2009年4月24日金曜日

4月23日の米国市場


<主要インデックスの終値>

DOW: 7,957.06 +70.49 (+0.89%)
Nasdaq: 1,652.21 +6.09 (+0.37%)
S&P500: 851.92 +8.37 (+0.99%)

今日は朝から午後にかけては前日比でマイナスとなっていましたが、その後上下に比較的大きく変動したものの最終的には前日よりも上昇して終了しました。

<本日の主なニュース>

本日発表された先週の失業保険申請件数は、2万7千上昇し、64万件でした。添付の記事によると、この数字は高いものの3月の終わりに記録した過去26年半で最悪の67万4千件よりも低いため、経済の悪化の傾向が収まりつつあると解釈しているアナリストもいる様です。
U.S. jobless claims rise, home sales fall

3月の中古住宅の販売は、季節要因を考慮した年換算で457万件の販売ペースでした。これは、下方修正した2月の471万台のペースから比べて3%の下落です。また、2008年3月の492万台のペースに比べて7.1%下落しています。発表したNAR(National Association of Realtors)は、初めて家を購入する人が増えている事に焦点を当て、市場が安定しつつあると言った見方を示しています。尚、今回の販売件数のうち45%はフォークロジャー関連の販売によるものとの事です。(これってもの凄い状況だと思います。)
March Existing-Home Sales Slip but First-Time Buyers Rise (NAR press release)

USPが発表した四半期の結果は、4億100万ドル、EPS40centsの利益でした。一時的な出費を除いた場合のEPSは52centsでアナリストの予想56centsを下回りました。先々の収益見込みに対しても慎重な姿勢を示しています。
Global slump hurts UPS profit, shares fall

市場終了後に、AmEx, Amazon, Microsoft等が決算を発表しました。AmExは大幅な減益ながら、アナリストの予想よりは良い結果でした。

AmEx earnings beat expectations, shares rise

Amazonの結果は増益でアナリスト予想を上回る好決算でした。

Amazon beats Q1 sales, profit estimates, shares up

Microsoftの結果は、32%の減益、今後の見込みに着いても慎重な見方を示しましたが、発表後のアフターアワーズでは上昇となっています。コスト削減とWindows7の開発が日程通り順調に進んでいると語った事が好材料とされた様です。

Microsoft cuts costs, says Windows 7 on track

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)かなり上下の変動がありましたが、最終的にはCiti 1.54%, MS 2.14%下落。WFC 10.51%, BAC 6.78%, JPM 4.11%, GS 1.93%上昇しました。

(小売り)ほとんどが下落しています。下げ幅はそれ程大きくはありません。

(住宅関連)Lennarが8.78%の上昇、他の主要な株は上昇と下落に分かれていますが、それ程変動の幅は大きくありません。(多くは1%未満)

(テクノロジー)  Apple 3.2%上昇、昨日大幅に上昇したBroadcomは今日も3.27%の上昇で好調でした。Microsoftは日中は0.75%の上昇で、発表後のアフターアワーズで更に3%以上上昇しています。

<まとめ・コメント>

今日は上下に変動があり方向性があまりはっきりしませんでしたが、最終的には上昇となりました。発表された中古住宅販売結果、しかも2月を下方修正した上で、そこから下落、フォークロジャー関連の販売の割合が高い内容でした。また、UPSの大幅減益の決算等、悪材料もありましたが、大きく下落する事なく、逆に上昇して終了しました。これは6週連続で上昇しているモーメンタム、市場センチメントを非常に良く表していると思います。大幅減益だったとしても、アナリストの予想を上回れば上昇、下回ったとしても株価、市場への影響は限定的な動きなのが先週から今週にかけての市場の反応の特徴だと思います。

個人的にはすごく危ういものを感じますが、一方で、明らかに非常に悪いニュースがない限り、このまま乗り切ってしまう勢いもでてきています。こうなってくると、マクロの視点では、決算発表結果よりも、ストレステストの結果、そして、ChryslerとGMがChapter 11申請となるか否かが短期的な市場の動向に大きな影響を与える要因が更に高まってきている気がします。

Chryslerについては、オバマ政権が設定した期限まで後1週間となりました。今の時点では、まだどうなるかはっきりしませんが、土壇場の激しい交渉が水面下で行われている様です。

今日の夕方にNew York Timesが、財務省は、 ChrylerにChapter 11の申請を準備する様に指示したとの報道があります。この記事によると、バンクラプシーを申請させた上で、Fiatとの提携を完了させる計画の様です。元の政府の提案は、1ケ月以内にFiatとの提携を完了する事、それができなければ、 バンクラプシー申請のシナリオでしたが、多少、変更となった様です。このNewYork Timesの記事は非常に詳しく書いてありお勧めです。

U.S. Is Said to Push Chrysler to Prepare for Chapter 11

明日は、政府がストレステストの結果の一部を対象の銀行に提示する予定となっています。また、オバマ大統領が主要クレジットカード会社の経営者とホワイトハウスでミーティングを行う予定です。これらのニュースがどの程度明日の市場に影響があるかわかりませんが、どちらも重要なイベントだと思います。


このエントリーがご参考になった様でしたら、クリックのご協力よろしくお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 外国株へ
にほんブログ村

0 件のコメント: