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2009年5月8日金曜日

Fedストレステストの結果を発表


本日、Fedが注目のストレステストの結果を発表しました。一部の情報に関しては、数日前からリークしており、ほぼ、事前予想通りだった様に思います。Fedの定義したベースラインよりも悪いシナリオ(More Adverse Scenario)の場合、19の主要銀行での2009年と2010年において損失は約6000億ドルに達する可能性があると試算しています。このシナリオに対して、19の内10の銀行に対して総額で約700億ドル追加資金調達の必要があるとしています。

Fedストレステスト結果レポート

Fedの今回の発表後、Wells FargoとMorgan Stanleyが資金調達の計画を発表しています。Wells Fargoは、新株発行により60億ドルを調達する計画、Morgan Stanleyは20億ドルの新株発行と、FDIC保証外のシニア・デットでさらに30億ドル調達の予定との事です。その他の企業も今回の発表に合わせてプレスリリースを発表しています。

Wells Fargoプレスリリース
Morgan Stanleyプレスリリース

今回のストレステストに関しては、Fedのベースラインよりも悪いシナリオ(More Adverse Scenario)は、現時点での失業率のペースよりも低く、悪いシナリオが実質的には、ベースラインの様な位置付けです。また、損失の予測が甘いのではとの批判や、テスト自体の信頼性に対して疑問を投げかける声も非常に多くある様な状況です。

株式市場としては、現時点まででは、ストレステストの結果を非常に好意的に反応している様に思います。甘いと批判されるテスト結果、条件にも関わらず、損失の予想が6000億ドルもあり、実際、これに近い損失をファイナンス企業が被った場合、株価が現状の価格レベルを維持できるのか疑問を持っています。言い方を変えると、このシナリオが現時点の株価に反映されているとは、思えません。

ただ、今回、この様に情報を開示することによって、ある一定の共通の認識を確立する事になったことは評価できると思います。後は、今後の実際のファイナンスセクターの損失がどうなるのかが、非常に注目されます。


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2009年5月4日月曜日

チャーリー・マンガー CNBCインタビュー

チャーリー・マンガー氏とCNBC Becky Quickのインタビュービデオです。

マンガー氏の単独インタビュービデオはかなり貴重だと思います。彼の話の概要を参考までに以下に記します。是非、ビデオを見て下さい。非常に彼らしさがあふれており、お勧めです。














マンガー氏は共和党支持者ではあるものの、現在の政府の対応については、概ね適切だとしています。特にビデオの冒頭では、FannieとFreddieの国有化は非常に適切で効果のある施策だ。(stunningly correct and stunningly effective) 多分、住宅金利を下げることのできる非常に素晴らしい方法で、やり遂げる事ができるだろう。

Evil and Folly (悪行と愚行)が1930年台以降で最大のファイナンシャル危機を生み出した。EvilとFollyをシステムから取り除く事は難しい。彼は巨額のお金を稼いで、政治にも影響力がある(have a lot of political power)。彼らは改革(change)を望まない。

ここまで言っちゃって良いのかな、と少し心配してしまいます。まあ、マンガー氏なので問題はないのでしょうが、それにしても、”Evil and Folly”の表現は強烈です。

Cap and Trade (国内排出権取引)に関しては、”Monstrously Stupid”(とほうもない馬鹿げたもの)とこちらも強烈な表現を使って批判しています。参考までにcap and trade (emissions trading)のWikipediaのリンクを添付します。

cap and trade (emissions trading): Wekipedia

p.s. 明日、米国時間の5月4日朝にバフェットさん、マンガー氏、それとどうもビルゲイツ氏を加えて、Q&Aのセクションがあるようです。こちらも本ブログかブログ‘ウォーレン・バフェット ウォッチ’でカバーしようと考えています。


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2009年5月1日金曜日

クライスラーがバンクラプシー(破産)を申請

オバマ政権のタスクフォース・チームが債権者に対する最終提案額の引き上げ(20億ドルから22億5000万ドル)を提示しましたが、債権者グループ(全体として)は拒否し、クライスラーは本日Chapter 11を申請しました。

破産申請に応じて、今後、米国政府は最大で35億ドルのdebtor-in-possession (DIP)資金貸し付けを行い、更に、最大で45億ドルをエグジット(破産状態からの脱出、通常は株式再上場、あるいは、民間の企業・投資会社への売却)の貸し付けを行う予定です。

オバマ大統領は、本件に関して債権者達が譲歩しなかった事について、批判的な声明を行っています。

"I don't stand with them. I stand with Chrysler's employees and their families and communities," the president said. "I don't stand with those who held out when everybody else is making sacrifices. That's why I'm supporting Chrysler's plans to use our bankruptcy laws to clear away its remaining obligations."

コメント:個人的には、債権者は拒否する権利もあるので、ここまで踏み込んで批判するのは、ちょっと?らしくないな、と思います。提案額はそれ程悪いとは思いませんが、債権者達は法廷で決める道を選んだ訳です。(だからと言って、得られる金額が多くなる保証はない)

尚、オバマ大統領自体も、GMとクライスラーはバンクラプシーを申請して再建するのが最良の策かもしれないと1ケ月程前に語っていました。ある意味では本日の発言は自分の過去の発言と多少なりとも矛盾しています。一方で、オバマ大統領筋の話から、大統領もクライスラーの破産申請は予想していた様です。

関連記事:Chrysler files for bankruptcy; inks Fiat deal


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2009年4月30日木曜日

FOMC声明発表

本日、FOMCが終了し、声明が発表されました。予想通りFF金利は据え置きとなりました。市場は、FOMCの声明の内容を好意的に解釈した様です。以下、Federal Reserveの声明の原文と若干のコメントを追加しています。

Information received since the Federal Open Market Committee met in March indicates that the economy has continued to contract, though the pace of contraction appears to be somewhat slower.
(この冒頭のセンテンスで、“下落のベースが若干遅くなってきている“(太字部分)との表現が、前回に比べ追加された事が、市場に非常に好意的に解釈された様です。)

Household spending has shown signs of stabilizing but remains constrained by ongoing job losses, lower housing wealth, and tight credit. Weak sales prospects and difficulties in obtaining credit have led businesses to cut back on inventories, fixed investment, and staffing. Although the economic outlook has improved modestly since the March meeting, partly reflecting some easing of financial market conditions, economic activity is likely to remain weak for a time. Nonetheless, the Committee continues to anticipate that policy actions to stabilize financial markets and institutions, fiscal and monetary stimulus, and market forces will contribute to a gradual resumption of sustainable economic growth in a context of price stability.
In light of increasing economic slack here and abroad, the Committee expects that inflation will remain subdued. Moreover, the Committee sees some risk that inflation could persist for a time below rates that best foster economic growth and price stability in the longer term. In these circumstances, the Federal Reserve will employ all available tools to promote economic recovery and to preserve price stability. The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and anticipates that economic conditions are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period.

(最後の部分のセンテンスで、“FFレートは現状維持する。経済状況を鑑みると、FFレートは当分の期間非常に低いレベルに据え置かれる事になるだろう。”(多少表現上の関係で意訳になっています。)低金利を当面据え置く事を明示したことが、市場に好印象を与えた様です。)

As previously announced, to provide support to mortgage lending and housing markets and to improve overall conditions in private credit markets, the Federal Reserve will purchase a total of up to $1.25 trillion of agency mortgage-backed securities and up to $200 billion of agency debt by the end of the year. In addition, the Federal Reserve will buy up to $300 billion of Treasury securities by autumn. The Committee will continue to evaluate the timing and overall amounts of its purchases of securities in light of the evolving economic outlook and conditions in financial markets. The Federal Reserve is facilitating the extension of credit to households and businesses and supporting the functioning of financial markets through a range of liquidity programs. The Committee will continue to carefully monitor the size and composition of the Federal Reserve's balance sheet in light of financial and economic developments.


