPSはアナリスト予想を上回りました。本決算発表直後は、株価は一旦6%以上の下落でしたが、ガイトナー氏の発言後の市場全体の上昇の流れに乗り、上昇して終了しています。
UPDATE 5-CAT reports first loss since '92, cuts forecast

United Technologiesも28%の減益となる四半期を発表しましたが、Catapillarと同様に順調に上昇しました。
United Technologies' quarterly profit falls 28%

市場終了後にクレジットカード会社のCapital Oneが四半期の決算を発表しました。結果は、1億7610万ドル、一株あたり45セントの赤字でした。回収不可能と思われるチャージオフのレートは、第4四半期の7.8%から8.39%に上昇しました。アナリストの予想を下回りました。株価は、本日12.48%の大幅な上昇でしたが、発表後のアフターアワーズでは、10%程度下落しています。
Capital One posts first-quarter loss, shares fall

Yahooの発表した第1四半期の結果は、1180万ドルの利益、EPS8セントでした。アナリストの予想と合致しています。株価は発表後のアフターアワーズで数%程度上昇しています。
Yahoo to cut 5 percent of jobs

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)USB 20.89%, WFC 10.65%, C 10.20%, JPM 9.57%, BAC 9.23%, GS 4.65%, MS 4.80%の大幅な上昇となりました。

(小売り)順調に上昇しています。宝飾品製造販売のTiffanyが10%以上上昇しています。理由となるそれらしいニュースは今の時点では(私は)分かりません。

(住宅関連)順調に上昇しています。

(テクノロジー)  全般的に順調に上昇しています。尚、昨日決算発表したTIは本日は1.21%の下落、Emulexの買収提案を発表したBroadcomも5.83%の下落でした。尚、両社の株とも日中はもっと下がっていたのですが、市場の上昇トレンドの影響もあり下げ幅を縮小して終了しています。

<まとめ・コメント>

建築機器製造大手のCatapillarは17年ぶりに赤字となる四半期決算を発表、景気の影響の厳しさを物語る結果でした。上に書いた様に発表直後は、株価は大きく下落していたのですが、最終的には上昇して終了しています。本日のガイトナー長官の発言の市場への影響は非常に大きかったと言えると思います。この発言で、ストレステストに対する結果への不安もかなり和らいできている様です。Roubini氏やその他のエコノミスト達が、ストレステストはもはやストレステストとしての意味をなさない、と既に語っていましたが、今日のガイトナー長官の発言からも、ストレステストに恐らくほとんどの企業が合格し、早急な資金調達の対応を迫られる可能性も少なくなってきていると思われます。

一方で、IMFが本日発表した金融機関の損失予想は、前回の予想から大きく上昇となり、また、ヨーロッパやアジアの損失も今回から加えてきています。このIMFの予想とガイトナー長官の現時点での金融機関の状況の見方には大きな差があります。ガイトナー長官の発言の裏には、金融機関への不安を高めない様にする配慮があるとしか思えません。市場としても、本日はIMFの発表はほとんど材料視せず、ガイトナー長官の発言に焦点を集め、上昇となった様な格好です。実際問題として、ストレステストの懸念が和らげば短期的にはファイナンスは買い、との動きになるのはある程度理解できます。しかし、中長期的な視点で見た場合は、現時点で新規にロングポジションを構築する事は、明らかに避けるべきセクターだと思います。

昨日少し書きましたが、IBMとTIの市場終了後の決算発表とそのアフターアワーズでの反応は相反するものでした。しかし、今日の株価は、逆にIBMが上昇、多くのテクノロジー株が上昇する中でTIは下落となりました。TIの決算結果はアナリストの予想以上ではしたが、第1四半期の結果、第2四半期の収益予想、今後の見込み等を考慮した場合、株価はオーバーバリューであり、同様の条件で見た場合、IBMは逆にアンダーバリュー気味であると思っています。今日の両社の株価の動きに関しては、比較的妥当だと思います。また、Oracleに関しても、今日は上昇となっていますが、こちらも昨日の時点では、Sun買収のリスクをクローズアップする動きがありましたが、今日は逆に好意的に評価する見方がでてきた事を示していると思います。

CitiとBank of Americaの決算結果で注目が集まりつつあるクレジットロスについては、本日市場終了後に発表したCapital One Financialでも、チャージオフの急速な上昇となっている等、市場全体としての方向性を示唆していると思います。明日の朝にWells Fargoが正式に決算を発表します。好決算である事は既に明らかではありますが、細かい内容に市場の注目は集まっていると思います。住宅ローン関連の事業が非常に好調だったことが、収益向上の主な要因とCFO Atkins氏が既に明らかにしていますが、クレジットロスがどの程度なのか、また、それ以外にも不安要因があるのか、等の視点で決算結果に焦点が当てられてくる様に想像しています。

ガイトナー氏の発言で、市場センチメントは再び急速に良くなっていますが、中長期の視点で見た場合はとても楽観視できる様な状況ではないと思います。後は、これからの企業の決算発表の内容も中短期の市場の動向には大きな影響を与えると思います。取りあえずは、明日のWellsの結果に私も注目したいと思います。


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2009年4月21日火曜日

4月20日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 7,841.73 -289.60 (-3.56%)
Nasdaq: 1,608.21 -64.86 (-3.88%)
S&P500: 832.39 -37.21 (-4.28%)

本日は、朝に発表されたBank of Americaの決算結果から、金融機関のクレジット損失が大きく上昇している事、今後更に増える事への懸念等が高まり、市場のセンチメントにも大きく影響を与え、市場全体が大幅に下落しました。また、6週連続で大幅に上昇してきた事への調整的な反落も(当然)あると思います。S&P 500は、4%を上回る大幅な下落となりました。

Wall Street sinks on banks' woes

<本日の主なニュース>

Bank of Americaの第1四半期の結果は、純利益が28億1000万ドル、EPS44セントでした。昨年第1四半期は、10億2000万ドル、EPS23セントで利益は約倍増となりました。この結果は、China Construction Bankの株式の売却益19億ドルとMerrill Lynchのストラクチャード・ノートの22億ドルの収益を含んでいます。一時的な損益(と出費等)のアイテムを除いた場合、利益は一株あたり17セントでアナリスト予想平均の4セントを上回りました。

優先株の配当支払い前の場合、純利益は42億5000万ドルで、その収益の86%はMerrillの事業からのものとの事です。市場から注目を最も集めたのは、クレジットカードの事業で17億7000万ドルの損失となりました。

以下に添付のReutersの記事からのCEOのKen Lewis氏のコメントを引用します。

"Make no doubt about it, credit is bad, and we believe credit is going to get worse," Lewis said.

と語り、今後クレジットの損失が悪化しており、今後更に悪化することは確実(間違えない)との見方を示しました。

Bank of America net up, shares sink on bad loans


OracleがSunを買収することを発表しました。これについては、一つ前のエントリーを参照して下さい。


市場終了後にIBMとTIが四半期の決算を発表しました。

IBMの四半期の結果は、売り上げは217億1000万ドルで前年第1四半期に比べて11%減少しましたが、利益は1%減少に留まる23億ドルでした。また、一株あたりの利益は上昇し、EPS $1.70でした。グロスマージンは43.4%に上昇しています。IBMは、2009年の収益見込みについては一株あたり最低$9.20の見込みを維持しています。IBMの株価は発表後のアフターアワーズで2%程度下落して取引されています。

IBM revenue falls more than expected

TIが発表した四半期の結果は、1700万ドル、EPS1セントの黒字でした。昨年の第1四半期は、6億6200万ドル、EPS49セントの黒字だったので大幅な減益です。また、売り上げは36%減少し、20億9000万ドルでした。第2四半期の収益の見込みは、EPSで1セントから5セントの間を見込んでいることを明らかにしました。

尚、先々の見込みに関しては、CFOのMarch氏が以下の様に語り、非常に慎重な見方をしています。

"Frankly, when we look out at the macro economic environment it remains unclear what direction the economy wants to go in," he said, noting that there were no signs of improvement in markets such as automotive or industrial.

アフターアワーズで、TIの株は4%前後の上昇となりました。

TI Q1 revenue, Q2 outlook top estimates

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)BAC 24.34%, C 19.45%, WFC 16.09%, JPM 10.73%の大幅な下落でした。GS 4.64%, MS 5.92%で相対的には下落幅は小さめでした。

(小売り)下落しています。特に目立ったのは、Targetで6.27%の下落でした。但し、Targetは先週かなり上昇したので、調整的な側面も大きいかと思います。

(住宅関連)先週大幅に上昇しましたが、今日は下落となりました。Lennarが18.63%で突出して下がっています。それ以外は10%以下のそれなりの下落でした。

(テクノロジー)  Sunが36.77%の大幅な上昇となりました。


<まとめ・コメント>

注目を集めていたBank of Americaの結果はアナリストの予想を上回る収益となりましたが、クレジット・ロスが急速に増えている事、本業の銀行業務の利益はそれ程でていないこと等、今後の収益に対して不安材料が残る内容でした。今後クレジットロスが更に増加する事はほぼ確実と見られており、それによって政府からの資金調達を余儀なくされる懸念が再び持ち上がってきている模様です。BACの株はこの6週間で4倍近く上がっており、今回の発表であれば今日の大幅下落はある意味致し方ない様に思います。

尚、クレジットロスに関しては、先週発表したCitiも同様の傾向にあり、こちらも本日大幅に下落しました。失業率の増加に伴い、クレジットカードや住宅ローンの返済に窮する消費者の数は増加の一途をたどっており、破綻件数の増加による市場への影響、金融機関の決算への影響は今後更に大きくなることはほぼ確実だと思います。

OracleのSun買収発表は衝撃的なものでした。Sunの株価は大幅な上昇となりました。買収側のOracleは下落していますが、私は別エントリーにも少し書きましたが、この2社の組み合わせはかなり強力で長期的には非常に良い組み合わせだと思っています。Ellison氏の手腕に期待しています。(多分、Ellison氏はハイレベルの方向性を示して、適切な人材に戦略を実行させると思います。)ある意味、この2社の組み合わせは、業界に対して非常に大きな変化を与える事になることと思っています。

市場終了後に発表されたIBMとTIの決算は両社とも予想通り(アナリスト予想ではなく)良いものでした。個人的には、特にIBMの結果は素晴らしいと思っています。売り上げは少し下がったものの、マージンは上昇し、収益はほぼ横ばいです。2009年の収益見込みをほぼ達成すると仮定した場合、P/Eは10倍程度で、アンダーバリュー気味です。一方のTIは、アナリスト予想の赤字に反しEPS1セントの黒字だった事、第2四半期の見込みもアナリスト予想以上だった事から、アフターアワーズで株価が上昇しました。はっきり言って、大幅な減益、売り上げ減、EPS1セントで今四半期もレンジの上限でEPS10セントの予想では、P/Eで見た場合、完全にオーバーバリューになっています。バリュエーションと今日のアフターアワーズの株価の反応を見た場合、IBMとTIはまったく対照的です。この様な非論理的なバリュエーションはハイテク株では日常的なので、個人的には冷めた目で見ています。

