2009年4月7日火曜日

Sun取締役会 IBM買収提案を拒否!?

IBMによるSunの買収交渉は、早ければ、今週中にも合意の見込みとの報道が先週の金曜日にあり、本ブログでも取り上げていましたが、日曜日の夜の速報によると話は流れてしまった様です。

市場でも大きな注目を集めていた本件ですが、本日のWSJの一面でも報道しています。以下にWSJの記事を中心に本件のアップデートをエントリーします。

4月4日土曜日にIBMからSunに対して、正式な買収提案が出されました。Sunの取締役会は本提案の受け入れる事を拒否し、買収に関しての排他的な(エクスクルーシブ)交渉を行う(IBMだけに限定して、交渉を進めることの)合意を解約する事を通知したとの事です。ただし、別の情報筋によると、状況は依然として不確定な面もあり、両社は電話等でコンタクトを続けているとの話もあります。

Sunの取締役会は、買収案の受け入れについて二分していた様です。創業者で会長のScott McNealy氏を始めとするグループは反対の立場、一方、現CEOのJonathan Schwartz氏側は賛成の立場だったとの事です。IBMの提案価格は明確ではないものの、一株$9.10との説と$9.40の説とある様です。尚、情報筋によると、価格が問題ではなかった様です。

Sunの意見としては、IBMの提案はIBMにあまりにも選択肢を与えすぎる、または、取引を破棄する余地がありすぎる、とのことです。IBM側は、提案した骨子で十分に取引に対して確約していると信ずる、との立場です。

何人かの独禁法の法律家(antitrust lawyers)は、IBMが買収案件の許可を米司法省とEUの両方から得る事は難しい(困難が伴う)であろうと予想していました。なぜなら、両社は製品群がかなり重なっているためとしています。テープを使用した記憶装置(ストリーマー)は、両社でほぼ100%をしめてしまうため、Sunのストリーマーの事業をスピンオフする意向を示していました。しかし、両社を合わせた場合、170億ドルのUnixサーバー市場の約65%を持つことになります。

WSJの記事はこの後も話は続いているのですが、ここでこの件についての記事の引用は終了します。

参考記事:
IBM Talks Teeter as Sun Board Splits
The Wall Street Journal, A1, April 6, 2009

今週にも買収発表か、と見られていましたが、一転して、話は流れてしまった様で、びっくりしました。価格が問題ではない、との関係者の話ですが、私もそう思います。やはり、恐らくIBMが途中で買収案を撤回する可能性がかなり残されている、と言った様な条件面で受け入れなかったのでは、と思います。Sunの取締役会が受け入れるかどうかで、二分したとの事ですが、かなり苦渋の判断だったのではと思います。McNealy氏が反対、Schwartz氏が賛成、と言う対立の構図は何となく想像できます。はっきり言って、創業者のMcNealy氏からSchwartz氏がCEOの座を譲り受けてから、Sunの低迷はさらに酷くなっています。

まだ、流動的な余地もある様ですが、この話が流れてしまうと、Sunは本当に苦しくなると思います。単独での存続は厳しいとの大方の見方があり、更に現在の財政状況やビジネスの状況を考えると、買収先を見つけるのが後になればなるほど、状況は悪化して行く可能性が少なからずあります。

この報道でSunの株価は本日22%を上回る下落となっています。Sunとしては、第1四半期決算発表前に買収案をまとめたかったと思います。これで、本当にIBMとの買収交渉が破綻してしまった場合、Schwartz氏の退任・解任の可能性はかなり高い様に思います。個人的には、McNealy氏がCEOに返り咲いて体制を立て直すのが良い様に思いますが、盛り返す事ができるのか、Sunの今後に注目したいと思います。

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