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2009年4月29日水曜日

米財務省、クライスラー債権者との最終交渉大詰めを迎える

オバマ政権の設定したクライスラー救済期限まで後三日となりました。

本日のNew York Timesの記事によると、米財務省はクライスラーの最大の債権者と暫定的な合意案を詰めている状況にあるとしています。もしも、債権者との合意が得られれば、バンクラプシー(破産)申請を回避できるかもしれないとのことです。

Reutersもほぼ同様の内容の記事を掲載しています。こちらもお勧めです。
Chrysler lenders and Treasury set deal framework: sources

以下、New York Timesの記事の内容を要約したものです。
Tentative Deal Set on Chrysler Debt to Avert Bankruptcy (New York Times)

クライスラーは、Citigroup, JPMorgan Chase, ヘッジファンドによる約69億ドルの担保付きの借入金があります。今回の提案は、その全ての借金を、20億ドルの現金と交換し、債務を解消する案とのと事です。

米財務省は、クライスラーの担保付き債券の約70%を保有する最大の債権者(企業)に対して最新の提案を行いました。提案受け入れには、ほとんど全ての債権者の承認が必要です。ヘッジファンド等、一部の債権者にとって受け入れる事は難しい可能性があり、提案受け入れを拒否する場合もあり得るとしています。

また、関係者によると、この提案が債権者から受け入れられたとしても、クライスラーはバンクラプシー申請の可能性が依然としてあるとしています。

この案が合意となった場合、債権者は借入額面1ドルについて28セントを受けとることになります。これは、この債券が市場で取引されている現在の価格にプレミアムがつくことになります。(要は、現在の市場価格に比べてプレミアムが上乗せされている。(価格が高い))財務省は、従来額面1ドルにつき22から25セントを見込んでいました。

以上、簡単ではありますが、クライスラー関係のアップデートです。

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2009年4月21日火曜日

OracleがSunを買収することを発表

IBMによる買収交渉が決裂し、追い込まれていたSunでしたが、本日、Oracleが買収するとの電撃的な発表を行いました。買収価格は、一株あたり$9.50で総額約70億6000万ドルとのことです。買収価格はIBMの提示価格の$9.40よりも高い価格でした。Sunの取締役会は全会一致で、Oracleによる買収提案の受け入れに賛成したとの事です。

Oracleプレスリリース:Oracle Buys Sun

関連記事:Oracle to buy Sun Micro, enters hardware market

(以下、私のコメントを書きます。)

この発表には驚きました。業界内でもかなり衝撃を受けているところがあると思います。特に、IBMとHPにとっては、OracleとSunの組み合わせは将来、非常に強力な競合相手となる可能性がでてきました。Sunにとっては、買収額だけではなく、これ以上の買収先はいないのではと思います。正直、買収額等の条件だけでなく他の面も考慮しても、IBMよりも良い組み合わせだと思います。(IBMとの組み合わせも(IBMにとって)良かったと思います。)

Oracleは買収の経験も豊富で、しかも、大型の買収を成功させてきた実績があります。今回、Sunを買収する事により、ソフトウェアだけでなくハードウェアの事業も手に入れる事になり、ソフト専業からハードも販売する事業展開として大きな転換となることを意味します。Oracleにとっては、今まで手がけた買収以上に今後の方向性、事業戦略に大きな影響を与え、また、大きなリスクも伴う判断となりました。SunはIBMとの買収交渉を独占契約(エクスクルーシブ)でやっていたので、交渉破談後から買収についての話し合いを始めたと考えられます。会社にとってこれほどの重要な戦略的判断を、非常に短い期間に行う事ができたのは、創業者でCEOのLarry Ellison氏の決断だったのだと想像しています。恐らく、IBMと破談になった後、McNealy氏がEllison氏に話を持って行ったのだと思っています。(これは、想像ですが、ほぼ間違えないでしょう。)

私の予想では、現Sun CEO Jonathan Schwartz氏は遅かれ早かれ、会社を去る事になると思います。(長くても一年程度、もっと早い可能性が高いと思います。)McNealy氏が会社に残って、Ellison氏と組んで仕事をするのか、どうなのか、非常に興味深いところです。この二人の組み合わせはかなり強力だと思います。いずれにせよ、今後の成功の鍵はEllison氏が握っていると思います。Ellison氏がどの様に、OracleとSunを組み合わせて料理するのか大変興味深いところです。

IBMが買収した場合は、SunのハイエンドCPUのSparcの事業を終結させ、自社のPowerのプラットフォームにSunのハイエンド・サーバー事業を移行させる事により、Powerの事業とサーバー事業の両方を強化する事が大きな目的・利点でその様な計画だったと想像していました。Oracleが買収した場合、Sparcの事業をどうするのか今の時点では不明ですが、恐らくSparc事業はOracleとの組み合わせでも、長期的には取りやめることになると思います。その場合の代替えのCPUは、当然IBMのものではなく、恐らく(ほぼ間違えなく)Intelのものとなると思います。

Oracle/SunがIntelとくっついた場合、Intelにとって現時点でのIntelのサーバーCPUの主要顧客のHPとDellと同程度、あるいはそれ以上の重要度の高い顧客となると考えられます。つまり、HPとDellにとっては、Intelの戦略顧客の立場、競合の立場として大きなプレッシャーをうける事になると思います。また、IBMにとっては、IntelのサーバーCPUのシェアの増加、競合の激化が予想され、サーバー事業全体はもちろんですが、サーバーCPUのPowerの事業に取っては、非常に強い競合の脅威が生まれる事になります。また、IntelのサーバーCPU事業で戦略的な協力関係にあるMicrosoftにとって、IntelのOS/Softwareのパートナーのプライオリティ、方向性が大きく変わる危険性、Oracle/Sunとの競合の激化等が考えられ、非常に衝撃的なニュースだと思います。

今回のOracleのSun買収発表は、業界構造に大きな影響を与える非常に重大な案件と思います。これにより、更なる業界再編成の動きが活発になることも予想されます。

あまりにも、衝撃を受けたので、ついつい自分の感想を長々と書いてしまいました。皆さんのご参考にもなれば良いのですが、、、


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2009年4月19日日曜日

Citi売り上げ倍増(!?)の理由

昨日、Citigroupの第1四半期の決算のハイライトをエントリーしましたが、CFO Kelly氏がカンファレンスコールで、売り上げが2008年第1四半期と比べてほぼ倍増となったと語っています。Citiのプレスリリースでも"Key Items"の一番最初に売り上げについて以下の記述があります。(ここでは99%アップ)

- Total revenues of $24.8 billion were up 99% compared to the first quarter of 2008, with sequential improvement across all regions.