今日は大幅な下落となりましたが、ここ数週間の大幅な上昇はある意味ちょっと行き過ぎの傾向だったので、この程度の下落は調整的なものだと思います。重要な点は、市場のトレンドが転換を迎えつつあるのかどうなのかだと思っています。引き続き企業決算と市場の反応に注目して行きたいと思います。

明日はCaterpillarが市場開始前に決算を発表します。また、クレジットカード大手のCapital Oneが市場終了後に発表予定です。これらの2社のどちらかが思いの外悪い決算を発表すると市場への影響も大きいと思います。明日は、それ以外にも多くの会社が決算を発表する予定です。ここまでは、アナリスト予想よりも良い、予想した程悪くない、と言った結果が主でしたが、その状況が続くのか、それとも値がティプサプライズがあるのか、市場も注目しているところだと思います。


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2009年4月18日土曜日

4月17日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 8,131.33 +5.90 (+0.07%)
Nasdaq: 1,673.07 +2.63 (+0.16%)
S&P500: 869.60 +4.30 (+0.50%)

今日は、多少上下しましたが、最終的にはDOWとNasdaqはほぼ変わらず、S&Pは0.5%の若干の上昇でした。週を通してみた場合は、今週は各主要インデックスは、2%前後の上昇となり、好調でした。これで、6週続けての上昇となりました。この6週間の上昇幅は、1938年7月以来で、最も高いものだとのことです。Dow ends best 6 weeks since 1938 on econ hopes



<本日の主なニュース>

本日発表されたミシガン大学消費者景況指数(MCSI)の4月の速報値は、3月の57.3から61.9に上昇しました。これは、9月の70.3以降で最も高い値です。
U.S. consumer sentiment highest since September

GEの発表した四半期の結果は、利益が昨年同期に比べ36%減少した27億4000万ドル、EPSで26セントでした。アナリストの収益予想はEPS21セントで、予想を上回りました。GEの株価は本日0.98%の上昇でした。
GE profit drops on finance, NBC but tops forecasts

Citigroupの四半期の結果は、9億6600万ドル、EPS18セントの損失でした。一時的な出費を除いた場合のReutersの見込みは、一株あたり12セントの損失で、アナリスト予想のEPS30セントの損失よりも良いものでした。また、優先株の影響を考慮しない場合、四半期の収益は15億9000万ドルで、同様の条件で見た場合、2007年の第3四半期以来で初めての黒字だとの事です。収益の結果には、アカウンティング・ルール変更による25億ドルの増価が含まれています。

Citigroupは、525億ドルの優先株式を普通株式への転換(交換)の計画を、ストレステストが完了して、その結果後に延期すると発表しました。
Citigroup results top forecasts

GMのCEO Fritz Henderson氏が、Chapter 11のバンクラプシーの申請の可能性が高くなっていると語りました。実際の表現としては、以下のものです。
"Given what we need to accomplish, I certainly felt a couple weeks ago that it was more probable that we would need to go through a bankruptcy process," Henderson told reporters on a conference call. "That continues today."
(我々が達成しなければならないことを考慮すると、バンクラプシーの過程を経て行う必要となる可能性は、数週間前よりも確実に高くなっていると感じている。)
GM readies plans for bankruptcy it hopes to avoid

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)Citiは8.98%の下落、GSも0.49%の若干の下落となりました。それ以外の主要なところは、MS 4.3%, WFC 4.16%, BAC 2.51%, JPM 0.06%上昇しています。

(小売り)昨日と似た様なパターンで、Wal-Martが下落、一方Targetは上昇となりました。

(住宅関連)今日も順調に上昇しています。

(テクノロジー)  上昇と下落に分かれていますが、主要なところは下落しているところが多い様に思いました。決算発表を行ったGoogleは0.90%の上昇でほぼ変わらず、Apple, Dellが上昇する一方で、IBM, Intel, HPは下落でした。Nokiaの発表の影響かMotorolaが9.02%の大幅な上昇となっています。

<まとめ・コメント>

四半期の決算結果に関しては、GE, Google, Citiともアナリストの予想よりも良い結果でした。ただし、結果が予想よりも良くなるだろうとの見込みは既に株価に織り込み済みだったと言えるかと思います。GEとGoogleに関しては、株価は結果としてほぼ変わらないレベルで、ほぼ予想(アナリストが公開している収益予想ではなく、市場の直前の予想)通りの結果だった様です。Citiに関しては、優先株の配当支払等を除いた場合は、2007年第3四半期以来の黒字だったとのことで、Pandit氏が言っていた黒字の見込みを実現した様な発表です。ただし、アカウンティングの変更等による決算上の好材料も大きく、また、実質的な事業としては、消費者向けのクレジット等の損失の増加や、それが今後高まる事、ストレステストの結果による影響等を考えると、今日発表されたレベルの内容であれば、売られるのは妥当だと思います。

興味深いのは、来週月曜日発表予定のBACは今日も上昇した事です。Citiの結果がそこそこ良かったので、BACはそれ以上に良いのでは、との期待が高まっているのが今日の上昇の理由の様に思います。後、Wells Fargoも今日は上昇となりました。これも、正式な決算発表は来週で、良い結果が発表される事はほぼ確実なものの、実際にその発表が行われる事による期待からなのではと思います。

ここまでの決算結果は、主要企業の発表内容が「予想よりも良い(悪くなかった)」ところが多いものの、アナリストの予想よりは悪くないながら、実質的には大幅な減益となっているところが多く、また、不安材料も少なからずあります。ミシガン大学の消費者景況指数に関しても、最近の「状況は改善している」との期待が込められた認識を裏付ける数値だった事は、市場のセンチメントを維持させることに貢献したと思っています。

GMのHenderson氏が破産法申請の可能性が高まっていると記者団に述べた事は、ある意味、その方向性について一般社会に徐々に認識させて行こうと言うコミニュケーションの戦略だと思います。少し前までは、このGM破綻の可能性は市場に大きな影響を与えてきましたが、今日の報道でも市場の影響はほとんどなかったと言えるかと思います。これは、現時点では、GM破綻の可能性を織り込みながらも市場が大きく上昇していることを示しています。

週を通した場合、今週も上昇となり、これで6週間連続の上昇、しかも、上昇幅は過去70年間以上で最大とのことです。ここまでは、思いの外、市場は安定していますが、来週以降どうなるのか、注目しています。


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ちょっと細かい話なのですが、参考までに個人的な意見を以下に書きます。

月曜日は、Bank of America、市場終了後にTIが結果を発表する予定です。TIの結果はほぼ事前予想通り赤字、ただし、Nokiaと同様に「大幅な下落のペースは鈍化しており、市場は安定しつつある」と言ったコメントがあるだろうと、予測しています。この表現はNokiaでは非常に好感されましたが、2匹目のどじょうはいるのか、個人的には注目しています。今日のMotorolaの上昇の理由もこれだと思っていますが、Motorolaの発表は再来週なので、そこまで持つのかな、と思っています。もしかすると、隠されたポジティブサプライズがあり、それが一部リークしている可能性もあります。そうでないととても説明できないくらいのここのところの上昇を見せています。

2009年4月17日金曜日

4月16日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 8,125.43 +95.81 (+1.19%)
Nasdaq: 1,670.44 +43.64 (+2.68%)
S&P500: 865.30 +13.24 (+1.55%)

本日は、朝から昼過ぎにかけては小康状態を保っていましたが、午後2時頃から上昇トレンドに転じ、前日比上昇で終了しました。本日は昨日とは対照的に、Nasdaqが他のインデックスよりも好調でした。テクノロジー関連の株が全般的に好調だった事が主な要因です。テクノロジー企業の決算は予想よりも良いのでは、との期待が高まっている様です。

Wall Street flies on tech bets and JPMorgan

<本日の主なニュース>

商務省が発表した、3月の住宅着工件数は10.8%減少し季節要因を考慮した年間のペースで51万戸となりました。これは、1959年からで史上2番目に悪い数字です。アナリストの予想は年換算54万戸でした。労働省が発表した、先週の失業保険申請件数は、増加の予想に反して53000件減少し、610000件となりました。また、(はっきり言って60万件を超えているのは依然として非常に高いレベルにあると思います。)
U.S. recession drags but recovery hope grows

全米第2位のショッピングモール所有企業のGeneral Growth PropertiesがChapter 11を申請しました。
General Growth files historic real estate bankruptcy

携帯電話世界一位のNokiaが決算を発表しました。結果は、初めての四半期の赤字決算で、税引き前で1200万ユーロ(1580万ドル)の損失でした。(追記:四半期決算赤字は、税引き前のことです。添付のReutersの記事を元に書きました。尚、第1四半期の税金収入は1600万ユーロで税引後は黒字です。Nokia決算発表資料10ページを参照して下さい。親会社の株主に属する収益としては、1億2200万ユーロ(1億6100万ドル)でした。)

決算発表の際に注目を集めたのは、CEO Olli-Pekka Kallasvuo氏の以下の発言でした。(以下に添付のReutersの記事から引用)

"Although the trajectory of end-demand remains unclear, we believe the market is no longer falling in an uncontrolled manner,"

"I am encouraged by the signs of stabilization we saw at the end of the first quarter,"

個人的には、急激な需要の低下、更に先がまったく見えない状態:最悪の状況から、脱したと言う程度の様に思えます。しかし、市場は、需要の状況が安定してきたと言う好意的に解釈している様です。さらに、追加の発言として

"Nevertheless, it is too early to conclude that the end-user demand has touched bottom," Kallasvuo added. "The global economy as a whole remains weak, and we are planning our business accordingly."

