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2009年4月4日土曜日

IBMのSun買収、近日中に発表か?

IBMとSunの買収の交渉は最終段階にある、と本日のWSJが報道しています。 WSJによると、両社は買収価格についてIBMが一株あたり$9.55で支払う事で話し合いを行っているとのことです。この価格は、Sunがその前に期待していた価格から一株当たり1ドル低くなっているとの事です。この価格の場合、総額は約70億ドルとなります。

買収価格の引き下げの条件として、SunはIBMが所轄省庁等からの反対が起きたとしても、IBMが計画を推し進めることを確約する事を要求しているとのことです。

(コメント:独禁法に抵触する等、SEC側からクレーム・注意等が喚起される事は十分あり得ます。最近の例としては、YahooがMicrosoftからの買収提案を拒否、その後、Microsoftが提案を破棄した後で、Googleとの提携を進めようとしましたが、SECからクレームが入り、結局、両社は提携を断念しました。尚、クレームがあっても、強く推し進めて案件を実現したケースも過去にいろいろあります。両社(特にGoogle)はクレームが入った時点で、あっさりあきらめました。)

両社の買収案件についての合意が近く発表されるかもしれないと、情報筋は語っている、その一方で、話し合いが決裂に終わる可能性もあるとの事です。

参考記事:
IBM Near Deal to Buy Sun for Lower Price
The Wall Street Journal, B3, April 3, 2009

コメント:

この買収案が決裂する事は、IBMとしてはかまわないかもしれませんが、Sunにとってはとても受け入れられないと思います。約2週間前に、買収交渉が行われているとの報道があってから、Sunの株価は2倍近く上昇しています。話が流れたら、暴落することは免れません。また、Sunは今年は赤字となる見込み、シェアも下落に歯止めが経たない状況で、単独で今後存在できる可能性は低い状況です。

Sunは4月28日に四半期の決算発表予定ですが、恐らく内容はかなり悪いと予想されます。アナリストの予想平均は、一株あたり13セントの赤字です。私はこのアナリスト予想の数字よりも悪いと予想しています。正直、ここでIBMが一旦引いたとすると、Sunの株価は暴落、更に、悪い決算を発表することになった場合、非常に苦しい状況になります。

WSJの記事を読んで、恐らく、IBM側としては、SECの判断・見方が否定的な場合、買収を見送る様な姿勢を見せているのでは、と想像しています。Sunとしては、どんなことをしてもこの件を進めたいはずで、IBMからSECの反応がどうであっても、買収を強く進める確約が絶対に欲しく、価格に関しては柔軟な姿勢なのだと思います。IBMが圧倒的に有利な立場なので、全てIBM次第なのでは、と思います。多分、IBMがSunの条件を受け入れる代わりに、価格は譲歩する形で収まりそう、つまり、買収の合意の発表は近いうちに(多分、Sunの決算発表より前に)されるのでは、と思います。

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2009年3月18日水曜日

オバマ政権、米自動車企業破綻を回避する様動く

先日、Obama政権のタスクフォースが、バンクラプシーの法律家を雇ったとの報道がありましたが、17日のWSJで、タスクフォースのリーダー達は、Chapter 11を申請するバンクラプシーでなく、リストラクチャリングに注力しているとの報道がありました。
この記事は、Steven Rattner, タスクフォースの中心人物のインタビューからの引用なので、信憑性は高いと思います。

Obama Seeks to Avoid Auto Bankruptcies
Wall Street Journal, March 17, 2009

以下、記事の概要です。

Steve Rattnerはインタビューで、「時として、(バクラプシーは)いくつかの企業にとって必要な場所となるが、確実に望ましい場所ではなく、そして、我々のゴールがこれらの会社がバンクラプシー(破綻申請)となることを見る事ではないことも明らかである。彼らのビジネスは消費者に直面している性格であることを考慮した場合、特にそうである。」

オバマ政権は、同様に、タスクフォース・チームは、GMとクライスラーに対して貸し出した174億ドルの融資の条件として、会社が3月31日までに、長期的にやっていけることを証明することを求めていたが、これについて再度厳守する様にすることを行わない、としている。

政府筋は、二つの自動車会社は既に現金を使っており、(貸し出した)ファンドを返す様に要求する事は、彼らが直ちに崩壊する事を招く、と語っている。

バンクラプシーは、望ましい選択肢ではないと強調する事で、貸付金の条件による自動車メーカーの破綻の危険性を取り除き、Rattner氏のチームはGMに対するプレッシャーをある程度軽減し、クライスラーと関連の組織・会社に対して直ちに譲歩を託す様にさせている。しかしながら、チームは、バンクラプシーの選択肢の可能性がないとしている訳ではない。

(中略)

今月の末までに、政府はこれらの企業の存続についての見方と、数年後に業界がどうなっているかについての見方を、公開する計画でいる。しかし、Rattner氏は、それらの計画は、二つの会社の包括的な問題解決については含まれない、と述べている。それについては、株主、組合、経営陣と投資家に大きく依存するだろう、と語った。

(引用終わり)

数週間前にWSJが、GMの経営陣がバンクラプシーに対して柔軟な姿勢に変わってきている、との記事を掲載、また、タスクフォース・チームがバンクラプシーの法律家を雇う等の報道があり、方向性としては、オバマ政権のサポートのもと、Chapter 11を申請して(バンクラプシー)、再建に取り組む可能性が高まっていると思っていましたが、Rattner氏が明確にその選択肢を望まないとしたことは、非常に注目するに値する話だと思います。

確かに、GMが破綻申請となれば、消費者に与えるイメージは大きいものがあるかと思います。失業率が高まり、景気の悪化、等米国経済に対して非常に重要な影響を与える米消費者の心理や消費動向に対して、オバマ政権がより配慮する様になってきている様に思います。

ここにきて、米消費者の新たな不安要因を可能な限り取り除く、消費者に希望を与える様にする、と言った方向に政策やコミニュケーションがシフトしてきている様に感じます。

ただし、実際の米自動車メーカーのおかれている状況はかなり厳しいものなので、実際にバンクらプシーを回避でき、無事再生できるのかに関しては依然として難しい様に思っています。

以前、当ブログで取り上げたWSJの記事のリンクを参考までに添付します。本記事とこの記事を両方読んで比べてみるのもおもしろいかと思います。

今日のWSJ - GMがバンクラプシー(破産)に対して柔軟な姿勢

2009年3月7日土曜日

今日のWSJ - GMがバンクラプシー(破産)に対して柔軟な姿勢

不定期で、当日朝のWall Street Journalで目についた記事を取り上げて行きます。

今朝のWSJの一面に載っていた記事の要約と私のコメントを以下に記します。

GMが破産(バンクラプシー)に対して柔軟な姿勢 
(原題:GM more open to bankruptcy)

事情に詳しい人によると、GMの経営者は、破産(宣告)により速やかなリオーガナイゼーション(企業形態・事業・組織の再構築)を行う事に対してよりオープンになってきている。その様な動きは多くの顧客が離れる事になり、会社が生き残る事ができなくなる、との今まで示してきた懸念を後退させてきている。会社は、依然として破産を回避する事を望んでいるものの、従来示してきた考え方から、かなり変化がおきてきている。この考え方の変化は、木曜日に明らかになったGMの監査企業が当該自動車メーカーが継続して事業を行って行く事ができる可能性に対して、非常に大きな疑念があると示した事が、GMの考え方・今後の動きに変化をもたらした様である。

中略

GMのCEOのRick Wagonerは、昨年11月と12月に、議会とホワイトハウスに対して、Chapter 11の企業再構築は、売り上げの急激な低下を招き、会社は回復する事ができなくなるであろうと語った。しかし、数ヶ月に及ぶ一流のバンクラプシー・アドバイザーの分析を含む調査の結果、会社はちまたで言われている”プリパッケージのバンクラプシー(Prepackaged bankruptcy: 日本語的には、政府がお膳立て、面倒を見る形で会社更生法を適用し再生する様なもの)"によって会社を立ち直らす事ができるのでは、と思う様になってきている。

プリパッケージのバンクラプシーにより、組合、部品供給社、債権者等の様々な構成組織・部門が、事前に譲歩し合意することが見込まれる。プリパッケージのバンクラプシーは通常ほんの数ヶ月で終わる。

プリパッケージのバンクラプシーであれば、”60日位大混乱となるだろうが、もし政府がそれを支持し、債権者を含む関連部門が支持するのであれば、VEBA[retiree health-care trust]の折衝ができ、組合も賛同し、そして、、、我々はどうにかうまくやって行くことができるだろう”、と関係筋は語っている。

バンクラプシーの様な形態は、GMが現在行おうとしている法廷外での企業再構築の様なものに比べ、圧倒的に効率的である。

中略

GMの考え方の変化は、その経済的な問題が非常に深刻な状況にある事を、あらためて確認されたことが背景にある。

(この後で、再び、アニュアルレポートに書かれている、昨日明らかになった監査企業のコメントの話が続き、話は続きます。よろしければ、以下のリンクで記事全文を読んでみて下さい。尚、上記要約は、できるだけ原文に即す様に訳す様にしていますが、一部意訳している部分もあります。)

GM More Open to Bankruptcy
Wall Street Journal, Friday, March 6, 2009, A1

<コメント>

かたくなにバンクラプシーを拒む強硬な姿勢をとっていたGMでしたが、どうも、考え方・姿勢に大きな変化が出てきた様です。上にも書いてありますが、当初、ワグナー氏は、「バンクラプシーはオプションにはない!」「バンクラプシーした自動車メーカーの車を買う人等いない」と強く主張していました。政府からの救済の資金援助がなければ、倒産は必至の状態にも関わらず、オプションにない、と語るのは勘違いもいいところの気がしていましたが、、、それに近い雰囲気の事が監査人のコメントにもありますが、恐らく、政府から資金援助を受け続けたとしても、遅かれ早かれ立ち行かなくなることが明確になってきていることが背景にありそうです。

尚、私の愛読するブログ"The Big Picture"のBarry Ritholtz氏は、自動車メーカーだけでなく、政府はファイナンス企業に対してもprepackaged bankruptcyで救済すべきだと強く主張しています。このprepackaged bankruptcyは、オバマ政権になってから、自動車メーカーに対して検討する様迫ってきているのですが、ファイナンス企業の救済に対してはこのオプションを示しておらず、Ritholtz氏を始め一部の業界人はなぜファイナンス企業に対しては、相変わらず甘い対応を取ろうとしているのだとの批判が出てきています。

個人的には、Prepackaged BankruptcyはGMが現時点で選択できる道として、非常に妥当な案だと思います。その可能性が出てきた事は、好ましいと思いますが、昨日の大幅な下落は、この話が起因しているところに皮肉さを感じざるをえません。