2009年3月28日土曜日

JPMorgan CEO オバマ大統領との銀行首脳ミーティング後のインタビュー

本日、オバマ大統領と銀行のトップがホワイトハウスで会合を行いました。ミーティング後に、CNBCが主要なCEOとのインタビューを行いました。特にJPMorgan Chase CEO Jamie Dimon氏のCNBCインタビューでの発言は他のメディアでも多く取り上げ、また、本日の株価への影響も与えた様です。

CNBCのサイトのインタビューのビデオのリンクとインタビューの内容の概要について以下に記します。













以下、Dimon氏のインタビューでの発言の概要です。

(大統領とのミーティングについて)

ミーティングは1時間以上かかり、大統領からいろいろな質問があった。大統領は様々な点について、皆の意見・考えに興味を持っていた。全員が合意すると言った様な事は何もなかったが、大統領と彼のチームと時間を共にしたのは素晴らしい事だと思う。

(TARP(返済)について)

TARPについて: TARPについては何度も話題になった。これについては、ある企業は必要で、ある企業はそうではない。しかし、部屋にいた全員は、自社ではなく米国のために正しい事をするべきであるとの立場で話し合われた。質問点としては、長期的な視点に立った場合、何か変更すべきなのか、より良い使い方があるのか、と言った事である。TARPの目的は国のために使われるべきであると考えていて、多くの批判はあるが、それはやめて、国のために正しく使おうと言うのが、ほとんどの人の共通の認識だった。

(JPMのTARP返済予定について)

TARPの返済については、自分達の希望はあるが、ガイトナー長官のガイダンスに従う。現在政府はストレステストを実施中で、ストレステストの結果を元にTARP返済について、話し合いを持ち、ガイトナー長官の考えに従うつもりである。いつかは返すことになるが、TARP返済のタイムテーブルは今の時点で持っていない。タイムテーブルとして重要なのは、長期的にどの様なことをするかである。

(業務用不動産についての損失の懸念が高まっていることについて)

我々は、業務用不動産に対して巨大な関わりはない。リセッションではあらゆる分野で支障をきたす。それぞれの分野において、適切に対処しなければ、状況は更に悪いものとなる。業務用不動産だけでなく、不動産、消費者クレジット、住宅ローン、業務用の工業等、全てにおいて共通である。

(エグゼクティブ・コンペンセーションについて)

エグゼクティブ・コンペンセーションは、多くの間違えが行われたことを認める。給与形態は、企業により様々である。我々の場合は、今年はもう全て決まっており、それを変更する予定はない。ボーナスに関しては、株式を中心にする方針である。

(3月のビジネスについて)

トレーディングは2月はうまくいっていたが、3月は少し厳しかった。3月の取引の受注はその前の2月と比べると良くなかった。

(新たな資金調達を行う可能性について)

予定はない。


インタビューの発言の概要は以上です。以下、私のコメントです。

このDimon氏のコメントの中での注目点としては、やはりTARP返済についてと3月のビジネスについてだと思います。TARP返済については、今週、Goldmanがストレステスト終了後の4月末に返済を計画しているとの報道がありました。さらに、Bank of America CEO Lewis氏も4月から返済を開始したい、と述べたこと等からJPMorgan ChaseのDimon氏の発言に注目が集まっていたと思います。

Dimon氏の答えは、ガイトナー長官のガイダンスに従う。と言う非常に優等生的なものでした。一歩間違うと、TARP返済ができる企業とそうでない企業に対して、市場の評価が2分する可能性もあると思うので、Dimon氏の発言は思慮深いものだと思います。オバマ政権からの要望を暗に理解した上と解釈できるかとも思います。

これで、焦点はTARP返済の可否と時期についてのCEOの見解ではなく、ストレステストの結果とその結果を元にした財務省の方針に市場の注目は移って行くのではと予想しています。

3月の収益動向については、明確な回答は避けたものの、1月2月と比べ3月は取引受注が厳しかったと語った事は非常に重要だと思います。JPMorganが厳しかったのであれば、他の銀行も同様な可能性は高いと思います。また、第1四半期の決算に対しても、それ程楽観視できる程の状況でない印象を(私は)受けました。

このDimon氏の発言で、本日のファイナンスセクターは下落したとの見方があるとの報道をいくつか目にしましたが、ある意味、必要以上に楽観的になって市場が大きく上昇すると、その反動も極端になるリスクが高いので、今日の下落は、現状を繁栄していて、ある意味好ましい動きだったのではと思います。

他のCEOの発言のインタビューもあるので、可能であれば後程取り上げようと思っています。

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