2009年4月19日日曜日

Citi売り上げ倍増(!?)の理由

昨日、Citigroupの第1四半期の決算のハイライトをエントリーしましたが、CFO Kelly氏がカンファレンスコールで、売り上げが2008年第1四半期と比べてほぼ倍増となったと語っています。Citiのプレスリリースでも"Key Items"の一番最初に売り上げについて以下の記述があります。(ここでは99%アップ)

- Total revenues of $24.8 billion were up 99% compared to the first quarter of 2008, with sequential improvement across all regions.

”売り上げがほぼ倍増”と聞くと、何かもの凄く状況が改善している様に思えなくもありません。この大きな売り上げの差(伸び)はCitiの売り上げを評価損の計上後で比較している事が大きな要因です。この事について説明したスライドが以下のものです。


08年第1四半期に評価損の差し引き計上分で131億ドル($13.1B)あります。この評価差し引き分を除いた場合の売り上げとしては、08年第1四半期は255億ドル、09年第1四半期は269億ドルです。約5.5%の増加です。(添付スライドのRevenue ex-marksの部分参照)この売り上げの比較のスライドを見て気がついた点としては、今回の2009年の第1四半期の評価損の差し引き分が非常に少なくなっている事です。恐らくMark to marketのアカウンティングの変更による(評価損の計上を押さえられる)恩恵がこの部分でも多少なりとも表れています。(この恩恵の具体的な数字を見たのですが、このエントリーを書いている時点ですぐにでてこないので、取りあえず具体的な金額は差し控えます。)

今回の決算では、企業向けの投資銀行業務(Institutional client groupのinvestment banking)が前年同期赤字から、今回は28.3億ドルの黒字で非常に好調だった様です。一方で、消費者クレジットの損失は大幅に増え、今後も損失は増加する事はほぼ確実です。また、業務用不動産(Commercial Real Estate)の損失も今後増加する事は免れないと思います。アカウンティングの変更により保有資産の評価損の計上額は(帳簿上)押さえられますが、市場価格が今後継続して下がって行けば、潜在的な損失は増加します。依然として、Citiの今後についてはかなり厳しい状況である事は変わりがないと思います。

何となく”売り上げ倍増”だったとエントリーに書いておいて、補足がないのは十分ではないかと思い追加でエントリーしました。


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