”売り上げがほぼ倍増”と聞くと、何かもの凄く状況が改善している様に思えなくもありません。この大きな売り上げの差(伸び)はCitiの売り上げを評価損の計上後で比較している事が大きな要因です。この事について説明したスライドが以下のものです。


08年第1四半期に評価損の差し引き計上分で131億ドル($13.1B)あります。この評価差し引き分を除いた場合の売り上げとしては、08年第1四半期は255億ドル、09年第1四半期は269億ドルです。約5.5%の増加です。(添付スライドのRevenue ex-marksの部分参照)この売り上げの比較のスライドを見て気がついた点としては、今回の2009年の第1四半期の評価損の差し引き分が非常に少なくなっている事です。恐らくMark to marketのアカウンティングの変更による(評価損の計上を押さえられる)恩恵がこの部分でも多少なりとも表れています。(この恩恵の具体的な数字を見たのですが、このエントリーを書いている時点ですぐにでてこないので、取りあえず具体的な金額は差し控えます。)

今回の決算では、企業向けの投資銀行業務(Institutional client groupのinvestment banking)が前年同期赤字から、今回は28.3億ドルの黒字で非常に好調だった様です。一方で、消費者クレジットの損失は大幅に増え、今後も損失は増加する事はほぼ確実です。また、業務用不動産(Commercial Real Estate)の損失も今後増加する事は免れないと思います。アカウンティングの変更により保有資産の評価損の計上額は(帳簿上)押さえられますが、市場価格が今後継続して下がって行けば、潜在的な損失は増加します。依然として、Citiの今後についてはかなり厳しい状況である事は変わりがないと思います。

何となく”売り上げ倍増”だったとエントリーに書いておいて、補足がないのは十分ではないかと思い追加でエントリーしました。


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Citi第1四半期決算ハイライト

Citigroupの第1四半期決算の概要をCiti発表の資料、Seeking AlphaのCitiカンファレンスコールのトランスクリプト等を元に簡単にハイライトとして、まとめます。尚、カンファレンスコールには、Citi CEO Pandit氏は参加せず、新CFO Ned Kelly氏が執り行ないました。Pandit氏に何かあったのでしょうか?カンファレンスコールにはCEOは参加するのが通例で、特に今回の様に市場の注目が大きく集まっている中での不参加は何か理由があると考えられます。尚、カンファレンスコールのQ&Aのセクションで、Mike Mayo氏がPandit氏欠席について質問していますが、不参加の理由の明確な答えは得られていません。


売り上げは248億ドル、昨年に比べて2倍近い増加。優先株向けの配当支払い前の純利益として、16億ドルの黒字となりました。

第1四半期黒字はCEO Pandit氏の命題でもあったので、何とか対面を保った様です。一株あたりの収益の計算は次のスライドで簡単に示しています。第1四半期優先株の配当支払いは13億ドルでした。カンファレンスコールで、Citi 新CFO Ned Kelly氏は、既に発表している優先株の普通株への転換が終了するまで、Citiは優先株配当の支払いを続けると語っています。(まあ、当たり前の話ですが、、、)全体としての収益はかなり改善した結果となっていますが、本業の銀行業務の状況は依然として厳しい状況が続いています。特に、クレジット・ロスが大きく増加しているのが目立ちます。

クレジットコストは、44億ドルの大幅な増加(76%増加)となり、総額103億ドルのクレジット・ロス。増加の主な部分は、クレジットカードによるもの。内訳としては、ネット・クレジットロス73億ドル、27億ドルのロスのリザーブへの追加、そして、その他3億3200万ドルでした。


EPSの計算には、昨年第1四半期に発行した転換優先株125億ドルの転換価格のリセットの影響が含まれています。この一時的な要因を除いた場合、EPSは通常、希薄後とも黒字であるとのことです。(Kelly氏)













このスライドは、北米の消費者のクレジット・ロスのトレンドを表しています。ここで記載しているクレジット・ロスは、クレジットカードと第1抵当権設定の住宅ローンのものです。このグラフを見ると、クレジットロスが失業率の上昇と共に大きく増加している事が良くわかります。失業率が今後も高まって行く事はほぼ確実視されており、そのことは、今後、クレジットロスが更に増加する事を示しています。つまり、今後の収益見込みについてはとても楽観視できる様な状況ではないとも言えます。また、このエントリーでは取り上げていませんが、アカウンティング変更(Mark to market)により、バランスシート等にはプラスの影響がありますが、潜在的なロスは今後も増えて行く可能性が高くなっています。






Citiのカンファレンスコールには、Mike Mayo氏、Meredith Whitney女史も参加しています。添付のトランスクリプトのリンクから、Q&Aのセクションでのやり取り等も読む事ができます。ご興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。

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2009年4月13日月曜日

Paul Krugman MSNBCインタビュー

4月7日に放映されたMSNBCのThe Rachel Maddow ShowでのPaul Krugman氏とのインタビューのビデオを添付します。 



Calculated Riskの11日のエントリーでも本インタビューのYouTubeのリンクを添付していますが、ここで添付しているものは、番組のその前のくだりも入ったMSNBCのものです。番組の話題の前後関係も含まれているので、ちょっと長くなってしまいますが(それでも、添付のビデオ全部で10分弱です。)、その時の番組の雰囲気等も分かり楽しめるのではと思い、本ブログでも取り上げます。

ビデオの概要

- オバマ大統領イラク電撃訪問
- オバマ大統領のスピーチ・ハイライト
- 失業率について
- 第1四半期の企業決算について (Alcoa大幅赤字を発表)
- CEOの意識調査とレイオフの見通しについて

- New York Times/CBSが行ったアンケート結果から1月と最近の政策等の支持率の変化についての話

* 国が正しい方向に向かっているか?
1月15日:15%
4月5日:39%

オバマ氏が大統領就任前の1月の中旬の時点では、15%しかなかったが、現在は2倍以上の39%がYesと答えている。

* 経済は悪化していると考えているか?
1月15日:54%
4月5日:34%

* 銀行救済は全ての米国民の助けとなるか?
2月22日:29%
4月5日:47%

国民の考えはこの様に好転し大きく改善してきていますが、ここでKrugman氏を招いて、彼の話を聞いてみましょう。

- Paul Krugmanの発言の要旨 -

「我々は、大変な問題をいくつか抱えている。それらは、楽天的な見方によって(国民、消費者コンフィデンスが回復したとしても)なくなるものではありません。」

「今までの時点で報告された小さな(ちょっとした)出来事の一つは、IMF, International Monetary Fundがバッド・ローンの損失の予測を4兆ドルに引き上げた事です。(コメント:わざと“小さな“と言っていると思います。元の表現は、”one of the little things that’s been reported now is …”)

ご存知の通り、ついこの間まで、1兆ドル(の損失)は極端な予想だと考えられていました。」

「我々は、バブルからバブルへとよろめきながら過去20年を過ごしてきました。それが基本的な説明です(基本的にそれが物語っています。)。もしも、我々がそれを解決しないと、また再び、ふりだしに戻ります。ですから、我々は本当に規制を強化しなければなりません。」

「もしもストレス・テストの結果が、全て大丈夫だったとしたら、恐らく彼らは公開するのを延期する事に熱心ではなかったことでしょう。

一つのバージョン(案)として我々が聞いているのは、彼ら(政府)は、一般的な情報は公開するが、特定の銀行についての情報はしない、と言うものです。もしそうだとしたら、それは問題です。それは精神安定剤の様なものになってしまいます。それは、皆が懸念している事、90年代の日本の状況、ゾンビ・バンクがよろめきながら進んで行くのを保持する、ことです。

そして、アメリカのゾンビ・バンクが今行進している事を、感じる事柄が多々あります。このニュースは良いものではありません。それは、シナリオがまた少し起こりうる様にさせています。」

上記はKrugman氏の発言の一部を抜粋して、簡単に訳したものです。是非、ビデオの方をご覧になってみて下さい。特に注目のポイントは、ストレステストについて、問題がなければ政府は発表を延期はしなかっただろう。また、発表内容が一般的なもので、細かい銀行毎のテスト結果を公開しない場合は、問題だとしています。まったくその通りだと思います。

ストレステストの結果と、政府の動きに注目したいと思います。


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2009年4月11日土曜日

Wells Fargo CFO Atkins氏とのCNBCインタビュー

(4月12日に後半の部分を書き足しています。)

Wells Fargo CFO Howard Atkins氏とCNBCがインタビューを行なっていました。現在、そのビデオを見る事ができます。インタビューのビデオを見ましたが、昨日、Wells Fargoの第1四半期の黒字見込みについてReutersの記事を引用しましたが、Atikins氏の発言の引用部分がこのインタビューと内容がかなりだぶっています。恐らく、Reutersの記事はこのインタビューでのAtkins氏の発言を元にしたものなのでは、と思います。昨日のエントリーのフォローアップとして、ビデオのリンクを添付し、インタビューのやり取りの概要を以下に書きます。尚、訳に関しては大まかなところをまとめ、要約しています。是非、ご覧になられることをお勧めします。














CNBC キャスター: なぜ四半期の収益見込みを事前に明らかにしたですか?