エンドユーザーの需要が底を打ったと結論づけるには時期尚早で、世界経済全体は依然として弱く、我々はその状況に則して事業を行う計画である、と付け加えています。

決算発表をうけて、Nokiaの株価は9.4%の大幅に上昇しました。

Nokia shares rally after calming forecast

JPMorganの四半期の結果は、15億2000万ドルの純利益、EPS40セントで、アナリストの予想平均の32セントを上回りました。また、決算発表のカンファレンスコールで、CEO Jamie Dimon氏は、TARPの返済は明日にでもできると、発言しています。JPMの株価は、本日2.09%の上昇でした。

JPMorgan shares up after profit tops view

市場終了後にGoogleが四半期の決算を発表しました。第1四半期の純利益は、14億ドル、EPS$4.49でした。特別な出費を除いた場合、EPS$5.16でアナリストの予想の$4.93を上回りました。発表直後のアフターアワーズでは、株価は5%以上上昇し、$400を軽く超えていたのですが、現時点では、少し上昇のレベルに留まっています。カンファレンスコールで、CFOが先の見通しを明らかにしなかったこと、利益が高い検索ワードを使用した広告の需要の伸びが落ちてきている事、他、今後の事業展開等についての不安も多少ある様です。

Google handily beats first-quarter profit estimates

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)BAC (-0.96%), WFC (-0.51%)若干下落した他は、上昇しています。決算を明日に控えたCitiは1.01%, JPM 2.09%, MS 2.22%の上昇でした。

(小売り)Wal-Martが0.99%の下落でしたが、他は、Target 3.40%上昇を始め、順調に上昇しているところが多いです。

(住宅関連)今日も順調に上昇しています。

(テクノロジー)  上昇しているところが多いです。Nokiaの影響か、通信系は今日も順調でした。また、Dellが6.67%上昇したのも目を引きました。

<まとめ・コメント>

本日発表された、経済の指標等は予想よりも悪くなく、また、下落のペースが落ちてきている、あるいは、非常に悪い数値から比べ上昇している等、最近発表された他の指標の傾向と似たパターンでした。また、NokiaのCEOもそのパターンに則した様な発言をしたからか、株価は初の四半期赤字(注:税引き前、上の追記を参照して下さい。)の発表にも関わらず大幅な上昇となりました。Fedも上記パターンを市場の状況が安定化、改善している兆候と強調しており、市場もそれに素直に反応している様な状況が続いています。個人的にはとても楽観できる様な状況ではないと思っています。

General Growth PropertyのChapter 11申請は、今後、事業用不動産の破綻が増加する事を端的に示した大きなニュースだと思っています。しかし、市場の反応はそれ程でもありませんでした。ファイナンス・セクターを取り巻く事業環境は今後更に悪化して行く事は必至だと思います。

本日発表されたJPMの結果は、アナリスト予想よりも良い、ほぼ自分の予想通りの結果でした。株価の反応も過剰に上昇しなかったので、ほぼ最新の市場・投資家の予想の範囲だったと思います。Googleの決算に関しては、個人的にはほぼ予想の範囲でしたが、発表後のアフターアワーズで大きく上昇しているのを見て、市場のセンチメントが行き過ぎなのでは、と心配していましたが、その後、過剰な上昇は収まったので、ある意味では妥当、冷静なレベルの反応の様に思います。

個人的にびっくりしている(あきれている)のは、Nokiaの決算結果からか、通信系の株の多くが本日大きく上昇した事です。今日のNokiaの発表はそれほどポジティブなものではないと思います。通信系が大きく売り込まれているのであれば、本日の様な株価の動きは理解できますが、ここ最近既に大きく上昇している上で、本日更に上がっているのはちょっと行き過ぎと思っています。来週、TI等が決算発表を行うので、その結果と株価の動向に注目しています。

明日はいよいよCitiが決算を発表します。市場の注目も大きく集まっているなかで、どの様な内容になるのか注目しています。どんなことをしても黒字に持って行くと思っています。多分市場も黒字自体は既に見込んでいて、決算発表の内容に注目が集まると予想しています。3月の初めからここまで、連続して大きく上昇してきましたが、このモーメンタムを維持して更に上に引き上げるためには、何か新たなサプライズがないと厳しいと思います。例えば、CitiとBACが予想を大幅に上回る黒字発表等です。その様なものがない場合は、そろそろ燃料切れになりそうに思っています。あるいは、ネガティブなサプライズによって、一気に市場の方向性が反転する可能性もでてきていると思います。

ストレステストに関しては、政府としても何としても市場に対してネガティブな影響を与えない様に、必死に策を練っていると思います。ある意味で、非常に皮肉な状況にあるとも言えます。短期的には、やはり明日のCitiと来週月曜日のBACの決算と市場の反応に注目しています。


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2009年4月16日木曜日

4月15日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 8,029.62 +109.44 (+1.38%)
Nasdaq: 1,626.80 +1.08 (+0.07%)
S&P500: 852.06 +10.56 (+1.25%)

本日は、多少なりとも上下に変動はあったものの、終了前1時間で一気に上昇して、DOWとS&P 500は、1.3%前後の上昇、Nasdaqは前日比でほぼ変わらないところまで戻しました。Fedが発表したベージュブックで、経済活動の低下のペースが落ちてきていると述べられていた事、製造のセクターに対して、ボトムが近いと言った表現が入っていた事等が好感された様です。

Fed says economic weakness slowing

<本日の主なニュース>

また、アメリカン・エクスプレスが、将来の破綻の確率のトレンドを示すクレジットカードの支払いが30日以上滞っている率が5.3%から5.1% に減少したことから、12%近い上昇となりました。尚、3月の破綻のレートは、8.6%から8.8%に上昇しています。他のクレジットカードの事業も、ほとんどが3月の破綻レートは上昇しています。
WRAPUP 1-US credit card defaults rise, but outlook improves

ホワイトハウスのスポークスマンRobert Gibbs氏が、銀行に対して行われているストレステストの結果は5月の初めに好評する予定である事を明らかにしました。
U.S. to release bank stress data in May

FiatのCEO Sergio Marchionne氏は、Chrislerとの業務提携に関して組合が譲歩しない限り、交渉の場から離れる事も辞さないとのコメントを行いました。政府から与えられている期限は4月末なので、交渉は山場を迎えつつある様です。
Chrysler-Fiat talks intensify, Saturn deal eyed

American Airlineの親会社AMRが四半期の決算を発表しました。結果は、3億7500万ドルの赤字、一株あたり$1.35の損失でした。しかし、結果はアナリストの予想よりは良かったため、株価は本日18.72%の大幅な上昇となりました。
AMR reports loss on economy; stock up

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)CitiとMorgan Stanleyが下落した他は、主要なところは上昇しています。FITB 12.22%, USB 8.10% WFC 7.01%, JPM 6.06%, GS 5.28%, BAC 3.47%上昇しています。

(小売り)上昇と下落に分かれていますが、変動の幅はそれ程大きくありません。

(住宅関連)大幅に上昇している(10%前後)ところが多いです。

(テクノロジー)  下落しているところが多いですが、通信系のところは上昇しているところも多く目にしました。但し、TIとBroadcomは下落です。 決算発表が明日のGoogleは2.87%の上昇でした。

<まとめ・コメント>

本日の上昇の要因として、Fedのベージュブックで、経済活動の下落のペースが落ちてきているとの表現が好感されたとの記事を多く目にしました。回復した(上昇した)わけではないのに、好意的に解釈されるところに、市場のセンチメント、景気の先行きに対しての期待が依然として強い事を暗示している様に思います。

Fedのベージュブックはざっと冒頭の部分を読んだだけですが、個人的にはこれが市場に好材料となることに非常に興味を覚えました。クレジットカードの会社毎の破綻率が発表されました。これに関しても破綻率が上昇しており、高まる失業率とその影響を考えた場合、悪材料になるのであれば分かりますが、アメックスの30日以上の支払い遅延率が前月に比べ減っただけで、大きな好材料となっていることも、同様の印象を受けました。

昨日市場終了後に決算を発表したIntelは市場予想を上回る結果でした。株価は、午前中は4%を超えるそれなりに大幅な下落していましたが、それなりに戻して終了しています。コンピューター関連は今日は下落しているところが多かったです。一方で、テクノロジー関連では、通信系の株では上昇しているところも多く目にしました。但し、通信系の半導体の主要ベンダーのTIとBroadcomは下落しています。

いろいろ最近取沙汰されているストレステストに関しては、政府が5月初め頃に公開する予定を明らかにしました。New York Times等の記事で、結果は(意図的に)全ての銀行が合格、との話が既にリークされています。当初掲げていた大義名分は、実質的にはかなり意味を失いつつある様です。しかし、多少は個別の企業の結果も公開する様なので、多少なりとも市場への影響もありそうです。

明日は、JP Morgan、Google等が決算を発表する予定です。この2社に関しては、結果自体はそれなりに良い安定した結果を発表すると思っています。ただし、銀行系に対しては、好決算の期待が高まっているので、その期待に対してどうなのか?Googleについては、今後の収益の見通し、特に今後の事業の伸びについて注目が集まっていると思います。

今日までの時点では、市場のセンチメントは相変わらず強気を維持していますが、それが、このまま続くのか、どうかに注目しています。


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2009年4月15日水曜日

4月14日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,920.18 -137.63 (-1.71%)
Nasdaq: 1,625.72 -27.59 (-1.67%)
S&P500: 841.51 -17.22 (-2.01%)

今日は、朝発表された小売店の販売結果が予想よりも低かった事、昨晩のGoldmanの四半期決算発表のカンファレンスコールでCFOが市場環境は依然として厳しいと慎重な見方を示した事等から、下落して始まり、一旦はかなり戻したものの、そこから再び下がって終了しました。

<本日の主なニュース>

政府(商務省 国勢調査局:U.S Census Bureau)が発表した米国の3月の小売店の売り上げは、前月に比べ1.1%の下落となりました。市場予測は前月に比べて上昇だったにも関わらず、予想以上に悪い結果でした。尚、小売店の販売は過去2ヶ月連続で上昇しており、米国の景気後退は底を打ったのではないかとの期待の元となっているデータの一つでしたが、今回下落となった事で、その様な期待に水を差す状況となった様です。
U.S Census Bureauプレスリリース

Retail sales show recession far from bottom

Johnson & Johnsonの四半期の結果は、35億1000万ドルの利益、EPS$1.26でした。アナリストの予想平均のEPS$1.22を上回りました。また、2009年の利益予想は、$4.45から$4.55の間の見込みを堅持しています。売り上げは7.2%減少し150億ドルでしたが、コスト削減を進めた結果、EPS同レベルを維持しています。株価は本日0.43%の上昇でした。
J&J profit beats forecast, cost cuts deliver

市場終了後、Intelが四半期の決算を発表しました。結果は、売り上げが71億ドル、EPS11centsで売り上げ、利益ともアナリストの市場予想を上回りました。Intelの株価は、本日0.19%の微増でしたが、アフターアワーズでは、現在4.5%の下落となっています。
UPDATE 1-Intel results top Street forecast

Intelの結果から、S&PとNasdaqのfutureは下落しています。
S&P, Nasdaq futures fall after Intel results

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)E-Trade 7.47%, Citi 5.53%の上昇でした。一方、他の主要銀行は下落しています。FITB 17.05%, GS 11.56%, MS 11.97%, JPM 8.9%, BAC 8.44%, WFC 7.12%と大きく下落しています。

(小売り)下落しています。目についたところでは、Best Buyが6.87%の下落でした。

(住宅関連)Toll Brothersが2.02%下落している以外は、ほとんど上昇しています。

(テクノロジー)  下落しているところが多いですが、コンピュータと通信系のところは上昇しているところも多く目にしました。

<まとめ・コメント>

決算発表を一日早めて発表したGoldmanは、市場の予測よりも良い好決算だったにもかかわらず、本日は10%以上の下落となりました。Goldmanの株は、ここ数週間で非常に大きく上昇しており、市場予測よりも良いことは株価に織り込み済みだった事等から、発表後利益確定の売りが集中した事が一つの大きな要因と思われます。また、TARP返済のため新株発行による50億ドルの資金調達も、既存株主に取っては株の希薄化につながる事なので、売りの要因となったのではと考えています。尚、今回発行の公募価格は123ドルだったので、いきなり株価は発行価格を下回る結果となっています。

