<主要インデックスの終値>
DOW: 6,626.94 +32.50 (+0.49%)
Nasdaq: 1,293.85 -5.74 (-0.44%)
S&P500: 683.38 +0.83 (+0.12%)
本日は市場開始後は上昇して始まったものの、その後下落に転じ午後にかけて全てのインデックスは前日比でマイナスとなっていましたが、引けにかけて回復し、最終的にDOWは上昇、S&Pはほぼ変わらず、Nasdaqは下落で終了しました。
<本日の主なニュース>
政府が発表した米国の2月の失業率は過去25年で最も高い8.1%となりました。リセッションが始まった2007年の12月から、440万人の人が職を失い、その内の半分以上は過去4ヶ月の間のことだとのことです。1月の7.6%から一ケ月で0.5%の上昇で、単月の上昇幅としては、1980年4月からで最も大きな上昇幅でした。
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Wells Fargoが四半期の配当を34セントから5セントに引下げることを発表しました。その席上、CFOが1月と2月のビジネスは順調に行っていると語りました。
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WSJが一面で関係者の話としてGMがバンクラプシーに対して柔軟な態度に変わったと報道した事から、GMの株は本日22%を超える大幅な下落となりました。この報道に対して、GMは法廷外でのリストラクチャリング(バンクラプシーではなく)を希望するとの声明を発表しましたが、株価の下落に歯止めをかけることはできませんでした。
WSJの報道の件に関しては、一つ前のエントリーで詳しく取り上げておりますので、そちらをご覧になって下さい。
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JP MorganのアナリストがAppleのMacとiPhoneの売り上げが予想を下回る見込みとして、レーティングを引下げた事が報道され、それにより一時は5%を上回る下落となりました。最終的には、昨日終値に比べ3.98%の下落で終了しています。
Apple Shares Tumble After Analyst's Note
<主なセクター・株の動き>
(ファイナンス)Goldman Sachsが7.43%下落、Morgan Stanley4.45%, JP Morgan Chase4.04%の下落しました。連日大幅な下落をしていたWells Fargoは本日6.3%上昇、Citiは0.98%の上昇となりました。
(住宅) ほとんどが下落していますが、下げ幅はそれ程大きくない(1%前後)ところが多いです。KB Homeは上昇しています。
(小売り)主要なところは下落しています。一方で、日用品、食料品の製造大手は上昇しているところが目につきました。
(テクノロジー) 下落しているところが多い中、Marvell, Broadcomが堅調、Yahooも4.15%の上昇で堅調でした。また、Googleも上昇、Microsoftは微増で、ソフト関連は堅調でした。
<まとめ・コメント>
今週注目を集めているGMの倒産の可能性は、今日のWSJの報道により市場関係者の見方としては更に高まったと思います。GM自体は、この報道に対して否定的な声明を出しましたが、本日の株価の下落を見ると投資家の反応は明らかだと思います。ただ、市場全体に対しては今日は影響はあまりなかったと解釈できるかと思います。
政府が発表した失業率は、予想通りかなり悪く、過去25年で最悪の高水準となっており、また、この先も失業率は上がるだろうと予想が支配的です。ただ、これらの悪いニュース、今後の見込みに関しては、少なからず既に株価に折り込まれていたため、発表後も市場は上昇して始まりました。しかし、買いが一巡後は一転して売りが進み、一旦は過去12年でのインデックスの最低価格を更新する様な展開となりました。
Wells FargoのCFOが、1月と2月のビジネスは順調だと発言して、一旦は株価は10%を超える上昇となり、また、ファイナンシャルのセクター全体も上昇となったのですが、こちらも勢いは続きませんでした。今週、セクターが下がる中、堅調な動きをしていたGoldman Sachsは、今日は下落となりました。AIGの政府救済で利益を得ていたところはどこかといった点が上院の公聴会で指摘されています。ご参考までにNew York Timesの記事を添付します。この件、結構注目だと思います。
Senators Ask Who Got Money From A.I.G.
政府による救済によるAIGのCDS損失補填で利益を得ているのはGoldmanとの噂があり、それが多少なりとも今日の株価の下落の要因であった可能性もあるかと思います。尚、これは、私の推測です。
今日の株価の動きを見ても、市場がかなり悲観的なセンチメントが支配的なことが顕著に表れていると思います。ここ数週間発表されているニュースを見ると、今後景気は更に悪化して行く事を明確に示しており、どうしても悲観的な見方が強まってしまう状況だと思います。個人的には、昨日、一昨日GMのバンクラプシーに関わる話が思いの外、市場全体に与えたのが印象的でした。これは、やはり投資家・市場の心理に対するインパクトがかなり大きいことを示していると思います。
ただ、もし仮にGMがChapter11を申請したとして、その時は、市場は更に影響を受ける可能性もありますが、AIGの様に何ケ月も引きずって、さらに先の状況が見えない様な展開とは異なり、一区切りはつけてその後に対しては市場へのインパクトを与えない事を考えると、政府が関与した形でのprepackagedのbankruptcyは選択肢としては適切な気がします。
ちょっと細かい話ですが、昨日Marvellが四半期の決算を発表した際、第1四半期のフォーキャストに関しては市場の予想以上に良かったため、株価は本日7%を上回る上昇となりました。 Broadcomも順調に上昇したのですが、多分、Marvellのビジネスが堅調であるのであれば、Broadcomも良いのだろうとの見込みから買われたのでは、と想像しています。
一部の報道では、Marvellのフォーキャストにより、半導体メーカーの第1四半期のビジネスは思いの外良いのでは、との見方が取り上げられていました。この見方は少し短絡的、飛躍しすぎの気はしますが、第4四半期にパソコンメーカー等が過剰なまでに在庫調整を行ったとの情報があり、もしもこの情報が事実であればハイテク系、特に半導体メーカーのビジネスは予想よりも良くなる可能性はあります。ただし、これは四半期のレベルの話であって、重要なのは数四半期にかけての市場トレンドだと思います。
来週の月曜日に、TIがミッド・クウォーターでのガイダンスのカンファレンスコールを行うので、個人的にはかなり注目しています。TIは携帯電話のメインの半導体を製造、供給している主要メーカーなので、その事業見込みがどうかで、携帯電話の事業、関連の部品メーカーといった業界、セクターの動向の参考になります。個人的には予想以上に厳しい・悪い結果を明らかにすると、思っていますが、どうなるのか、注目しています。
市場全体の動向について話を戻すと、昨日、一昨日にも書いていますが、ファイナンシャル・セクターが回復基調にならない限り市場が上昇トレンドに転換する事はないと思います。今の時点でファイナンシャル・セクターが抱えている様々な問題を考慮すると、残念ながら、セクターが回復基調になることはしばらくない様に思います。
しかし、バフェットさんが株主総会のレターの冒頭のセクションで述べていた様に、景気がさらに悪化したとしても、必ずしも株式市場も下落すると決まった訳ではないので、市場の動向、トレンドの変化等に引き続き着目していこうと思います。
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