2009年3月27日金曜日

3月26日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7924.56 +174.75 (+2.25%)
Nasdaq: 1587.00 +58.05 (+3.80%)
S&P500: 832.85 +18,97 (+2.33%)

本日は、発表された第4四半期のGDPと週の失業申請件数がほぼ予想通りであった事(あるいは予想よりも良かった/悪くなかったこと)が市場に安心感を与えた様です。家電小売り最大手のBest Buyが予想を上回る四半期の収益を発表、年間の見通しも強気の見通しを示した事が、非常に大きなインパクトを与えた様に思います。Best Buyの発表は、景気の先行き、特に消費者の動向が予想以上に堅調である、と解釈された様です。

Wall St. surges on economy, Best Buy optimism

<本日の主なニュース>

昨年第4四半期のGDPの最終値は、6.3%の下落となりました。これは、1982年の第1四半期以降で最も大幅な下げ幅となりました。以下に添付の関連記事の中でも、市場関係者(Moody’s)の見方として、最悪期は既に過ぎた、とのコメントを引用しています。ある意味、今日の上昇、市場の見方を端的に物語っている気がします。
関連記事:U.S. economy shrinks, profits plunge in Q4

GMが工場労働者の約12%に当たる7500人の従業員がパッケージを受け取り離職することを発表しました。(7500人の人員削減の発表)
関連記事:GM says 12 percent of UAW workers take buyouts

オバマ大統領が、自動車メーカー救済タスクフォース・チームが数日以内に次の救済策について発表を行うと語りました。GMとChryslerが求めている追加の救済融資を政府が行うだろう、と予想されています。
関連記事:Obama says to help U.S. automakers

関連記事:Obama says U.S. automakers to get "some" aid

Best Buyが決算上2月末締めの第4四半期の決算を発表しました。収益は5700万ドル、EPS$1.35でした。昨年の同期と比べた場合、23%の減益でした。リストラクチャリングと一時的な損失の計上を除いた場合、EPSは$1.61で、アナリストの予想の$1.40を上回りました。

2009年の収益予想は、一株あたり$2.50から$2.90と見ており、アナリスト予想平均の$2.45を上回っています。
関連記事:Best Buy shares jump on Q4 results

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)下落しているところが多いです。Citi 4.75%, WFC 2.86%, BAC 1.56%, GS 0.85%, MS 1.00%下落しています。一方で、JPMは1.89%の上昇でした。

(小売り)Best Buyが12.58%の大幅な上昇、Targetも5.12%と大きく上昇しました。他の主要な小売りの企業の株価も今日は順調に上昇しています。

(住宅関連)大きく上昇しています。

(テクノロジー)  順調に上昇しています。主なところで上昇が目立ったのは、Intel 5.89%, Sun 4.46%, Motorola 8.33%, Ti 5.66%, Sprint 5.68%, Clearwire 13.18%上昇でした。通信系が好調なのが印象的です。尚、Nokiaは下落となっています。一方、Yahooは下落しているのですが、これは、Thomas WeiselのアナリストChrista QuariesがYahoo CEOのCarol Bartzと話した際、会社は、Microsoftと何かするのではなく、独自の道で製品(サーチを意味すると思います)を向上させて行く方に興味があると語った事が、短期的な株価の先行きの失望を買った様です。

<まとめ・コメント>

今日もかなり順調に上昇となりました。最近の市場の上昇の主な要因としては、以下の4点だと思います。

- 予想程悪くない、第1四半期の米国国内消費
- 低迷している住宅市場が底を打ったと思われるデータ発表
- 銀行国有化の懸念の後退
- 米自動車メーカーの破綻を回避しようとする政府の動き

特に数週間前に市場の下落を招いた際の要因の銀行国有化と米自動車メーカー破綻の二つの懸念材料が回避されそうな方向にあり、不安要因を払拭、更には、一部経済指標で1月から2月にかけて改善が見られる様な数値、そして、米国経済の大きな原動力である消費者支出が思いの外底堅い様に見受けられる事から、既に景気は最悪期を脱した、との見方から積極的に株を買う動きが再発してきている様です。

これらに加え、今週の月曜日に発表された銀行救済策に対する期待ももちろんあるかと思います。

ただ、何となく、この市場の展開・動きは昨年の末から1月にかけての株式市場の戻しと似た傾向がある様に思います。

今日もNasdaq が非常に好調でした。以前も書きましたが、これは、今年の初め頃に、「景気の回復が始まった場合、テクノロジー株は市場をリードし、大きく上昇するだろう」との見方から、テクノロジー株が買われた動きと傾向が似ています。後は、恐らく、上昇のアップサイドの期待と下落リスクに対して、他のセクターと比較した場合、相対的には低いことが買われる理由なのではないかと思います。

市場全体が順調に上昇する中、ファイナンスセクターの多くの企業は下落となりました。市場のセンチメントはかなり良くなってきている様ですが、ファイナンス・セクターに対してはまだ多少なりとも懸念があることを示しています。短期的にはまだ上昇する可能性もあると思いますが、中長期的な視点でのマーケットのトレンドを予想した場合、私は、クレジットの問題等が解決して、ファイナンスセクターが大きく上昇しない限り、市場全体が継続して上昇トレンドを維持する事はできないと思います。

後数週間で、多くの企業が第1四半期の決算を発表します。個人的には、企業の第1四半期の決算動向と今後の見通しが短中期の市場の方向性を決める上で非常に重要だと考え、注目しています。

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