GoldmanのCFOがカンファレンスコールで、ファイナンシャル・セクターの市場状況について依然として慎重な姿勢を見せている事もGoldmanの株価、ファイナンスセクターの株価に影響を与えた様で、主な企業はCitiを除いて大きく下落しています。正直、Wells FargoやGoldmanは、元々それなりに良い結果となる可能性が高いと思っていたので、個人的には想定の範囲内でした。尚、市場はここからが正念場だと思います。木曜日にJP Morganが決算発表予定ですが、恐らくある程度良い結果を発表すると思います。今日の市場のGoldmanの結果に対する反応を見ると、驚く程良くない限り、下落のリスクが高くなってきている様に思います。その様な見方が今日のJPMの下落に反映されている気がしています。(ただし、相対的に言えば、JPM(とGS, WFC)は他のファイナンス株よりも下落リスクは低いと考えています。)

尚、注目はやはりCitiとBank of Americaの決算結果です。Citiは今週の金曜日、BACは来週です。上に書いた様にJPMはそれなりの好決算(あるいは現時点で既に公開されているアナリストの市場予想より良い結果)を発表すると思っています。しかし、Citiが黒字となるのか否か、市場の注目と期待は集まっている様です。CitiとBACの株価は連日大幅に上昇を続けてきていましたが、BACに関しては、今日は一休みの下落となったものの、Citiは今日も上昇しました。これは、Citiが黒字を発表するとの期待からだと想像しています。(アナリスト予想は赤字)

この様に個人的には、CitiとBACの決算結果が異様に高い期待に対して応えられるのか、注目しています。

本日市場終了後にIntelが四半期の決算を発表しましたが、アナリストの予想よりも良い結果だったにもかかわらず、アフターアワーズで4%以上の下落となっています。これは、ほぼ自分の予想していたシナリオに近い展開でした。(アナリスト予想を上回る結果で株価下落)

上にも書きましたが、本日発表された3月の小売店の販売結果は、最近の大幅な上昇を支える“景気は底を打った”との楽観的な見方、あるいは市場の希望的観測に水を差す結果だったと思います。その割には、今日の市場はそれ程下落しなかった、と思っています。このニュースに加え、今後、企業決算の結果が市場の期待程ではない場合、失望から再び下落のトレンドへの変わる可能性は高まってきている様に思います。


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2009年4月10日金曜日

4月9日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 8,083.38 +246.27 (+3.14%)
Nasdaq: 1,652.54 +61.88 (+3.89%)
S&P500: 856.56 +31.40 (+3.81%)

今日はWells Fargoの予想を大幅に超える第1四半期の黒字見込みの報道が市場に大きな衝撃を与え、市場全体が大幅に上昇となりました。

Wells Fargo shocks market with record profit
Wall Street sets 5th weekly gain on banks, Boeing off late

<本日の主なニュース>

日中は、市場は大幅な上昇となりましたが、決算動向で注意が必要なプロフィット・ウォーニングの発表もされています。

Boeing は、第1四半期の収益が予想よりも低くなるとプロフィット・ウォーニングを発表しました。株価は、アフターアワーズで
Boeing warns on Q1 profit, to cut plane output

Chevronは、第1四半期の収益が昨年第4四半期に比べて大幅に低くなると警告しました。
Chevron sees sharply lower Q1 profit

昨日発表になったFOMCの議事録ではインフレ懸念は示していませんでしたが、Fedはインフレに対しての対策の準備を始めるとしています。この記事もLawrence Summers氏のコメント等も引用されていて、日所に結構興味深い内容です。お勧めです。
Fed says plan now to avert inflation

Summers氏の発言としては、景気のフリーフォールは、じきに(数ヶ月程度)で終わると語ったと報道されています。
Summers says economic "free-fall" to end soon

3月の小売業の結果が発表されました。予想されていた程の落ち込みがなかったことから、消費者のコンフィデンスが回復しつつあるかもしれないとの見方もあります。
Retailers' sales offer glimmer of hope

ストレステストに関して、注目の記事があります。オバマ大統領がガイトナー長官とFDICの会長Cheila Bair女史と、ストレステストの状況と次のステップについて話し合いを金曜日に行うと報道しています。
Obama plans meeting on bank stress tests

一方で、ストレステストに対して、どの様に公開するか等についてはまだ確定していない部分も多くある様です。
No U.S. banks will close due to stress tests: source

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)軒並み大幅な上昇となっています。BAC 35.27%, WFC 31.70%, USB 22.84%, MS 11.72%, C 12.59%上昇しました。

(小売り)Wal-Martが3月の既存店の売り上げが上昇となったと発表しましたが、市場予想を下回ったため、WMTは3.71%の下落となりました。他の小売りは、順調でした。特に目立ったのは、WSM 19.44%, TGTは今日も6.09%上昇しました。

(住宅関連)順調に上昇しています。

(テクノロジー)  全般的に順調でした。主要企業の株は他のセクターの様に突出した上昇は見られませんでした。

<まとめ・コメント>

今日は、なんと言ってもWells Fargoの四半期の大幅黒字見込みの発表に限ると思います。一つ前のエントリーで取り上げていますが、内容的にも銀行業、住宅ローン事業が順調である、とWells CFOが語った事は、大きなインパクトがあると思います。住宅販売はこれからピーク機を迎えるので、第2四半期の決算に対しても非常に期待が持てると思います。今後の収益見込みについては、22日の四半期決算発表の時点である程度は明らかになると予想されるので、注目したいと思います。

しかし、懸念材料もあります。ファイナンシャルの分野では、やはり、ストレステストの結果がどうなるか?は大きな注目です。上に添付しましたが、結果をどの程度公表するのか等、まだ決まっていない部分もある様です。これらの件も含め、明日オバマ大統領とガイトナー氏、Bair女史がミーティングを行う予定との事で、それも非常に注目だと思います。

また、決算発表前に大手石油会社のChevronやBoeingがプロフィット・ウォーニングを行った事も注意が必要だと思います。また、Wal-Martが発表した3月の販売結果も期待程上昇していなかった事も気になります。Wal-Martは低価格を売りにしているので、現在の様な景気動向の中では小売業の中でも良いポジションにあると見られています。それだけに、今回の結果は失望を呼んだ様です。

来週からいよいよ、企業決算の発表が本格化します。今日の大幅な上昇は、景気回復の期待がかなりこもっていると思われますが、他の主要企業の四半期の決算結果がその期待を裏付けるものとなるか否かが大きな分かれ目になる様に思います。

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2009年4月9日木曜日

4月8日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,837.11 +47.55 (+0.61%)
Nasdaq: 1,590.66 +29.05 (+1.86%)
S&P500: 825.16 +9.61 (+1.18%)

二日連続で下落後の本日は、上昇で終了しました。昨日、他のインデックスよりも下がったNasdaqは本日は逆に他のインデックスよりも上昇となりました。本日の朝に発表された、住宅メーカーPulte HomesによるCentexの買収、政府によるTARPの生命保険会社に対する救済融資の報道等が上昇要因となる一方で、午後に発表となったFOMCの議事録が景気の状況に対しての警戒を示すものであった事から、上昇を抑えました。

Housing deal, hope for insurers lift stocks

<本日の主なニュース>

本日の日中の主なニュースは基本的に以下の3つです。

- 財務省が生命保険会社もTARPの対象とする事を認め、近日中に発表予定である事を確認した事
- 住宅建設販売のPulte Homesが同業のCentexを13億ドルで買収する事を発表した事
- FOMCの議事録の公開、特にFedの経済・景気の動向に対して非常に慎重な見方をしている事が明確になった事

この内の、二つに関しては、既に本ブログの別エントリーで取り上げています。(関連エントリーをハイパーリンクしています。)PulteのCentex 買収発表で、Centexの株は本日18.90%上昇、一方、買収する側のPulte Homesは10.49%の下落と対照的でした。尚、本買収は株式の交換によって行われます。

参考記事:Pulte Homes agrees to buy Centex in $1.3B deal

明日小売業の3月の販売結果が発表される予定ですが、投資筋では小売り業界は既に底を打ったとの見方が強まっている様です。
March to hint at whether retail's worst days are behind

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)下落したところが多いです。FITB 7.37%, C 2.17%, BAC 4.08%, MS 2.70%, GS 1.15%下落しています。一方、JPM 0.66%, WFC 0.27%上昇しています。

(小売り)全体としては非常に順調でした。特にTargetは7.34%の大幅な上昇でした。

(住宅関連)PulteのCentex 買収の発表があった朝は全面的に大幅な上昇となりましたが、その後収まりました。主要なところでは、CTX 18.90%, LEN 5.05%, MTH 2.23%, KBH 0.07%の上昇、DHI 4.02%, TOL 3.22%の下落でした。

(テクノロジー)  上昇しているところが多いです。目立ったのは、NVDA 4.11%, JAVA 6.05%, BRCM 4.90%, MRVL 6.12%, RIMM 3.27%, CTXS 7.80%の上昇でした。

<まとめ・コメント>

二日連続で上昇した後の本日は、生命保険会社がTARPの対象になることを財務省が認めたとの報道から、生命保険会社の株は大幅高で始まりました。また、本日の朝に発表されたPulteのCentex買収のニュースから、ホームビルダー株も軒並み10%を超える大幅高で始まりました。しかしながら、生命保険会社と住宅建設販売株の両方とも、その後はかなり調整が進み、上昇はそれ程でもない範囲で終了しています。

別途既にエントリーしておりますが、生命保険会社TARP適用は確かに良いニュースではありますが、これで全て問題が解決した訳ではないので、全面的に大幅高となるのはちょっと行き過ぎと思っていましたが、市場も同様の認識をしていた様です。ホームビルダー株についても、PulteとCentexの株価には大きな影響のあるニュースではありますが、非常に低迷している住宅セクターの現状の中で、買収のニュースでセクターの株全体が大きく買われるのはあまりにも飛躍し過ぎ、と思いましたが、こちらの方も、本日最終的には割と収まって終了しています。

FOMCの議事録が公開され、その中でFedが景気・市場環境に対して非常に厳しい見方をしているのが明らかになりました。これは、一つ前のエントリーで取り上げていますが、このFOMCの議事録を読んだ後で、株を買おうと思うのはかなり勇気がいると思いました。

今日のセクターでは、テクノロジーが全般的には順調でした。また、小売りに関しても非常に順調に上昇し、一部の銘柄については大幅な上昇となりました。個別の銘柄では、上昇を裏付ける様なニュースも多少なりともありましたが、本日セクター全般が非常に順調だったのは、明日発表予定の3月の販売結果が思いの外良いのではとの期待とそれにより、小売りのセクターは底を打ったとの見方が強まっており、その考えから買いが進んだ様に思います。

全体的には、ここ二日で多少下落した分を若干調整する様な上昇だった様に思います。多少なりとも事前の動きはあるものの、やはり来週以降の企業の四半期決算動向を待つ様な状況にあると思います。

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2009年4月7日火曜日

4月6日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,975.85 -41.74 (-0.52%)
Nasdaq: 1,606.71 -15.16 (-0.93%)
S&P500: 835.48 -7.02 (-0.83%)

4週連続の大幅な上昇から明けた本日は、下落で始まり昼頃にかけてはそれなりに大きく下落していましたが、その後戻し、先週末に比べ若干の下落で終了しています。取引数量は全般的には多くありません。