Howard Atkins: Wells FargoはWachoviaを昨年12月に買収しました。Wachoviaの買収は、米国の歴史の中でも最大の規模の銀行買収でした。今回が買収後の初めての四半期決算で、2社が一緒になって事業を行い、ファイナンシャルとしても合わせたものです。この取引の市場への重要性も考慮して、我々として少しでも早く市場に伝えるべきと考えました。

CNBC: この件で、何人かのアナリストと話をしました。これは、あまりにも良すぎるのではないか?と言う疑問を投げかけました。何人かのアナリストは、すこし懐疑的な反応をしていますが、多くのアナリストは、これはシンプルな話だ。一歩下がって見た場合、彼ら(Wells)は巨額の貯金額の増加を得て、住宅ローンはブームとなっている。それで大きな利益を得ている。率直に言って、考えられないくらい良い4.1%のネット(純)金利マージンをとなっている。これが基本的な理由ですか?

Atkins: この四半期に多くの良いことが起きています。ビジネス・フロー、テポジット(貯金)・フローとも良い状況です。我々は、クレジットを拡大しました。そして、おっしゃった様に、今四半期、住宅ローンは非常に良く、金額、利益率も高いです。それに加えて、我々のオペレーティング・マージンは、あなたがおっしゃった様に金利マージンは4%以上で我々が予想していたよりも良いものでした。

CNBC: 金利マージンが予想よりも高かったのはなぜですか?

Atkins: Wellsは伝統的に金利マージンは他の主要銀行と比べても最も高いあるいはそれに近いレベルにあります。Wachoviaと合わさって見た場合、我々はWachoviaのより高いコストの(高いコストがかかる)貯金が期限を迎えてきており、それは金利マージンに良いニュースとなっています。スプレッドや一般銀行業務も徐々に良くなっています。また、市場は論理的な動きを取り戻してきており、以前存在した非論理的な値付けをしていた競合が市場から撤退しているため、残った我々でその分を得られてきています。我々はクレジットを拡大しており、経済にクレジットを注ぐ様にしています。それらのことが、利益率の向上に貢献しています。

(日本時間の12日深夜に以下の部分を追加しました。)

CNBC: 人々が抱いているキー•クエスチョンとして、損失計上があります。33億ドルの損失計上は、その前の四半期と比べると大幅に減少しています。あなたは、クレジット・クオリティが向上しているため、それとも、会社を合併した時に、まとめて多くの損失計上を行ったため、もうそれ程する必要がなくなった、ということでしょうか?

Atkins: 後者の要因がより大きいです。12月に買収を完了した時、我々はその時点で既に損失計上を行いました。 Wachoviaのローン・ポートフォーリオ、特にリスクの高いローン・ポートフォーリオに関しての損失は既にピークを過ぎています。現時点では、それらに関しての損失は少なくなっています。Wachoviaの買収による損失の方のピークは既に過ぎており、それが意味する事は、我々は今、統合による効率化、売り上げのレバレッジ等、合併の利点を享受できる様になっています。

CNBC (David): 今日の株価の大幅な上昇によって、なんらかの形のエクイティ・オファーを検討されているのかどうなのか非常に興味があります。WellsのTCE(コメント:恐らくTangible common equity ratioの事を言っていると思います。)は良くなってきているものの、現時点では他社と比べると低いレベルにあります。本日の株価のパフォーマンスの上昇によって、エクイティ・オファーを検討されているでしょうか?

Atkins: 我々の注力分野は、引き続き収益を向上させる事です。収益が本当に鍵です。収益(の向上)が資本(Capital)を上昇させるための最善の方法です。それが第1四半期に起きています。ご存知の様に、数週間前に我々は配当の削減を発表しました。数週間前に発表したにもかかわらず、それは、第2四半期から全面的に直資本の向上への影響が始まります。(配当の引き下げは)四半期に10ベース・ポイント資本を引き上げることになります。収益を引き続き伸ばす事が、資本の引き上げの最善の方法だと思います。

CNBC: 住宅ローンのポートフォーリオについてですが、あなたはWachoviaのポートフォーリオで多額の損失を既に計上した、とおっしゃいました。特にカリフォルニアの動向について破綻申告の件数が再び増えており、フォークロジャーズ(抵当権執行)がこれから増えてくると予想されています。ホームエクイティ・ポートフォーリオは1290億ドルあります。あなたのそれについてのお考え(予想)はいかがでしょうか?また、現在の住宅市場全般について、また、そこでどの様なアドバンテージがあるとお考えですか?

Atkins: 恐らく我々はまだ、住宅市場全体の問題から抜け出した訳ではないと思いますが、カリフォルニアで良い兆候も実際に見られます。特にローエンド(低価格帯)の方で活発な動きがあります。多くの人が家を買っています。特に事例として、第1四半期に我々は1900億ドル相当の住宅ローン申請を得ています。その内の一定の部分は新築住宅で、リファイナンス(借り換え)だけの動きではありません。(コメント:一般に米国では、金利が下がると既存の住宅ローンを金利の低いローンに借り換える動きが活発になります。)我々は、全米で80万人以上の顧客のお手伝いをしました。多くはカリフォルニアの顧客です。この四半期に家を買う、あるいは、ローンを借り換える動きが(活発に)ありました。住宅市場の低迷の底に近づいていると望んでいます。

CNBC: 失業率が上昇している中で、Wellsは保証のない1290億ドルのホームエクイティとクレジット・ラインを抱えています。あなたは、それらの損失の急上昇とそれを損失計上しなければならないと予想されていますか?

Atkins: 失業率は高い状態が続いています。か(その状況の中で)クレジットサイクルのトップとボトムを予想する事は時期尚早だと思います。しかし、高い失業率ではありますが、ほとんどの人は依然として(職があり)働いています。実際に、ほとんどの住宅所有者は住宅ローンを期日までに支払っています。そして、住宅ローン、ホームエクイティ・ローンとも、金利はここ数ヶ月で非常に低くなっています。それも(破綻件数を抑制することに)大きな手助けとなっていくと思います。

CNBC: 先(四半期)の見通しを本日明らかにしたことは、TARPの返済をできるだけ早く行う事を意図しているのですか? その様な動きを既に行っているのですか? もし、既に行っているのでしたら、政府はなんと言っているのですか?

