2009年3月19日木曜日

3月18日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7487.37 +91.67 (+1.24%)
Nasdaq: 1491.22 +29.11 (+1.99%)
S&P500: 794.40 +16.28 (+2.09%)

本日は、前日終値より低く始まり、午後2時頃までその水準を維持していましたが、Fedが長期のTreasury Bondsを購入すると声明を発表し、それを市場は好感し、上昇に転じて今日も上昇で終了しました。FedがTreasury Bondを購入するのは、過去40年で初めての事とのことです。このニュースで、銀行株、ホームビルダー株は大幅な上昇となりました。

Wall St. jumps as Fed spurs optimism

<本日の主なニュース>

今日の一番のニュースは、上にも書きましたが、Fedが40年以上ぶりにTreasury Bondsを購入すると発表した事だと思います。 Fedのプレスリリースのリンクを添付します。

Fed プレスリリース


発表の概要は、住宅ローン担保の証券を追加で最大7500億ドル購入する。これにより今年の購入総額は1兆2500億ドルに達することになる。さらに、プライベート・クレジット市場の状況を改善するため、長期のTreasury bondsをこの先6ケ月の間に最大で3000億ドル購入することを決めた。その他、クレジットの貸し出しを促進するため、Term Asset-Backed Securities Loan Facilityを一般家庭と小規模事業者に対しても対象を広げ、また担保の種類に関しても範囲を広げる。

この発表によって、30年の返済期限の住宅ローンの金利は、過去最低を記録することになりました。史上最低の金利により、住宅市場が改善される事の期待が高まっている様です。

IBMがSun Microsystemsを買収する話し合いをしていると、WSJが本日報道し、Sun Microの株は本日78.87%と8割近い大幅な上昇となりました。
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市場終了後にOracleが四半期の決算を発表しました。結果は、アナリストが予想していた程、ソフトウェアの売り上げの下落が大きくありませんでした。(予想12%減に対して、実際は6%減)全体の売り上げとしては、2%の上昇で55億ドルでアナリスト予想の54億ドルを上回りました。EPSはスペシャルアイテム(一時的な特別損失・利益)を除いて、EPS35セントでした。また、初めて配当を行うことを発表しています。尚、ソフトウェアの売り上げフォ=キャストに関しては、為替の影響等もあり、昨年同期に比べ17%から27%の下落となる見込みであるとしています。尚、為替による影響として12%減を予想しています。

関連記事:Oracle results beat forecasts, plans dividend

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)BAC 22.33%, C 22.71%, WFC 17.46%と大幅に上昇しています。尚、E*Tradeは、40.66%の上昇でした。

(小売り)今日も全般的には非常に順調でした。その中で、WalMartは0.88%とそれ程上がらなかった事、Kraftが4.38%の下落, JNJは0.12%の微減で目につきました。

(住宅関連)順調に大きく上昇しました。

(テクノロジー)  なんと言ってもSunの8割近い上昇が目立ちます。それ以外ではRIMM, Google, HP, IBM等の大手が軒並み少し下がった事、Yahooは4.07%の下落だったのが目を引きました。尚、Chapter 11を既に発表しているCharter Communicationsが119.59%, Spansionが42.86%と大幅に上昇しているのも目につきました。

<まとめ・コメント>

今日は、下落していましたが、Fedの発表はかなりインパクトがあった様で、市場を一気にさらなる“いけいけ”ムードに引き上げた様です。ここ10日程で大幅な上昇をしている銀行株は今日も大幅な上昇となりました。特にCitiとBofAに関しては、20%を超える上昇で、勢いは留まるところをしりません。Citiに関しては、とうとう3ドルを超えてしまいました。2週間程度前に1ドルを切っていた事が嘘のようです。このことは、10日程度で株価が3倍になってしまう、とても普通の状況では考えられない市場の状況を表していると思います。

Fedが40年以上ぶりにTreasury Bondを購入する事を決定したのは、景気・市場の状況が尋常ではない事を示していると思うのですが、その様な側面の見方に関しては、メディアが取り上げているのをまだ見ていません。何となくですが、ここ最近のメディアの報道に関しては、意図的なものを感じます。私の単なる妄想だと思って、聞き流して下さい。尚、Fedのプレスリリースの冒頭のパラグラフを読むと、Fedが市場の状況が厳しく、予断をゆるさないと考えている事が良く伝わります。

今日の市場終了後のOracleの発表はかなり重要だと思います。予想よりも悪くない売り上げ、厳しい状況の中でも利益を出し続けている事、初めて配当を開始する事、これらの事は、ここにきてハイテク株を買う動きを更に後押しする可能性があります。昨日も書きましたが、相対的なリスクとリワードを考えると、“テクノロジー株は買い“と考えるプロは多いと思います。更に、今日のIBMのSun買収の可能性の報道等、今後、さらに業界再編的な買収案件が出てくる事が予想され、それも、買いを誘うこととなると思います。

危うさを感じずにはいられないのですが、雰囲気的には4月の中頃までは、この上昇トレンドが続く可能性もでてきました。どうなるのか、ある程度一歩引いて見て行きたいと思います。

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