2009年3月26日木曜日

3月25日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 7749.81 +89.84 (+1.17%)
Nasdaq: 1528.95 +12.43 (+0.82%)
S&P500: 813.88 +7.63 (+0.95%)

本日は、朝発表された経済指標が、予想以上に良かった事、また、1月に比べて2月の数値が良くなっている事が、景気の回復基調を示すものと好意的に解釈された様で、午前中、各インデックスは昨日の下落分をさらに上回る2%以上の上昇となっていましたが、午後から下落に転じ、一旦は逆に2%近い下落となったものの、そこから終了に向けて急速に回復し、上昇して終了しています。
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<本日の主なニュース>

商務省が発表した、2月の耐久財の注文は、1656億ドルで前月に比べ3.4%上昇しました。上昇となったのは、7ケ月ぶりで、2007年12月以来で最も上昇したこととなります。ただし、前月の数字は4.5%の下落から7.3%の下落に修正されています。
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新築住宅の販売は、年換算の販売ベースで33万7千戸となり、前月から比べ4.7%上昇しました。尚、前月1月は32万2千戸でそれは1963年からで最低のペースでした。
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Bank of America CEO Ken Lewis氏が、TARPの返済を、政府のストレステスト終了後の来月から始めたいと語ったとの事です。TARPの返済に関しては、昨日、Goldman Sachsが4月に返済を計画しているとの報道がありましたが、今回のLewis氏の発言はそれを追随する様なものです。何となく、この前のファイナンス企業トップの1月2月黒字発言と似た様な展開になってきました。
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<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)午前中は大幅に上昇しているところが多かったのですが、そこから大きく下落し、再び上昇する等変動が激しかったです。JPM 8.18%, BAC 6.65%, WFC 5.94%, GS 2.12%, MS 3.14%上昇しています。Citiは1.99%の下落でした。

(小売り)上昇しているところが多いです。

(住宅関連)午前中は大幅に上昇していましたが、最終的には数パーセントの上昇のところが多いです。CentexとLennarは日中は15%を超える大幅な上昇でしたが、最終的には若干下落しています。

(テクノロジー)  上昇しているところも多いですが、主要企業で下落しているところも多く目につきました。但し、下げ幅は大きくはありません。(1%未満が多い) 該当するのが、Intel, IBM, Apple, Google, Microsoft, Yahooです。Dellは2%少しの下落でした。

<まとめ・コメント>

本日発表された指標は、予想よりも良かったとの事ですが、数字自体は文句なしに良い、と言ったデータではなく、むしろ逆に警戒すべきだと個人的には思います。それでも、確かに予想よりは良かったので、上昇するのは分かりますが、市場の動向関連の記事で、景気は底を打ったことを裏付けるものだ、との業界関係者のコメントを多く目にしました。良くこれらのデータでそう思えるな、と半分あきれながらも感心していました。

今日の発表された二つの主な指標の内、耐久財の注文に関しては、上昇となりましたが、比較している前月の数字を以前に発表した数値から引き下げら修正値が元になっています。実際のところ、今回発表された2月の数値自体も後で修正になる可能性があります。修正に関しては、当然の事ながら上昇と下落とどちらの可能性もありますが、ここ最近の修正は下落がほとんどです。また、ちょっとトリッキーなのですが、今回の様に予想よりも良かったと発表しておいて、後で実は修正され、実際には予想よりも悪かったケースも過去にあります。ですから、この程度のニュースで大きく上がるのにはちょっと危うさを感じていました。

もう一つの住宅の販売数値に関しても、前月に比べて上昇ですが、比べている前月はデータを取り出した1963年からで最低の数字で、今回の数字も上昇ですが、2番目に悪い数字です。また、住宅の販売は1月よりも2月の方が良いのは通例です。前年の同月と比較した場合は、41.1%の大幅な下落となっており、この数字を見て良い結果だったと思えるのは、本当に楽観的だと思います。実は日中にホームビルダー株が軒並み10%を超える大幅上昇だったので、ショートをかけようとしたのですが、タイミングを逃してしまいました。

明日は、第4四半期のGDPの最終値が発表される予定です。既に発表されている数値は、6.2%の下落で、6.6%に下方修正されると予想されていますが、実際どうなのか注目しています。

経済指標のデータは後で修正になる場合があるので、注意が必要と書きましたが、GDPに関しても同じで、以前にも暫定値の発表の際、予想よりも良く市場はその時上昇しましたが、後で、最終値は大きく下方修正された場合がありました。個人的には、中長期的なトレンドがどうなっているのかを見極めることが重要だと思っています。

Bank of America のLewis氏が来月からTARPの返済をしたいと語ったとの報道は、ちょっと興味を持っています。上にも書きましたが、この前のファイナンス大手トップの一連の黒字見込み発言に続いて、TARP返済についてに市場の注目が集まりそうです。特に、JPMorganに関しては、恐らく返済する事ができると思われ、Dimon氏にも同様の質問が行くと思います。Wells Fargoについても、同様に注目が集まると思います。個人的には、BofAができるのであれば、Wellsは楽勝でできると思っていますが、実際、BofAができるのか懐疑的です。

また、オバマ大統領が今週金曜日に銀行トップと会う予定なので、その時にも、TARP返済についても話題の一つになるかもしれません。

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