Atkins: 我々は、政府(から言われている事)についてコメントはしません。我々は、配当の引き下げを数週間前に発表した時、実行可能になった場合、できるだけ早くTARPの返済をしたいとの意思を示しました。我々は、TARPの高い配当(金利)を支払っています。(コメント:同じレベルの融資と比べた場合、一般に高いと決して言えないと思いますが、、、)我々はちょうど3億7200万ドルを前四半期分の配当金利を納税者のお金に対して支払いました。ですから、我々としてはできるだけ早く返済したいと考えています。しかし、我々のメインのフォーカス(主要な注力分野)は、クレジットの拡大、再びクレジットを経済・市場へのフローを起こす事、利益を上げ続ける事、会社を成長させる事、です。我々はこれら全てのことを実現する事により、経済、消費者の手助けとなるだけでなく、我々のバランスシート、資本を向上させることとなります。


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2009年4月9日木曜日

Wells Fargo 第1四半期は30億ドルの黒字見込み

Wells Fargoが第一四半期は30億ドルの利益となる見込みである事を明らかにしました。この結果は、昨年末買収したWachoviaを含めた結果との事です。優先株の配当支払い分を除くと、四半期の利益は、23億ドルから24億ドルになる見込みで、これは、一株あたり55セントの就役の予定です。アナリストの収益予想は、一株あたり平均で25セントの黒字で、予想を大幅に上回りました。

以下にリンクを記載するReutersの記事から、Wells Fargo CFOのHoward Atkins氏のコメントを引用します。

参考記事:Wells Fargo shocks market with record profit

"The main story is that traditional banking businesses, and the mortgage banking businesses, were very solid,"

「メインの話は、伝統的な銀行業と住宅ローン業は、非常に安定して順調だった事です。」と語り、Wells Fargoは米国の住宅ローンのシェアを伸ばしていると述べました。

また、なぜ4月22日の四半期決算発表予定の前に収益の見通しを発表した事について、Wachoviaを買収した事が重視されており、「できるだけ早く情報を市場に知らせる事が重要と考えて」「純粋にWells Fargoの判断で行った」としています。

また、新しいアカウンティング・ルールの変更(先日FASBがMark to Marketの基準を緩めることを発表した事に関連して)の影響は「非常に小さいインパクト」と述べています。これは、非常に注目すべき事だと思います。もしも、Akins氏の発言通り、厳しい市場環境にも関わらず、本業は順調に利益を上げており、アカウンティング・ルールの変更はそれほど、決算結果に関係ないのであれば、今後の収益動向に関してもかなり期待できる可能性があります。

尚、Atkins氏は、ストレステストに対するコメントは控えています。

Wellsによると、第1四半期に1000億ドル以上の住宅ローンの貸し出しを行い、1900億ドルの住宅ローン申請を受けたとしています。この数字は、第4四半期より64%上昇しています。

純損失計上は33億ドルを予定しており、第4四半期の61億ドルから大きく減少しました。

今の時点で、明らかになっている情報は以上です。しかし、予想以上に良い結果で、市場に対しても良い意味で強い衝撃を与えた様です。住宅ローンが非常に順調との事ですが、そうであれば、住宅販売のピーク期の第2四半期は非常に良くなる可能性があります。また、Fedの超低金利政策の恩恵を強く得られる可能性が高いです。

懸念材料としては、住宅ローン破綻件数が今後も増えそれによる損失が高まる事、Wellsはホーム・エクイティ・ローン(住宅を担保にした貸し付け)も多いので、それの損失が今後増える可能性があること、等です。更に、現時点でWachoviaの不良債務の処理がどの程度まで進んでいるのか、良く解らないことなどが、懸念材料かと思います。他の懸念材料としては、tangible common equity ratioが約3.1%と低い事です。

正式な四半期の決算発表は4月22日の予定です。注目したいと思います。また、他の銀行がどうなのかにも更に注目は高まると思います。ファイナンス・セクター全般が収益を大きく改善させた場合、株式市場・景気に対して非常に好材料となると思います。ただ、それ程簡単に回復するとはとても思えないと、個人的には考えています。

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米財務省は、生命保険会社をTARPの対象に加える事を認める

本日、事情に詳しい筋からの話として、財務省はTARPの対象を広げ生命保険会社を含める事を決断し、数日以内に発表する予定である、とWSJが報道しました。

U.S. to Offer Aid to Life Insurers

さらにReutersが、このWSJの記事に対する財務省の返答として、スポークスマンのAndrew Williams氏が、多くの生命保険会社はCapital Purchase Programの基準を満たしているとして、生命保険会社もTARPの(融資の審査)対象となる事を認めた、と報道しました。

Treasury says some insurers qualify for TARP

この件に関しては、先月にやはりWSJが記事として取り上げており、このブログでもその記事を元にエントリーしています。当エントリーの冒頭部分を引用します。

“本日のWSJに”The Next Big Bailout Decision: Insurers”と言う記事が一面に載っています。多くの生命保険会社が政府のTARPの(救済の貸し付け)申請を行っており、業界は数週間以内に政府から本要請に対する返答をもらう見込みであるとの事です。”

米生命保険会社が政府に救済を要請

(引用終わり)

本件を財務省が認めた事で、生命保険会社の株は本日大幅な上昇で始まりました。(その後、多少なりとも上げ幅は縮小しています。)これで、政府の救済は、新たに生命保険会社にまで広がりました。これで、生命保険会社のライフラインは伸びる事となり、また、債券の大保有者である生命保険会社を助ける事で債券市場の不安定化の懸念が後退することになります。しかし、生命保険会社が抱える問題が全てが解決したわけではありません。また、TARPには限りがあり、救済融資の要請は様々なところからあり、全てを救済する事は無理の様に思われます。

本件に関して、ご興味のある方は是非、上に添付した関連のエントリーもご覧になってみて下さい。

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2009年4月8日水曜日

GMがバンクラプシーの準備を計画中

本日の日中に、ReutersがGMの計画に詳しい筋からの情報として、GMがバンクラプシーの準備を真剣に始めている、と報道しました。特に驚く様な話ではない、と個人的には思うのですが、GMのChapter 11申請の可能性が更に高まった事は、市場のセンチメントに再び影響を与えている様です。以下、Reutersの記事から、冒頭の部分を抜粋し邦訳したものです。

GM in "intense" bankruptcy prep: source

GMの計画に精通している筋からの情報として、GMがバンクラプシーの準備を真剣に始めている。計画は、会社を分割し、最も成功している(うまくいっている)事業ユニットで“新しい会社”を構成し、利益率が低い事業を“古い会社”に残す案で、(選択肢として)優勢になってきており、最も賢明な構成と見られている、と別の情報筋が語っている。

情報筋は、状況を話す事を認められていないため匿名を要求している。(コメント:いつものことですが、口の軽い人が多い様です。意図的にリークさせている可能性も十分にあります。)

(ここで記事の引用は終わります。)

記事の話は続いて、一部のバンクラプシーの専門家は、Chapter 11のファイリングはリストラクチャリングを行う上で手助けとなるが、様々な問題もある、と語って、いくつかの例を挙げたりしています。

個人的には、なぜGMのバンクラプシー選択か否かが市場に大きく影響を与えるのか、理解に苦しむ部分があります。一方で、現実としてこの話が市場にインパクトを大きく与えていることは認識してはいます。

新CEOのHenderson氏の先日のインタビューでの発言を聞いても、バンクラプシーの選択の余地は十分にある、との印象を与えるものだったと思っています。無責任に、あるいは、楽観的にバンクラプシーは避けられそうだとの印象を与えておいて、期限前後に突然、バンクラプシーの可能性が浮上するのであれば、市場を動揺させ、市場が大きく下落したりするシナリオは理解できます。しかし、現在までで一般に得られる情報からも、バンクラプシーの可能性は少なからずある、と考えるのが通常の様に思いますが、どうなのでしょうか?

ご存知の通り、バンクラプシー(bankruptcy)は直訳すると、“破産”、“破綻”、“倒産”になります。言葉としては、非常にインパクトがありますが、米国ではバンクラプシーは一般的で、Chapter 11を申請した後、立ち直る会社も多くあります。9/11のテロの後、多くの航空機会社が経済的に厳しい状況に陥り、Chapter 11を申請しましたが、それなりにうまく立ち直ってきていると思います。(今は再び、業界は厳しい状況にありますが)


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Meredith Whitney って誰?