<本日の主なニュース>

著名なアナリストのMike Mayo氏が、銀行はローンの損失が2010年の末までに増える恐れがあると警告し、多くの銀行に対して、”underperform”または”sell”にレーティングを引下げました。この報道により、ファイナンスセクターはそれなりに下落しました。
Wall Street rally stumbles as bank fears reemerge

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)主要なところは全て下落しています。WFC 6.67%, FITB 6.4%, C 4.56%, USB 4.57%, JPM 3.69%, MS 3.12%, GS 2.30%下落しました。

(小売り)下落しているところが多いですが、下落の幅には差があります。下落で目立ったのは、Target 3.3%, BestBuy 3.08%下落です。

(住宅関連)下落していますが、それ程大きな下落ではありません。

(テクノロジー)  下落しているところが多いですが、上昇しているところもそれなりにあります。下落で目立つのは、やはりSunの22.73%の下落。RIMM 7.79%の上昇で目立っていました。RIMMの影響か他の端末メーカーでも上昇しているところが多くありました。Appleも2.12%上昇しています。

<まとめ・コメント>

本日は、SunのIBM買収提案の拒否のニュースやMike Mayo氏の銀行損失に対する見方の報道等から、それなりに下落しましたが、最終的にはかなり持ち直したと思います。今週は、金曜日は市場が休みである事、ウォールストリート関係者が春休みを取っている人も多いので、取引数量も多くないだろうと見込まれています。今週は、来週から本格化する企業の四半期決算の発表待ちで、基本的に様子見となりそうです。

日中に、少しCNBCを見る機会があったのですが、市場参加者のコメントでファイナンシャルは買うのを見送りたいとの声を何回か聞きました。Mike Mayo氏の発言の影響も少なからずあると思いますが、ファイナンス・セクターの問題はまだまだ長引きそうだとの見方が強まってきている様に思います。

その様な傾向がある割には、市場はかなり安定してきている様に思います。但し、上に書いた様に本日を含めて今週はそれ程活発に取引が行われないと見られているため、ある意味ではそれ程上下に大きく動かなくても自然とも言えます。仮に今週、多少なりとも動いたとしても、中期的なトレンドに関わるのは、来週以降の決算動向が鍵を握ると思います。

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2009年4月3日金曜日

4月2日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 7,977.84 +216.24 (+2.79%)
Nasdaq: 1,602.63 +51.03 (+3.29%)
S&P500: 834.36 +23.28 (+2.87%)

本日は、市場開始から大きく上昇して始まり、そのままさらに上昇を続け昼過ぎには、各インデックスとも4%近いあるいはそれ以上のレベルにまで上昇しました。その後は多少調整的に下がったものの、昨日に続き、本日も大幅な上昇で終了しました。

Reutersの記事では、本日の上昇は、米国の銀行の資産の価格についてアカウンティングのルールを緩める事が決定した事、G20でIMFに対して1兆ドルの追加融資を決定した事、米国の3月の工場注文(factory order)が7ケ月ぶりに上昇した事を挙げています。(私の意見は後のコメントに書きます。)
Wall Street surges on accounting rule change, G20

<本日の主なニュース>

G20の結果の発表が行われました。主な発表の内容としては、IMFの貸し出し枠を現行の3倍の7500億ドルにする、加盟国の外貨保有枠を拡大し、グローバルファイナンシャル・システムの流動性を高めるためIMFのリザーブ・カレンシー(保有通貨)を2500億ドルに拡大する事、貧困に窮する国に対して、IMFの金を売る事を確約する事、等です。

その他、ヘッジファンドやそれ以外の金融機関に対して税金逃れを防ぐ様々なファイナンシャルの規制条件についても発表されました。

G20 seals $1.1 trillion deal, markets rally
G-20 Expands IMF Lending Powers to $1 Trillion


FASB(Financial Accounting Standards Board)が米国の銀行の資産の価格についてアカウンティングのルールを緩め、より自社の裁量で’mark to market’の申告(自社の判断による市場価格での申告) を認める事を全員の賛成で可決しました。しかし、市場で売却が困難な資産に対して、貸し付け側がより少ないロスを計上する案については、賛成3、反対2で票が割れました。
U.S. rulemaker softens mark-to-market's bite

政府が発表した2月の工業製品の新規注文の速報値(preliminary)は、1.8%の上昇の3522億ドルとなりました。上昇となったのは7ケ月ぶりのことです。出荷額は、0.1%の下落で7ケ月連続の下落となりました。
商務省 国勢調査局プレスリリース

市場終了後にBlackBerryで有名なResearch In Motionが四半期の決算を発表しました。EPSは90セントで前年同期の72セントを上回る好決算でした。また、今後の見通しに対しても強気の予想をしており、株価は、本日7.61%上昇だったにも関わらず、さらに、アフターアワーズで17%程度の大幅な上昇となっています。
RIM posts rosy results and outlook, shares soar

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)主要なところは全て上昇しています。上昇幅はそれなりです。WFC 5.87%, GS3.56%, C 2.24%, BAC 2.7%上昇しました。その中で、MSについては、2.61%の下落で目立っていました。アナリストが第1四半期の収益が赤字になる予想を発表した事が原因の様です。

(小売り)順調に上昇しています。上昇幅もそれなりに大きいです。

(住宅関連)順調に上昇しています。目立ったところで、MTH 10.80%, DHI 8.49%, KBH 7.38%上昇です。

(テクノロジー)  全般的に上昇しているところが多いです。その中で、MicrosoftとDell は微減でした。

<まとめ・コメント>

G20の発表は、悪い内容ではありませんでしたが、イギリスとアメリカが提案していた、各国が大幅な景気刺激策を行う事については、フランスとドイツの強い反発もあり、発表には含まれませんでした。正直、市場が好意的に解釈する程の内容ではなかったと思います。ただ、ほぼ事前予想通りで、別に悪い話はなかったこと、無事に終了した事が好感された様です。FASBの発表に関しても、ほぼ予想通りでした。直接の恩恵を被るファイナンスセクターは上昇したものの、上昇幅はそれ程でもありませんでした。これは、株価は既にこの件を織り込み済みだったことを示しています。

工業製品の新規注文が上昇となったことについても、好材料と判断された様ですが、これに関しても昨日書いた事と同じで、実際の需要が上がったためと言うよりも第4四半期に在庫を急激に減らす動きがあったため、第1四半期に過剰に減少となった在庫のレベルを調節するために注文が増えたことが主な理由と予想されるため、悪いニュースではないと思いますが、それ程楽観しできるような明らかな良いニュースでもないと思います。特に国勢調査局のニュースリリースを見て頂ければ分かると思いますが、悪い材料も依然として多くあります。

一方で、失業者申請件数は予想を上回る数となっており、失業率の上昇には歯止めがかかっていません。しかしながら、市場の動きとしては、発表された経済指標と失業関連のニュースに対して、昨日と本日は非常に似た反応をし、二日続けて大幅な上昇となりました。

明日は、失業率が発表されます。失業率は、前回発表の8.1%から今回8.5%に上昇する事が予想されています。失業率に関しては、現時点で良い材料となるものはないのですが、それが分かった上で、ここまで上昇してきているのは、市場センチメントがかなり好転している事を示していると思います。明日、実際に失業率が発表された後も、現在のセンチメントを維持して行くのか注目だと思います。

本日市場終了後に、RIMMが予想以上に良い好決算を発表し、今後の見通しに対しても強気の見方を示した事から、アフターアワーズで株価は17%程度の大幅な上昇となっています。この影響から、他のテクノロジー株でもアフターアワーズで上昇しているところが少なからずあります。RIMM が上がるのは分かりますが、これは、失業した場合でも、外部との連絡の重要性から、Black Berryを維持、購入するケースもあると思われるので、これは、RIMMがシェアを伸ばして、RIMM固有の好結果であり、市場環境自体が好転しているわけではないと、思っています。

しかし、テクノロジー・セクターも第4四半期の急激な在庫調整から、第1四半期は注文が増えている可能性が高く、思いの外、第1四半期の結果が良くなる可能性が高くなっています。この様な期待・考えもテクノロジー株の買いを促進していると思います。ただし、在庫調整が終わった後、実際の需要がそれ程上がらなければ、中期の業績を下支えすることが難しくなることも考えられるため、注意が必要と思います。

今日の上昇は、センチメントの要因が非常に強いと思いますが、それに加えて、空売りのポジション解消による踏み上げもかなりあったのではと思います。これ以上、市場を上に引っ張る材料があるのか、注目です。ただ、徐々にアップサイドとダウンサイドの差が大きくなってきている様に思えるので、何かをきっかけに今度は大幅な下落となる可能性も高くなってきている様に思います。

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2009年4月2日木曜日

4月1日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,761.60 +152.68 (+2.01%)
Nasdaq: 1,551.60 +23.01 (+1.51%)
S&P500: 811.08 +13.21 (+1.66%)

本日は、昨日終値よりも低い値で始まりましたが、若干の上下動はあるものの上昇トレンドを維持して終了しました。昨日の上昇と合わせると大きく下がった一昨日の下落をほぼ帳消しにしています。

Reutersの記事で、本日の上昇は、製造業と住宅(建設)の数字に景気の回復の兆候が見られる事を挙げています。(私の意見は後のコメントに書きます。)
Wall Street rallies on manufacturing and homes data

<本日の主なニュース>

ISMが発表した3月の製造業のPMI(Purchasing Managers’ Index)は36.3%でした。予想は36%だったので、それより少し良い数字でした。

ISMプレスリリース

ISMのプレスリリースによると、PMIが3ケ月連続で30の半ばの数字に留まった事で製造業における急速な下落は幾分和らいできている様に見られる。また、3月のPMIは少し上昇しながら、New Orders Indexが7ケ月ぶりに40%台に上昇した事は、良い材料だとしています。調査の回答者のコメントとして以下の様なものを挙げています。業界によっては、改善が見られるところと、依然として厳しいところと分かれているのが分かります。

"We remain challenged to align our capacities with demand." (Nonmetallic Mineral Products)
"Most of the international markets have been reducing inventory levels and they are forecasting improvements in the next 4 to 6 months." (Chemical Products)
"Many pockets of improvement." (Electrical Equipment, Appliances & Components)
"Still very slow. No stimulus package for manufacturing. Down 30 percent." (Fabricated Metal Products)
"What we are feeling now is that customers aren't making their final payments on equipment that has already been shipped." (Machinery)

個人的に興味を引いたのは、薬品業界のコメントとして(2番目)、“ほとんどのインターナショナルの市場は、在庫のレベルを削減しており、この先4から6ケ月先のフォーキャストについて改善が見られる。”、です。昨年の第4四半期に急激な在庫調整(削減)を行ったところが多いと聞いていましたが、在庫のレベルが下がったためこの先6ケ月以内の需要に関しては少なからず改善が見られそうです。尚、注意しなければいけないのは、これは在庫の調整によるものであり、中長期のトレンドを計る意味ではほとんど意味をなさないと思います。しかし、四半期程度の株価の動向には、このことによる影響は大なり小なりあると思います。

商務省 国勢調査局が発表した2月の建設の支出額は、季節要因を考慮した年間のレートで、9675億ドルでした。これは、修正後の1月の数字から0.9%下落しています。昨年の2月と比較した場合、10%の下落となっています。今年の最初の二月の間の建設支出額は1355億ドルで昨年の同時期と比べると10.9%下落しています。
国勢調査局ニュースリリース

