2009年3月18日水曜日

3月17日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,395.70 +178.73 (+2.48%)
Nasdaq: 1,462.11 +58.09 (+4.14%)
S&P500: 778.12 +24.23 (+3.21%)

本日は、発表された住宅建設着工の件数が予想とは異なり上昇となった事、それにより、ホーム・デポや他の小売り企業の株価を引き上げ、また、GoldmanがCiscoの株を買い推奨とした事等から、市場は大きく上昇して終了しました。特にNasdaqに関しては、4%を超える大幅な上昇となっています。

<本日の主なニュース>

今日の一番のニュースは、やはり住宅建設着工件数のニュースだと思います。関連記事の内容をここで簡単に紹介します。

2月の米国の住宅建設着工と承認の件数は、過去最低の状況から、10ケ月ぶりに上昇となった。

アナリストは、住宅市場の低迷のトレンドについては変わりはない、としたものの、市場が落ち着きつつあり、景気の先行きに対してのプレッシャーを軽減したとしている。

商務省は、住宅着工件数は、1月の年換算のペースで47万7千件から、58万3千件、22.2%の上昇となった、と発表した。これは、1990年1月からで最大の上昇幅で、昨年4月からで初めての上昇となった。

U.S. housing offers hope for economy


<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)ほとんどの主要企業の株は5%を超える大幅(?)な上昇となりました。その中で、Bank of Americaは1.46%の上昇に留まりました。

(小売り)こちらも、ほとんどの主要企業は5%を超える大幅な上昇で順調でした。

(住宅関連)順調に大きく上昇しました。

(テクノロジー)  主要企業は5%前後順調に上昇したところが多かったです。

<まとめ・コメント>

今日は、発表された住宅着工件数が予想に反し、大幅な上昇になったことが、景気の先行きの見通しや市場心理に大きく貢献した様です。先週の大幅な上昇に続き、本日も株式市場は非常に順調でした。また、主要インデックスで見た場合、Nasdaq が非常に好調でした。これは、今年の初め頃に、「景気の回復が始まった場合、テクノロジー株は市場をリードし、大きく上昇するだろう」との見方から、テクノロジー株が買われた動きと傾向が似ています。後は、恐らく、下落リスクに対して、相対的には低いことが買われる理由なのではないかと思います。例えば、ファイナンスや一部の株に関しては、ここ10日間程度で非常に大きく上昇しており、市場心理に影響するネガティブなニュース等があった場合に、調整的な反動で大きく売られるリスクが高いと思われ、相対的にそう言った反動下落に対するリスクを考慮すると、テクノロジー株は上昇の可能性、下落のリスクのバランスの点で買いやすい気がします。

この一つ前のエントリーに取り上げている政府は自動車メーカーの破綻を回避する事を望むとのWSJの報道も、市場センチメントの向上に大きく貢献したのではと思います。数週間前にGMの破綻観測が高まった時に市場が大きく下落したのは記憶に新しいところですが、今回はその逆の様な気がします。

市場はここ10日位の間に大きく上昇しています。市場心理に関しても、数週間前とは大きく異なります。本当におもしろいものです。先週末のエントリーに書きましたが、ここ数週間でのメインのイベントとしては、オバマ政権がファイナンス企業に対する会計基準の変更(’Mark to market policy ‘に関連するもの)、空売りを抑制するuptick rule導入の観測、等です。これらに加え、自動車メーカーに対する今後の見込みと方針の発表等、市場に対しても大きな影響を与えるイベントを控えています。

これらのオバマ政権の発表前にここまで上がってくるとは、ちょっとびっくりしています。この市場上昇の勢いが中期的にも続くかどうかは、4月中旬から本格化する主要企業の第1四半期の決算動向と今後の見通しについてだと思います。この結果によって、どちらの方向にも大きく動く可能性があると思います。ここにきて楽観的な見方が再び強くなってきている気がするので、これ以上短期的に上昇した場合は、第1四半期の企業決算でさらに予想外に良い結果が多くないと、反動のリスクが少なからずあるのではと思います。


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