昨日エントリーしたMeredith WhitneyのCNBCのインタビューで、私が興味を持った彼女の発言を抜き出して、後程、エントリーする予定です。その前にMeredith Whitneyがどういう人なのかについて簡単に紹介します。

Whitney女史は、元Oppenheimerのmanaging directorで、2007年の10月にCitigroupについてサブプライム関連で大幅な損失を余儀なくされ、配当を削減しなければならなくなる、とのレポートを発行しました。このレポートは、当時、市場で大きな注目を集め、Citiの株は大幅に下落しました。

本レポート発行のニュースを取り上げた記事の例として、Business Weekの記事をご参考までに添付します。
The Analyst Who Rocked Citi
(添付の写真もBusiness Weekの記事からの引用です。)

尚、レポートの影響でCitiの株価が大きく下落し、彼女に対して脅迫の様な圧力もかなりあった様です。ちなみに、彼女の夫は、元WWEのプロレスラーJohn Layfieldで、強力なボディガードがいるから、この様なレポートを書いても大丈夫(?)との見方も当時ちらほら見かけました。Citiのレポート発行後、彼女は、続けてファイナンシャル・クライシスに対する懸念を示しました。

ご存知の通り、Citiは多額の損失を計上、昨年はファイナンシャル・クライシスが大きな問題となりました。Citiのレポート発行前は、それ程有名ではなかったのですが、発表後、一躍脚光を浴び、その後の市場の状況は彼女の予想通りとなったため、昨年以降、彼女の発言や動向は注目を集めています。昨年、Whitney女史は、Fortuneの50 Most Powerful Women in Businessに入ったり、CNBCのPower Player of the Yearを受賞しています。

ブログ’naked capitalism’でも、Whitney女史を、ファイナンシャル・クライシスの危惧を一番最初に示したバンキングアナリストと称し、彼女のレポートを称賛しています。当該エントリーのタイトルは、”Meredith Whitney Sounds Like Nouriel Roubini”で、かのRoubini氏と並べて称しているところに、彼女に対する敬意を感じます。

Meredith Whitney Sounds Like Nouriel Roubini (naked capitalism)

Meredith Whitneyは、今年の2月から自分の会社、Meredith Whitney Advisory Group LLCを始め、その会社のCEOです。

実は、私は普段はテレビをほとんど見ません。ただし、オンラインのビデオは興味のある分野について、見る様にしています。私は上に書いたOppenheimerの女性アナリストのCitiのレポートのことは覚えていたのですが、彼女の名前と顔は記憶していませんでした。数週間前に、そうそうたるメンバーが参加するラウンドテーブルのビデオを見ました。この中にMeredith Whitneyも参加していて、彼女を見て、「このおねえさん、このメンバーに加わって、大丈夫なのかな?じゃまな発言とかしないと良いんだけど。。。」と、とんでもない偏見に近い印象を持っていました。しかし、彼女が話をし出したとたん、その様な偏見は一気になくなって、逆に「なんなんだ。このねーちゃんは!!」と強烈な印象を受けました。はずかしながら、人を外見で判断する事の浅はかさを思い知らされました。

発言だけでなく、彼女のレポートは非常に高い評価を得ている様です。私は残念ながらまだ読んだ事がないのですが、何とか入手したいと考えています。

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2009年4月7日火曜日

Sun取締役会 IBM買収提案を拒否!?

IBMによるSunの買収交渉は、早ければ、今週中にも合意の見込みとの報道が先週の金曜日にあり、本ブログでも取り上げていましたが、日曜日の夜の速報によると話は流れてしまった様です。

市場でも大きな注目を集めていた本件ですが、本日のWSJの一面でも報道しています。以下にWSJの記事を中心に本件のアップデートをエントリーします。

4月4日土曜日にIBMからSunに対して、正式な買収提案が出されました。Sunの取締役会は本提案の受け入れる事を拒否し、買収に関しての排他的な(エクスクルーシブ)交渉を行う(IBMだけに限定して、交渉を進めることの)合意を解約する事を通知したとの事です。ただし、別の情報筋によると、状況は依然として不確定な面もあり、両社は電話等でコンタクトを続けているとの話もあります。

Sunの取締役会は、買収案の受け入れについて二分していた様です。創業者で会長のScott McNealy氏を始めとするグループは反対の立場、一方、現CEOのJonathan Schwartz氏側は賛成の立場だったとの事です。IBMの提案価格は明確ではないものの、一株$9.10との説と$9.40の説とある様です。尚、情報筋によると、価格が問題ではなかった様です。

Sunの意見としては、IBMの提案はIBMにあまりにも選択肢を与えすぎる、または、取引を破棄する余地がありすぎる、とのことです。IBM側は、提案した骨子で十分に取引に対して確約していると信ずる、との立場です。

何人かの独禁法の法律家(antitrust lawyers)は、IBMが買収案件の許可を米司法省とEUの両方から得る事は難しい(困難が伴う)であろうと予想していました。なぜなら、両社は製品群がかなり重なっているためとしています。テープを使用した記憶装置(ストリーマー)は、両社でほぼ100%をしめてしまうため、Sunのストリーマーの事業をスピンオフする意向を示していました。しかし、両社を合わせた場合、170億ドルのUnixサーバー市場の約65%を持つことになります。

WSJの記事はこの後も話は続いているのですが、ここでこの件についての記事の引用は終了します。

参考記事:
IBM Talks Teeter as Sun Board Splits
The Wall Street Journal, A1, April 6, 2009

今週にも買収発表か、と見られていましたが、一転して、話は流れてしまった様で、びっくりしました。価格が問題ではない、との関係者の話ですが、私もそう思います。やはり、恐らくIBMが途中で買収案を撤回する可能性がかなり残されている、と言った様な条件面で受け入れなかったのでは、と思います。Sunの取締役会が受け入れるかどうかで、二分したとの事ですが、かなり苦渋の判断だったのではと思います。McNealy氏が反対、Schwartz氏が賛成、と言う対立の構図は何となく想像できます。はっきり言って、創業者のMcNealy氏からSchwartz氏がCEOの座を譲り受けてから、Sunの低迷はさらに酷くなっています。

まだ、流動的な余地もある様ですが、この話が流れてしまうと、Sunは本当に苦しくなると思います。単独での存続は厳しいとの大方の見方があり、更に現在の財政状況やビジネスの状況を考えると、買収先を見つけるのが後になればなるほど、状況は悪化して行く可能性が少なからずあります。

この報道でSunの株価は本日22%を上回る下落となっています。Sunとしては、第1四半期決算発表前に買収案をまとめたかったと思います。これで、本当にIBMとの買収交渉が破綻してしまった場合、Schwartz氏の退任・解任の可能性はかなり高い様に思います。個人的には、McNealy氏がCEOに返り咲いて体制を立て直すのが良い様に思いますが、盛り返す事ができるのか、Sunの今後に注目したいと思います。

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2009年4月2日木曜日

3月の米国自動車販売台数

3月の米国内の自動車販売台数が発表されました。

GM: 155,334台(45%減)
Ford: 131,102台(41%減)
Chrysler:101,000台(39%減)
Toyota: 132,802台(37%減)
Honda: 79,374台(34%減)

尚、減少のパーセンテージは昨年の3月と比べたものです。数字的には、かなり大きく下落していますが、それでも予想よりも悪くなかった様です。底は近いと言った見方もでてきている様です。以下、添付の参考記事を参照して下さい。

