IBMとSunの買収の交渉は最終段階にある、と本日のWSJが報道しています。 WSJによると、両社は買収価格についてIBMが一株あたり$9.55で支払う事で話し合いを行っているとのことです。この価格は、Sunがその前に期待していた価格から一株当たり1ドル低くなっているとの事です。この価格の場合、総額は約70億ドルとなります。
買収価格の引き下げの条件として、SunはIBMが所轄省庁等からの反対が起きたとしても、IBMが計画を推し進めることを確約する事を要求しているとのことです。
(コメント:独禁法に抵触する等、SEC側からクレーム・注意等が喚起される事は十分あり得ます。最近の例としては、YahooがMicrosoftからの買収提案を拒否、その後、Microsoftが提案を破棄した後で、Googleとの提携を進めようとしましたが、SECからクレームが入り、結局、両社は提携を断念しました。尚、クレームがあっても、強く推し進めて案件を実現したケースも過去にいろいろあります。両社(特にGoogle)はクレームが入った時点で、あっさりあきらめました。)
両社の買収案件についての合意が近く発表されるかもしれないと、情報筋は語っている、その一方で、話し合いが決裂に終わる可能性もあるとの事です。
参考記事:
IBM Near Deal to Buy Sun for Lower Price
The Wall Street Journal, B3, April 3, 2009
コメント:
この買収案が決裂する事は、IBMとしてはかまわないかもしれませんが、Sunにとってはとても受け入れられないと思います。約2週間前に、買収交渉が行われているとの報道があってから、Sunの株価は2倍近く上昇しています。話が流れたら、暴落することは免れません。また、Sunは今年は赤字となる見込み、シェアも下落に歯止めが経たない状況で、単独で今後存在できる可能性は低い状況です。
Sunは4月28日に四半期の決算発表予定ですが、恐らく内容はかなり悪いと予想されます。アナリストの予想平均は、一株あたり13セントの赤字です。私はこのアナリスト予想の数字よりも悪いと予想しています。正直、ここでIBMが一旦引いたとすると、Sunの株価は暴落、更に、悪い決算を発表することになった場合、非常に苦しい状況になります。
WSJの記事を読んで、恐らく、IBM側としては、SECの判断・見方が否定的な場合、買収を見送る様な姿勢を見せているのでは、と想像しています。Sunとしては、どんなことをしてもこの件を進めたいはずで、IBMからSECの反応がどうであっても、買収を強く進める確約が絶対に欲しく、価格に関しては柔軟な姿勢なのだと思います。IBMが圧倒的に有利な立場なので、全てIBM次第なのでは、と思います。多分、IBMがSunの条件を受け入れる代わりに、価格は譲歩する形で収まりそう、つまり、買収の合意の発表は近いうちに(多分、Sunの決算発表より前に)されるのでは、と思います。
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