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)主要なところは全て上昇しています。上昇で目立ったのは、JPM 5.87%, GS 4.03%, MS 4.22%です。

(小売り)Targetは微減。それ以外の主要なところは上昇しています。

(住宅関連)Lennar以外の主要なところは上昇しています。

(テクノロジー)  全般的に上昇しているところが多いです。特にMicrosoftが5.12%の上昇で順調でした。Yahooは若干下落しています。SunはIBMに買収される期待からか、今日は9.29%の大幅な上昇でした。

<まとめ・コメント>

本日発表されたISMのPMIは予想より少し良かった程度のもので、数値自体は依然として非常に低いものでしたが、市場は好意的に受け止めた様です。ほとんどの景気指標のデータは、それをどの様に解釈するかで、良い様にも悪い様にもできると思います。ここ最近の市場の注目点は、第4四半期から年明けにかけて急速に悪化していた経済指標が改善されている事から、景気が底を打ったことを示しているかどうかになっている様に思えます。

少し注意した方が良いと思われるのは、前月と比べて数字が上がっていると、回復の兆候と解釈されがちなところです。市場のセグメントによっては、明確なシーズナリティがあり、それを十分に考慮した方が良いものもあります。端的な例が住宅市場です。住宅市場は4月から5月(と6月)にかけて非常に活発に取引されます。これは、学校の夏休み前に住む家を決めて、夏休み中に引っ越しを行う傾向が強いためです。夏休み後の9月から年明けにかけては市場の需要はかなり落ち込みます。そして、春に向けて需要は再び上昇します。単純に言うと月ごとに需要が上がって行く傾向があります。そのため、1月から2月、2月から3月といった比較で言えばシーズナリティにより上昇する方が自然です。

本日発表された自動車の販売結果についても、昨年同月と比べた場合、大きく落ち込んでいることを考慮すると楽観視はできる状況ではないと思います。自動車メーカーの場合は、その事以上に、GMとクライスラーがバンクラプシーとなるか否かで大きく株価は変わってしまうので、別に関係ないとも言えますが、、、

この様に自動車や住宅の市場については、最近の傾向として(住宅についてはかなり前から)、前年の同月と比べた場合、大きく落ち込んでいても、前月と比べて上昇していることに比重がおかれ、株価が上昇する場合が多々見受けられます。基本的には、根本的な市場環境の改善が起きなければ、遅かれ早かれ再び調整的な下落となります。この傾向に加え、最近は自動車メーカーの破綻や銀行企業の国有化の懸念の動向によって市場全体が大きく上下するため、非常に不安定な状況が続いていると思います。

昨日と今日の上昇からも、市場センチメントに大きな改善があることが明確で、短期的には上昇トレンドが続きそうな状況にありますが、何かのニュースをきっかけに大きな調整が起きる可能性も十分にあります。本日から4月となり、後2週間程度後からは、企業の第1四半期の決算発表のピークの時期に突入します。何度も書いている事ですが、近々に、市場の注目は企業の第1四半期の決算結果と今後の見通しに移って行くと思います。

今週は、金曜日に失業率の発表が予定されており、結果と市場の反応が注目かと思います。


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2009年3月31日火曜日

3月30日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 7522.02 -254.16 (-3.27%)
Nasdaq: 1501.80 -43.40 (-2.81%)
S&P500: 787.53 -28.41 (-3.48%)

本日は、発表されたオバマ政権の米自動車メーカー救済策のアップデートが予想されたよりも厳しい姿勢を示しており、また、今回設定した期限以内に満足のいく回答、進展が見られない場合は、バンクラプシー選択をした形での解決策となる事を示唆したため、市場関係社の間で破綻(バンクラプシー)の懸念が再び高まりました。また、スペイン政府が銀行の救済を余儀なくされた事、ドイツとイギリスもファイナンスセクターの不安が高まってきている事、さらに、ガイトナー氏がTARPの残りは1350億ドルとなると発言した事等が、ファイナンスセクターに対する不安が再び高まり、ファイナンスセクターは本日大幅な下落となりました。

関連記事:Wall Street hits the brakes on autos, bank woes

<本日の主なニュース>

今日の一番のニュースは、なんと言ってもオバマ政権の自動車メーカー救済策のアップデートの発表でした。大方の予想を覆す、GMと暗いスルーに予想以上に厳しい姿勢を示した事、さらには、バンクラプシーの可能性を十分に示唆させる内容により、バンクラプシーの可能性に対しての懸念が減少していた先週から一転して、不安が高まり、それが市場全体のセンチメントに大きく影響を与えた様です。GMの株は本日25.41%の大幅な下落となりました。

オバマ政権の自動車メーカー救済策のアップデートに関しては、一つ前のエントリーで取り上げておりますので、是非併せてご覧になってみて下さい。

また、WSJが非常によくまとまった良い記事を掲載していますので、英語が苦にならない方は是非、ご覧になって下さい。

Obama Outlines Plans for GM, Chrysler


また、本日夜に掲載されているAPの記事で、米自動車メーカーの組合、労働者側から、オバマ政権の今回の自動車メーカーに対する厳しい対応とウォールストリートの金融企業やAIG への対応にあまりにも差があるとの不満が高まっているとの報道がありました。当該記事のリンクを以下に添付します。

Workers say Obama treated autos worse than Wall St


<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)大幅に下落しています。主なところでは、BAC 17.85%, WFC 14.24%, C 11.83%, MS 9.12%, GS 7.05%の下落となりました。

(小売り)Best Buyが12.58%の大幅な上昇、Targetも5.12%と大きく上昇しました。他の主要な小売りの企業の株価も今日は順調に上昇しています。一方、支払いのプロセスの事業の売却を発表したFifth Thirdは、ファイナンスセクター全体が大きく下落した中で、5.53%の上昇でした。

(住宅関連)それなりに大きく上昇しています。主要なところでは、Centex 15.97%, Lennar 15.11%の下落が目立ったところです。

(テクノロジー)  全般的にそれなりに大きく下落しています。

<まとめ・コメント>

本日は、先週のエントリーで最近の市場の上昇の主な要因として挙げていた“米自動車メーカーの破綻を回避しようとする政府の動き(破綻の懸念の後退)”に対して、発表された内容が予想以上に厳しい姿勢だったため、破綻の懸念が再び高まった事が市場の下落を招いた大きな要因と思えます。また、今回示した政府の厳しい姿勢は、現在行われているファイナンシャル企業に対するストレステストの結果によっては、一部のファイナンス企業に対しても同様に厳しい姿勢で臨む可能性があり、また、最悪の場合は、自動車メーカーに対して示したのと同様に、政府主導のバンクラプシーの選択肢の可能性も再び浮上してきた事が、本日のファイナンスセクターの大きな下落の要因の一つではないかと想像しています。

個人的には、今回の政府の発表した方針は非常に非常に理にかなっていると思います。正直、自動車メーカーに対して、救済の資金を提供しても、抜本的な改革が行われなければ、この先も救済要求が続く可能性もあったと思います。ある程度の猶予期間を与え、結果が得られなければバンクラプシーを選択せざるを得ない、との方向性を示した事で、GMとクライスラーに対して、確固たる対応を取る、結果を示す、強いプレッシャーを与えたと思います。AIG 救済の様な何度も救済を繰り返し、それでもまだ問題を抱えている様な泥沼の状態になることは、これで避けられそうです。また、一つ前のエントリーに書いた事ですが、クライスラーは30日後、GMは60日後には今後の方向性が明確になる、と言った不透明要因を払拭する結果となっています。

一方で、上に掲載したAPの記事の様に自動車メーカーの組合、労働者側からは、自動車メーカーへのオバマ政権の対応とウォールストリートの企業に対する対応の差に対する不満が高まっている様です。労働者側、自動車メーカー側の気持ちとしては、分からなくもありません。この辺りの公平性についての問題が、今後、特にストレステスト後の銀行に対しても、政府に対して確固たる対応を取るプレッシャーとなってくる気がします。この様な、今回のオバマ政権の自動車メーカー救済に対する姿勢によって暗示するものが、本日のファイナンスセクターの大幅な下落の要因だと想像しています。

水曜日に自動車とトラックの販売結果の発表、金曜日に失業率の発表等、いくつか鍵となる経済指標が発表されます。ここ最近、予想以上に良いデータも発表されていましたが、自動車の販売については恐らくかなり悪い事が予想され、また、失業率に関しても良い材料はないので、これらのネガティブな発表について、どれだけ現在の株価が織り込んでいるのかについて、注目しています。

G20に関しては、大きな進展はないだろう、と市場の方はそれ程期待していない様ですが、こちらに関しても、実際どうなるのか注目しています。

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2009年3月26日木曜日

3月25日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 7749.81 +89.84 (+1.17%)
Nasdaq: 1528.95 +12.43 (+0.82%)
S&P500: 813.88 +7.63 (+0.95%)

本日は、朝発表された経済指標が、予想以上に良かった事、また、1月に比べて2月の数値が良くなっている事が、景気の回復基調を示すものと好意的に解釈された様で、午前中、各インデックスは昨日の下落分をさらに上回る2%以上の上昇となっていましたが、午後から下落に転じ、一旦は逆に2%近い下落となったものの、そこから終了に向けて急速に回復し、上昇して終了しています。
関連記事:US stocks manage moderate gain

<本日の主なニュース>

商務省が発表した、2月の耐久財の注文は、1656億ドルで前月に比べ3.4%上昇しました。上昇となったのは、7ケ月ぶりで、2007年12月以来で最も上昇したこととなります。ただし、前月の数字は4.5%の下落から7.3%の下落に修正されています。
関連記事:Durable goods orders rebound in February

新築住宅の販売は、年換算の販売ベースで33万7千戸となり、前月から比べ4.7%上昇しました。尚、前月1月は32万2千戸でそれは1963年からで最低のペースでした。
関連記事:U.S. home sales climb at fastest pace in 10 months

Bank of America CEO Ken Lewis氏が、TARPの返済を、政府のストレステスト終了後の来月から始めたいと語ったとの事です。TARPの返済に関しては、昨日、Goldman Sachsが4月に返済を計画しているとの報道がありましたが、今回のLewis氏の発言はそれを追随する様なものです。何となく、この前のファイナンス企業トップの1月2月黒字発言と似た様な展開になってきました。
関連記事:Bank of America CEO eyes TARP repay in April: report

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)午前中は大幅に上昇しているところが多かったのですが、そこから大きく下落し、再び上昇する等変動が激しかったです。JPM 8.18%, BAC 6.65%, WFC 5.94%, GS 2.12%, MS 3.14%上昇しています。Citiは1.99%の下落でした。

(小売り)上昇しているところが多いです。

(住宅関連)午前中は大幅に上昇していましたが、最終的には数パーセントの上昇のところが多いです。CentexとLennarは日中は15%を超える大幅な上昇でしたが、最終的には若干下落しています。

(テクノロジー)  上昇しているところも多いですが、主要企業で下落しているところも多く目につきました。但し、下げ幅は大きくはありません。(1%未満が多い) 該当するのが、Intel, IBM, Apple, Google, Microsoft, Yahooです。Dellは2%少しの下落でした。