参考記事:U.S. auto sales plunge, but bottom seen

また、一部のメディアでは、2月に比べて販売台数が増えた事についてハイライト・強調しているところもあります。しかし、通常は2月より3月の方が需要が多いので、比較する場合は、昨年の同月との比較の方が適切だと思います。ちなみに、2月は過去の中でも記録的に低い販売結果でした。

一つ前のエントリーに書いておりますが、GMとFordが更に積極的な販売プログラムを開始しており、恐らく4月5月は売り上げは多少なりとも上がる事が予想されるため、確かに販売台数のトレンドとしては、底を打った様な形になるかもしれません。ただし、それはコストのかかるインセンティブ(販売促進)の効果が高く、各自動車メーカーのコスト増、利益減の副作用があります。

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2009年4月1日水曜日

GMとFordが失業補償付き販売プログラムを発表

冷え込んでいる米国自動車需要を喚起するため、GMとFordが、新しい販売促進プログラムを開始する事を発表しました。今回発表されたプログラムは、Fordの場合は、自動車をローンを使用して購入した顧客が職を失った場合、月々の支払いを最高700ドルまでを、最長で1年間免除するもので、これは同時に行っている0%(無利子)のローンと組み合わせる事ができます。

GMは、”GM Total Confidence”と言う名前の包括的なキャンペーンプログラムで、顧客に対して様々な保証を提供する者です。以下、GMのニュース・リリースを参考に当該プログラムの特徴をまとめたものです。

- Payment Protection(支払いの保証):新車購入後、2年以内に購入者が職を失った場合、最長で9ケ月分の月々のローンまたはリースの支払いを保証する。月額の最大補償額は500ドルまでとする。
- Vehicle Value Protection(車の価値の保証):ローン契約期間の半分を過ぎた時点から、顧客は’Vehicle Value Protection’の権利を得る。これは、新たなGMの車を購入する場合に、中古車の市況の関係で残債が車の市場価格よりも多い場合、その差額を保証するもの。

“GM Total Confidence”プレスリリース

Ford プレスリリース

両社とも既に0%のローンキャンペーンに加え、激しい値引きを行っていましたが、今回はこれらに加えて購入者が職を失った場合の保証を追加しています。今回のプログラム導入の背景として、韓国のHyundai Motorが、自動車購入者が職を失った場合は、購入した車を返却する事ができると言うキャンペーンを今年1月から行っており、好評を得ている事がある様です。Hyundaiは、はげしく落ち込んでいる自動車市場の需要にも関わらず、2009年の最初の2月の間に5%売り上げを伸ばしています。今回のGMとFordのプログラムはそれに対抗する様な者です。

実際に、このプログラム適用の費用がどの程度になるのかは、現時点では分かりませんが、既に行っているインセンティブに加えて、新たな出費が増えるため、利益率を圧迫、または、赤字を拡大する事になるリスクが伴います。一方で、このプログラムはかなり顧客へのアピールはあると思います。在庫を処分する観点で見た場合、ある程度の追加出費は伴うものの、必要なことかもしれません。

ただし、これらのプログラムは中短期の売り上げには大きな効果があるかもしれませんが、長期の視点で見た場合、マイナス材料が多いと思います。現在の米国自動車メーカーの問題は、車自体の魅力ではなく、経済的な面での魅力に頼った販売を続けてきた事も大きな要因の一つだと思います。

正直なところ、政府からの資金援助を受けながら、この様なキャンペーンを延々と続け、さらに政府に資金を求める様なシナリオは、
昨日のオバマ政権の発表によりなくなったと考えられるので、政府の対応も適正だったのではと思っています。

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2009年3月31日火曜日

オバマ政権、GMとクライスラーに対する支援策のアップデートを発表

本日、オバマ政権がGMとChryslerに対する救済についてのアップデートを行いました。

米国財務省のGMとChryslerに貸し付けを行うにあたって、両社が今後継続して行くことができるための具体的な案の提出が条件でした。今回の発表は、両社から提出された計画案に対しての政府の見解と今後に対する道しるべが骨子です。

政府発表のファクトシートからの抜粋を訳し要約し、以下に記します。ファクトシートの冒頭で、キー・ファイディングズ(主要な見解)として、以下の様に述べています。

Viability of Existing Plan:

2月17日提出されたGMとChryslerの計画は、継続性に対して確証を与えるには至っていない。現行の体制では、納税者の資金を使用した巨額の新たな投資を妥当であるとするには、不十分である。両社は夫々、期間を設定し、長期の経済的な継続・持続性(を達成するため)の戦略を策定するために相応しい額の運営資金を得る事になる。

General Motors:

GMの現行の計画は妥当(十分)ではないが、オバマ政権は、更に抜本的なリストラクチャリングを行う事により、GMはこのプロセス(過程・手順)を経て、より強くさらに競争力の高い会社に育成されると確信している。このプロセスは、GMのリーダーシップの変更、米財務省による更なる取り組み(尽力)、そして、外部のアドバイザーのリストラクチャリングの取り組みへの強力等を含む。Rick Wagnerは、会長兼CEOの座から離れることになる。この骨子により、更に意欲的なリストラクチャリング計画と計画を実現するに値する戦略を作成するために、オバマ政権はGMに対して60日分の運営資金を提供する。オバマ政権は、GMのリストラクチャリングの取り組みの後ろ盾となる。

Chrysler:

ファイナンシャルと業界の専門家と十二分に協議・相談した結果、オバマ政権は遺憾ながら、クライスラー社は単独の会社として継続して行く事はできない、との結論に至った。しかし、クライスラーはフィアットと合意しており、それは、継続して行くための基本的な道しるべとなる可能性がある。フィアットは、価値のある技術をクライスラーに移譲する準備があり、オバマ政権と幅広い点について相談した結果、米国の工場で新しい燃費に優れた自動車とエンジンを製造することを約束している。しかしながら、一方で、この案件が現実として成立するために、超えなければならない大きな(複数の)障害が存在している。

そのため、オバマ政権は、フィアットとの正式な(確実な)合意の結論をだすため、そしてサポートのため必要となる保有分を確保するため、30日分の運営資金を提供する。もしも、成功した場合、オバマ政権は、クライスラーが求めているこのパートナーシップ(協力関係、協業)を成功させるために手助けとなるとする追加の最大60億ドルの投資を検討する。もし、合意が得られなかった場合、オバマ政権は、クライスラーに対して、いかなる形でも税金を使用した追加の投資は行わない。

A Fresh Start to Implement Aggressive Restructurings:

クライスラーとGMは異なる会社で今後の取る道も異なるものの、2社の両方とも、立ち行かない程の借金があり、両社は新たな出発が必要である。彼らの成功するための最良の機会は、手早く解体する方法のバンクラプシー・コードを適用することかもしれない。会社を分割し、売却する様な清算・整理(liquidation)、あるいは、会社が清算から抜け出すために数年間かかる通常の倒産、とは異なり、構造化したバンクラプシー手法(a structured bankruptcy process) - もしも必要となった場合の手段 – は、GMとクライスラーが昔からの負債を清算することを容易にする手段となり、そのため、引き続き自動車を生産し、我々の経済において職を提供しながら成功への道を得ることができることになる。

A Commitment to Consumer Warrantees:

オバマ政権は、この期間において、GMまたはクライスラーから購入した新車を革新的な保証確約のプログラム(an innovative warrantee commitment program)を通じて、後ろ盾となり支えることを確約する。

Appointment of a Director of Auto Recovery:

オバマ政権は、前労働省長官で労務のトップ・エコノミストのEdward MontgomeryがDirector of Recovery for Auto Workers and Communitiesの任につく事を発表した。Monntgomery博士は、米自動車業界に依存する労働者、地域社会、地域を支援するため、政府のあらゆる人材・機能を活用して職務を遂行する。

