2009年3月12日木曜日

Citiの収益予想について

昨日のCiti CEO Pandit氏の社員向けメモから端を発したCiti黒字報道は、Citiの株価を大きく引き上げ、市場全体にも非常に大きな影響を与えました。

個人的に気になったのは、Pandit氏の言う1月2月は黒字(Profitable)の意味は、通常の業務(Operation) での話で、一時的な損失計上等を含まない場合のことを意味している可能性があるのでは、と思いました。今日のWSJにVikram Pandit’s Citi of Dreamと言うタイトルの記事があり、その中でその件についてCitiのスポークス•ウーマンのコメントが引用されていました。それによると、Pandit氏が述べたProfitは、net income(純利益)とのことでした。(私が思ったGrossではなく、Netでしかも、GAAP!)

以下、当該記事から該当部分を引用します。

A Citi spokeswoman said Mr. Pandit’s measure of profits was net income, according to generally accepted accounting principles.

つまり、損失計上や四半期内のクレジットロス等を含んだ全ての経費を差し引いた後で利益が出ている、ことを意味します。WSJの記事でも、その後に、通常実際にかかった経費は四半期が終了しないと分からないので、注意が必要だ、と書いてあります。

参考記事:Vikram Pandit’s Citi of Dream
Wall Street Journal, March 11, 2009, C14

現時点で最新のアナリストのCitiの収益予想を調べてみました。11人のアナリストが予想をしており、今四半期の予想平均はEPSで32セントの赤字です。最も楽観的な予想でも12セントの赤字です。誰も黒字の予想はしていません。また、次の四半期に関しても同様に全てのアナリストの予想は赤字です。ちなみに、別のソースを調べてみましたが、アナリストの予想は、今年の第4四半期まで全て赤字です。つまり、現時点で公開されているアナリストの予想では、四半期が黒字になるのは、2009年中はないことになっています。

もしも、仮にCitiが今四半期黒字になったとしたら、これは本当にビッグサプライズで市場に大きなインパクトを与えると思います。もちろん、Citiの株に対しても同様です。あるいは、仮に今四半期はまだ赤字となったとしても、来四半期から黒字に転換する様なシナリオだったしても、かなりインパクトがあると思います。

尚、一般的に考えて、Citi以外の銀行のパフォーマンスはCitiよりもはるかに良くなる可能性が高いと思います。他の主要なファイナンス企業が軒並み黒字転換、しかも好調となる可能性がでてきます。

個人的にはこの様なシナリオは楽観的すぎる気がします。個人的な意見としては、今後追加の損失計上が続き、通常の業務では黒字転換となっても、純利益では当面は赤字の状態が続くと思います。もしも、私の見方が間違っていてCitiが黒字転換となる様なシナリオであった場合、市場のトレンドが完全に転換する可能性も高いと思います。

Citiの第1四半期の決算発表は、4月17日に予定されています。まだ、後1ケ月ちょっとありますが、かなり注目だと思います。その時点では、他の企業決算も既に多くされていると思うので、市場全体に対しての影響は今回程ではないとは、思っています。

p.s. 今日はこれから外出し、夜遅くにならないと帰ってこないので、本日はこのエントリーのみとなる予定です。よろしくお願いします。

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