<まとめ・コメント>

本日発表された指標は、予想よりも良かったとの事ですが、数字自体は文句なしに良い、と言ったデータではなく、むしろ逆に警戒すべきだと個人的には思います。それでも、確かに予想よりは良かったので、上昇するのは分かりますが、市場の動向関連の記事で、景気は底を打ったことを裏付けるものだ、との業界関係者のコメントを多く目にしました。良くこれらのデータでそう思えるな、と半分あきれながらも感心していました。

今日の発表された二つの主な指標の内、耐久財の注文に関しては、上昇となりましたが、比較している前月の数字を以前に発表した数値から引き下げら修正値が元になっています。実際のところ、今回発表された2月の数値自体も後で修正になる可能性があります。修正に関しては、当然の事ながら上昇と下落とどちらの可能性もありますが、ここ最近の修正は下落がほとんどです。また、ちょっとトリッキーなのですが、今回の様に予想よりも良かったと発表しておいて、後で実は修正され、実際には予想よりも悪かったケースも過去にあります。ですから、この程度のニュースで大きく上がるのにはちょっと危うさを感じていました。

もう一つの住宅の販売数値に関しても、前月に比べて上昇ですが、比べている前月はデータを取り出した1963年からで最低の数字で、今回の数字も上昇ですが、2番目に悪い数字です。また、住宅の販売は1月よりも2月の方が良いのは通例です。前年の同月と比較した場合は、41.1%の大幅な下落となっており、この数字を見て良い結果だったと思えるのは、本当に楽観的だと思います。実は日中にホームビルダー株が軒並み10%を超える大幅上昇だったので、ショートをかけようとしたのですが、タイミングを逃してしまいました。

明日は、第4四半期のGDPの最終値が発表される予定です。既に発表されている数値は、6.2%の下落で、6.6%に下方修正されると予想されていますが、実際どうなのか注目しています。

経済指標のデータは後で修正になる場合があるので、注意が必要と書きましたが、GDPに関しても同じで、以前にも暫定値の発表の際、予想よりも良く市場はその時上昇しましたが、後で、最終値は大きく下方修正された場合がありました。個人的には、中長期的なトレンドがどうなっているのかを見極めることが重要だと思っています。

Bank of America のLewis氏が来月からTARPの返済をしたいと語ったとの報道は、ちょっと興味を持っています。上にも書きましたが、この前のファイナンス大手トップの一連の黒字見込み発言に続いて、TARP返済についてに市場の注目が集まりそうです。特に、JPMorganに関しては、恐らく返済する事ができると思われ、Dimon氏にも同様の質問が行くと思います。Wells Fargoについても、同様に注目が集まると思います。個人的には、BofAができるのであれば、Wellsは楽勝でできると思っていますが、実際、BofAができるのか懐疑的です。

また、オバマ大統領が今週金曜日に銀行トップと会う予定なので、その時にも、TARP返済についても話題の一つになるかもしれません。

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2009年3月25日水曜日

3月24日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7660.21 -115.65 (-1.49%)
Nasdaq: 1516.52 -39.25 (-2.52%)
S&P500: 806.25 -16.67 (-2.03%)

非常に大きく上昇した昨日から明けた本日は、それ程インパクトのあるニュースもなく、利益確定売りの動き等から若干(?)下落して終了しています。Nasdaqが他のインデックスよりも下がっていますが、ここ最近は他のインデックスよりもパフォーマンスが良かったので、やはり調整的なものと考える事ができるかと思います。

今日の下落の原因としては、政府の銀行救済策について再評価をした結果と言った見方を挙げている記事もあります。

参考記事:Wall St. slides as investors reassess government bank plan

<本日の主なニュース>

本日は、ガイトナー長官とバーナンキ議長が揃って上院の委員会に出席し、AIGの政府の監督に関してそれぞれが声明を行い、議員と質疑応答を行いました。

House Financial Services Committeeのサイトでこの声明と質疑応答の全てを収録したビデオを見る事ができます。関連の記事だけでなくビデオを見ると、実際のやり取りの様子や発言の主旨等良くわかります。ただし、かなり長いです。(2時間以上、前半の1時間で二人の声明は終わります。)時間のある方にはお勧めします。(私も、このエントリーを書きながら、ビデオを見ているところです。)時間に限りがあるが、この件に関することに興味がある方は、以下に添付しておりますGeithner氏とBernanke氏の声明の文書を読まれる事をお勧めします。

Oversight of the Federal Government’s Intervention at American International Group
Tuesday, March 24, 2009, 10:00 a.m., 2128 Rayburn House Office Building

やはりAIG絡みの話は、かなり白熱した様で、メディアの方でも多く取り上げられていました。記事の中でもWSJのものが良くまとまっているので、以下に添付します。(添付の写真もWSJのOnlineの記事のものを使用しています。)



Bernanke, Geithner Call for Broader Government Power
The Wall Street Journal, March 24, 2009

バーナンキ氏の声明文

ガイトナー氏の声明文


関連記事を添付します。
Obama admin. seeks powers to shut firms like AIG


<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)昨日の大幅な反動か、今日はそれなりに下がっています。但し、下落の幅には差があります。特にMorgan Stanleyは2.82%の上昇で非常に目立っていました。なぜなのか、今の時点で明確な理由についての記事は見ていません。Goldmanも1.19%の小幅な下落でした。下落で目立ったのは、WFC 10.56%, JPM 8.52%, BAC 7.44%の下落でした。

(小売り)下落しているところが多いですが、それ程大きくは下がっていないです。

(住宅関連)昨日は、ファイナンス・セクター同様非常に大きく上昇しましたが、本日は、下落しているところが多いです。ただし、下落の幅は

(テクノロジー)  下落しているところが多いですが、主要企業の下落の幅はそれ程大きくありません。Microsoft 2.18%, Yahoo 3.41%下落で目立った感じです。

<まとめ・コメント>

昨日の大幅な上昇に対して、本日はどうなるのかと思いましたが、調整的な下落で終わった様に思います。大幅な上昇の大きな要因だった政府の銀行救済案に関しては、一日経って、これで全てが解決する訳ではない事、解決には時間がかかる事、弊害や抱える諸問題・懸念等もあることから、ある程度冷静に見直された様で、ファイナンスセクターの株は全般的にはそれなりに下がりました。昨日の上昇が極端な位だったので、ある程度大きく下がっても、調整とも解釈できるかと思います。但し、上にも書いた様に下落の幅には差があった事、投資銀行系はMSについては上昇、GSは小幅の下落に留まっていた事も注目に値するかと思います。

上にも書いていますが、AIGの件について、上院の委員会でガイトナー長官とバーナンキ議長の声明と質疑応答が行われました。また、これも上に書きましたが、AIGのボーナスの件については、大きな問題として扱われています。それにより、Goldmanに関しては、政府の救済融資を早期に返還する動きを加速させている等、一部ファイナンス企業の今後の動きに影響を与えたり、また、その動きによって市場にも影響を与える事が予想されます。今日のニュースで、AIGの(高額の)ボーナスを受け取った社員(経営者)の一部はボーナスを返還する動き等も取り上げられています。当分はこの件は、様々な形で市場に影響を与えると思います。

House Financial Services Committeeのガイトナー長官とバーナンキ議長の声明と質疑応答のビデオを見ているのですが、結構、興味深いです。ただ、上に書いた様に非常に長いので、今は、両社の声明が終わって、議員側のコメントの声明等の方に移っています。WSJの記事が簡潔に良くまとまっているので、ご興味のある方は一読をお勧めします。可能であれば、この記事については、別のエントリーで取り上げたいと思っています。

市場の動きに関しては、全体としては調整的な下落、しかも、それ程大幅ではないので、市場の動きとしては落ち着きを取り戻している様に思います。ちょっと注目は、住宅関連のセクターは、昨日の大幅な上昇にも関わらず、今日の下落は限定的だった事です。これは、それなりに大きく下落したファイナンシャルとは、対照的でした。何となく、印象としては、住宅市場については改善が見られ、年内中にも回復するのではと言った見方が強くなってきている様に思います。私はその様にはとても思えませんが、、、

政府の銀行救済策についても、本日のWSJに良い記事があります。これについても本エントリーで取り上げたいと思っているのですが、他にも取り上げたい事が多くあるため、整理して取り組みたいと思います。

(尚、利き腕に痛みがあり、タイプしたり、物を持ったりする事が苦痛なので、どれだけ取り上げられるかは、体の調子とその他にも依存しますので、あしからずご了承下さい。)

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2009年3月24日火曜日

3月23日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7775.86 +497.48 (+6.84%)
Nasdaq: 1555.77 +98.50 (+6.76%)
S&P500: 822.92 +54.38 (+7.08%)

本日の市場は、待望の銀行救済策の詳細が発表された事、また、いくつかの大手のプライベート・インベスター(年金ファンドや保険会社等が参加を表明している様です。)が救済策に参加する事を明らかにした事が市場に非常に好感された様です。さらに、中古住宅の2月の販売が5.1%上昇した事が発表され、現在の経済の問題の中でも特に懸念材料が多い、銀行と住宅のセクターの両方に良いニュースがあったことが、市場のセンチメントを大きく引き上げたと思われます。

関連記事:Bank plan details fire up Wall Street

関連記事:Stocks surge on bank plan, rise in home sales

<本日の主なニュース>

Tim Geithner氏のプレス・ブリーフィング(ホワイト・ハウス・プレスリリース)

National Association of Realtors (NAR)が2月の既存(中古住宅の販売は5.1%上昇して、年間の販売ペースに換算して472万戸の販売となった事を発表しました。2003年7月以来で最大の上昇幅との事です。しかし、販売の内、45%はフォークロジャー等の破綻がらみのものです。また、昨年の同月と比べた場合は、4.6%の減少です。また、販売価格の中央値は、昨年2月と比べ15.5%下落しています。
関連記事:U.S. existing home sales rose in February

Suncor Energyがペトロ-カナダを150億ドルで買収すると発表しました。
関連記事:Suncor to buy Petro-Canada for $15 billion

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)非常に大きく上昇しています。BAC 26.01%, JPM 24.67%, WFC 23.87%, MS 20.70%, C 19.47%, GS 15.01%上昇です。

(小売り)順調に上昇しています。目立ったのは、Targetが9%と大きく上昇しました。また、Tiffanyが第4四半期の結果を発表、減益となったもののアナリストの予想を上回った事等から、本日は15.52%の大幅な上昇でした。また、2009年の収益見込みに関しては、アナリストの予想を下回っています。
参考記事:Tiffany 4Q profit sinks, still beats view

(住宅関連)ファイナンス・セクター同様非常に大きく上昇しています。上がっているところは20%を超えており、上昇幅が低いところで10%以上の増加です。

(テクノロジー)  主要なところは、順調に上昇しています。

<まとめ・コメント>

週を通してみた場合、2週連続で大きく上昇していた米株式市場、待望の銀行救済策の発表が週明けにあるとの見込みが週末から盛んに報道されていました。週明け早々、本日の朝9時半にGeithner氏が期待通り銀行救済策を発表し、内容もほぼ予想通り、また、プライベート・セクターも投資に参加する予定との発表で、市場としては聞きたかったニュースが期待通り発表されたと非常に好感された様です。