(要約終わり)訳については、一部意訳しています。この後に、それぞれのGMとクライスラーの計画のfindingsについての詳細が書かれています。ご興味のある方は、以下の政府発表の資料のpdfのリンクを参照して下さい。

原文:Fact Sheet of the New Path to Viability for GM & Chrysler(GMとChryslerの継続性についての新たな道しるべのファクトシート)

(コメント)

予想されていたよりも厳しい姿勢を示した上での支援策だと思います。GMに対しては、60日間の猶予期間を与え、更なる大胆なリストラクチャリングを託しています。クライスラーに対しては、単独での存続は無理との結論を示した上で、フィアットと共同する道を進む様、半強制的に託しています。

また、今回与えた猶予期限で、求めている結果を得られない場合に対しては、構造化したバンクラプシー手法(a structured bankruptcy process)が最良の方法である事を示唆しています。もしも、バンクラプシーを適用した場合とその可能性に対する消費者の不安を和らげ、新車販売の障害にならないために、この期間内の新車の保証を政府が行うことを確約した事も注目されます。この政府の新車保証については、逆に言えば、バンクラプシーの選択の可能性を示しています。また、Monttgomery氏の任命は、恐らく、バンクラプシーの選択を主眼に入れた意図でのものと想像しています。

今回の発表で、クライスラーは30日後、GMは60日後には今後の方向性がはっきり決まる事が明確になったと思います。


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2009年3月26日木曜日

急速に減速する議会のAIGボーナス課税の動き

AIGのボーナス支給が明らかになった後から、国民や議員の間で本件に対して、非常に強い怒りがわき起こりました。そして、先週、上院は、支給したボーナスを取り返す、また、政府から巨額の救済を得ている企業が今後似た様な形でボーナスを支給しない様にするため、ボーナスに対する課税案を賛成多数で可決しました。

(関連エントリー:3月19日の米国市場からの抜粋)

政府から巨額の救済資金を得ているAIGが1億6500万ドルのボーナスを先週末に支払った事について、大きな話題となっていましたが、米下院が、政府の救済措置を得ている企業において、巨額のボーナスを得た社員に対して、制裁的な課税措置を取る提案を賛成多数で可決しました。この提案は、50億ドル以上の政府から救済資金を得ている企業において、収入が25万ドル以上の社員(一般的に幹部社員)に対して支給されるボーナスに対して90%の税率を適用するものです。この案に対しては、共和党は反対の姿勢を取っていますが、一部の共和党社員も賛成に動き、賛成多数となっています。尚、上院では別の案が検討されているので、まだ、多少紆余曲折がある可能性も残っています。

関連記事:House votes to recoup bonuses from bailed-out firms

(引用終わり)

また、下院でも同様の主旨で手法は若干異なるものの、結果的には支払った税金を取り返す課税案が検討されていました。本日のWSJの一面に”Drive to Tax AIG Bonuses Slows”と言うタイトルの記事が掲載されています。この記事は、先日から大きな話題となっているAIGの巨額のボーナス支給に対して、高額の税率を適用して支払われたボーナスを回収する議会の動きが急速に衰えてきている事を、報道しています。

以下、WSJの記事の概要を要約したものを記します。

先週、上院で可決された政府から巨額の救済援助を受けている企業においてボーナスに対して90%の課税を行う案を、法制化するために下院で審議するのは、4月2日から始まる2週間の休みの前には行われないことは確かであると見られている。また、大統領側が今後その様な支払いを行わない様に監督すると確約した場合、両院とも法制化に向けた動きを引下げることもあり得る。

急速に動きが収まってきている背景としては、上院の予算案に対してオバマ大統領が冷ややかな姿勢を示した事、下院の共和党のリーダーが懸念を示した事、多くのAIGの経営陣がボーナスを返還した事などである。また、それ以外にも、オバマ政権がファイナンス企業経営陣への給与条件を含む金融市場に対する監督の強化の動きがあり、それによって本件をカバーできる可能性があるためである。

中略

上院の多数陣営民主党のリーダーのSteny Hoyerは、先週の上院の過激な動きから一歩下がり、ボーナス課税の法定化はAIGのボーナスが返済されてきている今は「必要ないかもしれない」と提言した。(中略:この後、Hoyer氏は上記の様に語ったものの、上院で可決した案を取り巻く動きに対しては弁護しており、立場を反転しているわけではない。と言った様な話が続きます。)

上院の民主党議員リーダーのHarry Reid氏は、「問題は解決した訳ではない」と昨日語ったものの、緊急度を要するものではなく、数日間待ったとしても問題はなく、時間がある時に行えば良いと考えている、と述べた。また、Reid氏のスポークスマンのJim Manley氏が、オバマ大統領と上院の共和党から懸念が示されているため、一歩離れて、次のステップの可能性について議論する事を決めたと語った。

(話はまだ、続きますが、ここで引用は終了します。)

Drive to Tax AIG Bonuses Slows
Wall Street Journal, A1
March 25, 2009

昨日CBS 60 minutes のオバマ大統領のインタビューを見ました。
(CBS 60 Minutes: President Barack Obama, Part One)


このインタビューでの一番最初の質問は、「AIGのボーナス支給に対する反応、怒りの高まりについて驚きましたか?」だったのですが、これについてのオバマ大統領の答えは、「私も、チームも驚きませんでした。先週、一点強調しようとしていた事、そして、この先数ヶ月も同様に努めようとしている事、重要なことは経済で起きている問題の解決する事です。我々は怒りで政治を行うべきではない。人々が(職を得て)仕事に戻り、クレジットが元通りに機能するために必要な事、状況を把握して、我々は適切な判断をする様に努めなければなりません。私は、日々起こる出来事で自滅する訳にはいきません。私はこの国の経済が正常に機能する様に努める事に注力します。」(多少、意訳している部分があります。)

このくだりを聞いて、多分、オバマ大統領はボーナス課税案に対して、反対の姿勢をだなと思いました。仮に、両院を通過したとしても、拒否権を発動する可能性もある、と思っていましたが、今日のWSJの記事を見て、議会の方もかなり冷静になってきている様な印象を受けました。別の観点で言えば、オバマ大統領がうまく議会に対しても影響力を与えているとも言えるかと思います。
当然の事ですが、まだ、これでこの件は収まった訳ではありませんが、方向性は見えてきた気がします。

オバマ大統領は、今週の金曜日にファイナンス企業の経営者と会って話をする予定との事です。これもかなり重要なイベントと思われます。これらの件については、引き続き見て行きたいと思います。何か、注目すべきニュース等があれば、エントリーする予定です。

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2009年3月25日水曜日

オバマ大統領 CBS 60 Minutes インタビューから

米国時間22日に放送されたオバマ大統領のCBSインタビューにおいて、Geithner財務長官についての話を土曜日にエントリーしましたが、該当の発言の部分のビデオのリンクを以下に添付します。


Watch CBS Videos Online

関連エントリー:オバマ大統領、Geithner財務長官辞任は認めない、と語る(ロイターの記事から)

エントリーの記事でも書きましたが、これを取り上げたロイター記事のタイトルは少なからず過激(?)でしたが、実際のビデオを見るとどの様な経緯・話の流れで、オバマ大統領が発言したのか分かります。ビデオを見ましたが、オバマ大統領は非常に高くGeithner氏を評価していると思いました。記事のタイトルとなった該当の発言に関しては、微笑みながら穏やかに発言しているのが非常に印象的でした。

このCBSのインタビューのビデオはAIGのボーナス件やその他興味深い話題が多いので、できれば、後で本ブログでも取り上げたいと思っています。

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