Wells Fargoが第一四半期は30億ドルの利益となる見込みである事を明らかにしました。この結果は、昨年末買収したWachoviaを含めた結果との事です。優先株の配当支払い分を除くと、四半期の利益は、23億ドルから24億ドルになる見込みで、これは、一株あたり55セントの就役の予定です。アナリストの収益予想は、一株あたり平均で25セントの黒字で、予想を大幅に上回りました。
以下にリンクを記載するReutersの記事から、Wells Fargo CFOのHoward Atkins氏のコメントを引用します。
参考記事:Wells Fargo shocks market with record profit
"The main story is that traditional banking businesses, and the mortgage banking businesses, were very solid,"
「メインの話は、伝統的な銀行業と住宅ローン業は、非常に安定して順調だった事です。」と語り、Wells Fargoは米国の住宅ローンのシェアを伸ばしていると述べました。
また、なぜ4月22日の四半期決算発表予定の前に収益の見通しを発表した事について、Wachoviaを買収した事が重視されており、「できるだけ早く情報を市場に知らせる事が重要と考えて」「純粋にWells Fargoの判断で行った」としています。
また、新しいアカウンティング・ルールの変更(先日FASBがMark to Marketの基準を緩めることを発表した事に関連して)の影響は「非常に小さいインパクト」と述べています。これは、非常に注目すべき事だと思います。もしも、Akins氏の発言通り、厳しい市場環境にも関わらず、本業は順調に利益を上げており、アカウンティング・ルールの変更はそれほど、決算結果に関係ないのであれば、今後の収益動向に関してもかなり期待できる可能性があります。
尚、Atkins氏は、ストレステストに対するコメントは控えています。
Wellsによると、第1四半期に1000億ドル以上の住宅ローンの貸し出しを行い、1900億ドルの住宅ローン申請を受けたとしています。この数字は、第4四半期より64%上昇しています。
純損失計上は33億ドルを予定しており、第4四半期の61億ドルから大きく減少しました。
今の時点で、明らかになっている情報は以上です。しかし、予想以上に良い結果で、市場に対しても良い意味で強い衝撃を与えた様です。住宅ローンが非常に順調との事ですが、そうであれば、住宅販売のピーク期の第2四半期は非常に良くなる可能性があります。また、Fedの超低金利政策の恩恵を強く得られる可能性が高いです。
懸念材料としては、住宅ローン破綻件数が今後も増えそれによる損失が高まる事、Wellsはホーム・エクイティ・ローン(住宅を担保にした貸し付け)も多いので、それの損失が今後増える可能性があること、等です。更に、現時点でWachoviaの不良債務の処理がどの程度まで進んでいるのか、良く解らないことなどが、懸念材料かと思います。他の懸念材料としては、tangible common equity ratioが約3.1%と低い事です。
正式な四半期の決算発表は4月22日の予定です。注目したいと思います。また、他の銀行がどうなのかにも更に注目は高まると思います。ファイナンス・セクター全般が収益を大きく改善させた場合、株式市場・景気に対して非常に好材料となると思います。ただ、それ程簡単に回復するとはとても思えないと、個人的には考えています。
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2009年4月9日木曜日
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