これに加えて、2月の中古住宅販売件数が前月に比べて大きく上昇とのニュースは、市場心理を大きく後押しする様になった様です。ここ最近のオバマ政権の声明でも、先行きに対してポジティブな印象を与える様なトーンが強めていたところで、具体的な施策の発表、そして、景気が持ち直しつつある様な市場データによって、投資家としても一気に買い進められた様です。

一つ前のエントリーにも取り上げていましたが、先週からの今週の末にかけては、Geithner氏への批判が高まってきていているとの報道を多く目にしていたのですが、今日のニュースでとりあえず、Geithner氏への批判・不満は一掃されてしまった観があります。面白いくらいに、市場心理や報道が大きく変化している様に思えます。

また、Suncorのペトロ・カナダ買収の発表は、業界再編の動きが活発になり、大型の買収や合併の案件が今後も起きてくるだろうと予測され、それも株式市場に対しては、非常に好材料となっている様に思います。

一方で、今日の市場を引き上げる大きな要因と見られている、中古住宅の販売結果ですが、全面的に良い内容ではありません。販売数の内の半分弱はフォークロジャーによるものです。また、住宅販売価格は下がっています。

ちょっと注目すべきは、市場がこれだけ大幅に上昇したにもかかわらず、金の価格の下落はそれ程大きくなかったことです。これは、一部投資家はヘッジのために金を買う動きがあったためなのでは、と思います。おもしろいのは、つい2週間前頃までは、CNBC等で今が買いだと思うと言う業界関係者でも、ファイナンス・セクターは除いて等と言う論量が支配的だった事です。この様な見方は、今日の時点で完全に反転し、今は逆にファイナンスが買いになってきている様に思えます。

市場の見方としては、このまま上昇のトレンドでいくとの見方が支配的になってきている様です。ただし、市場上昇の勢いが中期的にも続くかどうかは、4月中旬から本格化する主要企業の第1四半期の決算動向と今後の見通しについてだと思います。これらの結果によって、どちらの方向にも大きく動く可能性があると思います。楽観的な見方が再び強くなってきている気がするので、これ以上短期的に上昇した場合は、第1四半期の企業決算でさらに予想外に良い結果が多くないと、反動のリスク、ダウンサイドのリスクが高まってきている様に思います。

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2009年3月22日日曜日

3月20日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7278.38 -122.42 (-1.65%)
Nasdaq: 1457.27 -26.21 (-1.77%)
S&P500: 768.54 -15.50 (-1.98%)

今日は、バーナンキ議長のスピーチがフェニックスで行われる予定で、何か期待できる声明があるのではとの見方から、市場は若干上昇していましたが、声明が発表された後は、下落基調となり前日比マイナスで終了しています。特にTALFがFedが確約している2000億ドルの内、まだ2.5%しか貸し出されていない事が大きな失望を買った様です。以下、関連記事を参照して下さい。

Wall St. hurt by banks as TALF falls short


Wall St. hurt by banks as TALF falls short


<本日の主なニュース>

市場が注目していたバーナンキ議長の声明でしたが、それ程、注目すべき発言はなかった様に思います。関連記事を添付しますが、タイトルになっている”exist strategy(出口戦略)”についても、あまりにも当たり前のことを言っているだけです。添付記事の中でちょっと興味を持ったのは、今回のTreasury Bond購入策は、日本が90年代に取った量的緩和の政策と同じものである、との部分でした。

Bernanke says Fed has exit strategy from credit policy

Citigroupが、経営陣の人事移動の発表をしました。CFOのGary Crittenden氏は、不良資産を処分する事業ユニット、Citi Holdingsの会長に就任し、暫定CEOのMichael Corbat氏とともに不良資産の処分に当たるとの事です。また、Edward Kelly氏が後任としてCFOに任命されました。この人事は、市場から好意的に評価された様で、他のファイナンスの主要企業が大きく下落する中で、Citiの株は0.77%の上昇となりました。

UPDATE 3-Citigroup CFO to run troubled bank unit


<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)昨日に引き続き下落しています。下落で目立ったのは、BAC 10.68%, WFC 9.27%, JPM 7.21%下落です。

(小売り)下落しているところが多いです。

(住宅関連)それなりに下落しています。

(テクノロジー)  下落しているところが多いですが、その中でGoogleは、0.07%の微増、Microsoftもそれ程下がりませんでした。

<まとめ・コメント>

昨日に続き、本日も下落となりましたが、週を通した場合は上昇となっており、これで2週続けて市場は上昇となりました。先週から大幅な上昇を続けていたファイナンス・セクターの主要企業は、昨日と今日でそれなりに下がってはいますが、約2週間前の水準と比べると、それでも、大きく上昇(回復?)しています。特に、Goldmanに関しては、大きく上昇しています。続々と発表される政府とFedの救済措置の中で、かなりの恩恵を受け、しかも、相対的な下落のリスクが他社よりも少ないので、Goldmanが好んで買われているのだと思います。もちろん、リスクは高いものの、大きく上昇する可能性もそれなりにあるCitiやBACも、多少なりとも投機的な視点では好まれて、活発に取引されています。

市場全体の取引数量もかなり高い水準にあり、取引自体はかなり活発に行われている様です。週明け早々にも、財務省が銀行救済策の詳細を発表する見込みとの事です。財務省の発表前に、一旦、ポジションをクローズしておく、短期取引の利益を確定しておく、といった様な動きがあったので、この2日は下落したのではと考えています。

財務省の救済策の具体的な内容について、また、市場の反応がどうなるのか注目しています。

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2009年3月20日金曜日

3月19日の米国市場


(旅行中のため、簡単にしています。)

<主要インデックスの終値>

DOW: 7400.80 -85.78 (-1.15%)
Nasdaq: 1483.48 -7.74 (-0.52%)
S&P500: 784.04 -10.31 (-1.30%)

本日は、前日終値より高く始まりましたが、すぐに下落基調となり、多少上下したものの前日比でマイナスのまま終了しました。昨日の上昇の大きな要因となったFedの長期Treasury Bond購入とさらなるクレジット市場に対する施策の発表は、一日経って、Fedのこれらの刺激策が長期的なインフレを引き起こす懸念等が高まり、ファイナンスセクターは本日は一転して大幅安となり、市場全体としてもマイナスとなりました。主要インデックスの動きとしては、ファイナンスセクターの割合が高いS&P 500が他のインデックスよりも下落、Nasdaqは下落の幅は他の主要インデックスよりも小さかったです。これは、昨日市場終了後に市場予想よりも良い四半期決算を発表したOracleが10%近い上昇となった他、他の主要ソフトウェア関連の企業の株も堅調な動きをしたことが、Nasdaq全体のパフォーマンスの下落に歯止めをかけた様です。

<本日の主なニュース>

昨日の上昇の大きな要因となったFedの長期Treasury Bond購入とさらなるクレジット市場に対する施策の発表は、今日は逆にそれが意味するクレジット市場の問題、長期インフレ懸念等、マイナス材料の方に市場の注目が移り、ファイナンスセクターは本日は一転して大幅安となりました。

関連記事:Wall Street falters on financials

関連記事:Stock rally fades as investors assess Fed moves

原油価格は本日7%を上回る上昇となりました。これは、昨日Fedの昨日の発表に起因して、ドル安を招き、それに対して原油が買われたとの見方が支配的です。

関連記事:Oil surges 7 percent past $51 on Fed plan, weak dollar

政府から巨額の救済資金を得ているAIGが1億6500万ドルのボーナスを先週末に支払った事について、大きな話題となっていましたが、米下院が、政府の救済措置を得ている企業において、巨額のボーナスを得た社員に対して、制裁的な課税措置を取る提案を賛成多数で可決しました。この提案は、50億ドル以上の政府から救済資金を得ている企業において、収入が25万ドル以上の社員(一般的に幹部社員)に対して支給されるボーナスに対して90%の税率を適用するものです。この案に対しては、共和党は反対の姿勢を取っていますが、一部の共和党社員も賛成に動き、賛成多数となっています。尚、上院では別の案が検討されているので、まだ、多少紆余曲折がある可能性も残っています。

関連記事:House votes to recoup bonuses from bailed-out firms

オバマ政権は、倒産の危機に直面している自動車部品メーカーに対して、50億ドルの救済融資を行うことを発表しました。

関連記事:U.S. throws lifeline to distressed auto suppliers

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)昨日の大幅上昇とは逆に、本日は大幅下落となりました。目立ったところは、Citi 15.58%, Morgan Stanley 13.02%, Wells Fargo 15.58%, Bank of America 9.65%の下落となっています。

(小売り)上昇と下落に分かれていますが、主要企業で下落しているところの下落幅はそれ程大きくありません。

(住宅関連)MTH 11.43%, LEN 8.99%は割と目立って下落しているところです。それ以外は5%以下の下落で、あまり下がっていないところもあります。

(テクノロジー)  Oracle 9.73%上昇が際立っています。加えて、Yahoo, Microsoft, Citirix 等のソフト系の会社も上昇。IBM, Apple, Dell, HPも上昇しています。

<まとめ・コメント>

昨日のFed の発表の影響で本日は、ドル安となり、それによって原油価格が大幅に上昇したことにより、Fedの施策の負の側面が逆に市場の注目を集めることとなり、ファイナンス・セクターは大幅な下落となりました。インフレ懸念が高まっている事を挙げる記事を多く目にしましたが、セクター的に見ると、ファイナンス・セクターの下落が顕著である一方で、小売りはそれ程でもないこと等を考えると、ここ最近大幅に上昇していたファイナンスセクターの株を中心に利益確定、調整的な動きで下落したと私は解釈しています。

昨日市場終了後に予想以上に良い四半期決算を発表したOracleは本日は10%近い上昇となり、ソフト系の企業や、ハイテク大手の株は上昇したところも多く、投資家の売買の志向に影響を与えてきていると思います。この傾向は、昨年末頃から今年の1月にかけてのテクノロジー株を積極的に買う動きと似ています。気をつけなければいけないのは、1月後半から下落になった際には、テクノロジーもやはり大きく売られ、下落したので、今後市場全体が再び下落基調になるようであれば、結局、テクノロジー株も下がる事になることが予想されます。

一日で、昨日発表されたFedの 施策に対する見方が180度反転するのは、あきれる様な気持ちにもなりますが、どちらか一方に極端に振れるよりも、1日経って相殺されるのであれば、市場全体としてみた場合、ある意味で好ましい気もします。ファイナンスセクターの株の取引数量はここ最近以上に多く、例えば、Citiの株の一日の取引数量は連日10億株を超えています。これだけ激しく上下に短期で動けば、取引数量も尋常でなくなるのも分かりますが、それにしても行き過ぎの観があります。

もう少しすると、第1四半期の決算結果がどうなのかに、市場の注目は移って行くと予想していますが、それまでに、市場がある程度沈静化するのか、再び、上昇か下落のどちらかに極端に動いて行くのか、興味深いところです。