2009年4月14日火曜日
4月13日の米国市場
<主要インデックスの終値>
DOW: 8,057.81 -25.57 (-0.32%)
Nasdaq: 1,653.31 +0.77 (+0.05%)
S&P500: 858.73 +2.17 (+0.25%)
5週連続での上昇から明けた週の初日の本日は、下落して始まりましたが、昼過ぎから上昇トレンドに転じて、DOWは若干の下落、NasdaqとS&Pは若干の上昇で終了しました。特にCitigroupとBank of Americaの株は、決算が良いのではとの期待から大幅な上昇となりました。Wells Fargo以外のファイナンス企業の株も順調で、S&Pの上昇に貢献しました。
Stocks rein in losses ahead of flurry of earnings
Citigroup, B of A rise on earnings hope
<本日の主なニュース>
12日の日曜日にNew York Timesの財務省がGMに対してバンクラプシーのファイリング(破産法申請)の準備をする様に指示を出した、との報道が他のメディアでも大きく取り上げられました。この報道を受けてGMの株価は16.18%の大幅な下落となりました。
‘Surgical’ Bankruptcy Possible for G.M.
Boeingが生産計画の削減を発表しました。出荷の減少により収益も影響を受けるとの見方から、本日株価は、5.11%下落しています。
Boeing shares drop as cuts seen hitting earnings
市場終了後にGoldman Sachsが第1四半期の決算を発表しました。収益は、16億6000万ドルの黒字で、EPS$3.39でした。Goldmanは決算発表と同時に新株を発行し50億ドルを調達する予定を併せて発表しました。この調達した資金は、TARPの返済に充てる事を意図しています。
Goldman posts $1.7 billion profit, plans $5 billion offer
アパレル・メーカーのTalbotsが四半期の決算を発表、こちらは予想よりも悪い赤字決算で、発表後のアフターアワーズで12%を超える下落となっています。ただし、本日Talbotsは16.88%の大幅な上昇でした。
UPDATE 1-Talbots' Q4 loss worse than expected, shares fall
<主なセクター・株の動き>
(ファイナンス)C 25%, BAC 15.39%の大幅な上昇でした。MS 6.07%, GS 4.68%, JPM 2.90%, WFC 0.31%の上昇です。
(小売り)WMT 1.72%, TGT 0.83%上昇しています。ただし、下落しているところも多く目にしました。
(住宅関連)Toll Brothersが2.02%下落している以外は、ほとんど上昇しています。
(テクノロジー) 下落しているところが多い様に思います。Yahooは7.05%の上昇、Googleも1.51%上昇しています。
<まとめ・コメント>
今日の市場の動きでの大きな着目点としては、GMのバンクラプシーの可能性が更に高まってきている中で、市場は堅調だった事です。今までのパターンだとGMの破綻の可能性が高まるたびに市場はそれなりに大きく下落していたのですが、本日はGMは16%を上回る大幅な下落となったものの市場全体への影響はほとんど感じられませんでした。今日のパターンの方が自然な動きとも言えますが、市場のセンチメントが大きく向上しており、GMバンクラプシー申請の可能性が高まっても投資家が動じなくなってきていることを示していると思います。
先週金曜日のWells Fargoの大幅黒字の見込みの発表から、CitiとBank of Americaも好決算を発表するのではとの期待から両社の株価は大幅な上昇となっています。WFCが好決算だからと言って、CitiとBofAも好決算になると決まった訳ではありませんが、予想以上に良いのではとの期待からの上昇に、空売り解消の踏み上げが加わっているための大幅な上昇となっている様に思えます。
市場終了後にGoldmanが好決算を発表しましたが、これは予想の範囲だったと思います。決算発表と同時にTARP返済の資金調達のための新株発行も発表しました。この資金調達の話は先週から報道されていました。決算が良くなければ、新株発行による資金調達も難しいので、今回の決算が良いことを暗示していたとの思います。決算発表後のGoldmanのアフターアワーズでの株価は若干下落していますが、これは決算内容がほぼ予想通り(アナリストの収益予想を今回は大幅に上回るという予想)だったことを示していると思います。
明日は、大手ではJohnson&Johnsonと市場終了後にIntelが決算を発表します。個人的には、特にIntelの決算発表に注目しています。自分としては、結果はアナリストの予想よりも良くなるだろうと思っていますが、ここ最近株価はかなり上昇しているので、アナリストの予想を上回ったとしても、下落の可能性もあります。一方で、予想以上に良い結果や今後の収益見込みが良かった場合、今の市場センチメントから更に大幅に上昇する可能性もあります。
全般的には、第1四半期決算発表ピークを前に、市場は大きく上昇してきました。明日以降が本番なので、今日は様子見の様な感じでした。市場センチメントがかなり良くなってきているので、予想以上に悪い決算発表が続かなければ、それなりに上がって行く事も考えられます。一方で、中長期的に見た場合は、アップサイドは非常に限られておりダウンサイドのリスクが高まっている様に思います。
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