2009年4月11日土曜日

Wells Fargo CFO Atkins氏とのCNBCインタビュー

(4月12日に後半の部分を書き足しています。)

Wells Fargo CFO Howard Atkins氏とCNBCがインタビューを行なっていました。現在、そのビデオを見る事ができます。インタビューのビデオを見ましたが、昨日、Wells Fargoの第1四半期の黒字見込みについてReutersの記事を引用しましたが、Atikins氏の発言の引用部分がこのインタビューと内容がかなりだぶっています。恐らく、Reutersの記事はこのインタビューでのAtkins氏の発言を元にしたものなのでは、と思います。昨日のエントリーのフォローアップとして、ビデオのリンクを添付し、インタビューのやり取りの概要を以下に書きます。尚、訳に関しては大まかなところをまとめ、要約しています。是非、ご覧になられることをお勧めします。














CNBC キャスター: なぜ四半期の収益見込みを事前に明らかにしたですか?

Howard Atkins: Wells FargoはWachoviaを昨年12月に買収しました。Wachoviaの買収は、米国の歴史の中でも最大の規模の銀行買収でした。今回が買収後の初めての四半期決算で、2社が一緒になって事業を行い、ファイナンシャルとしても合わせたものです。この取引の市場への重要性も考慮して、我々として少しでも早く市場に伝えるべきと考えました。

CNBC: この件で、何人かのアナリストと話をしました。これは、あまりにも良すぎるのではないか?と言う疑問を投げかけました。何人かのアナリストは、すこし懐疑的な反応をしていますが、多くのアナリストは、これはシンプルな話だ。一歩下がって見た場合、彼ら(Wells)は巨額の貯金額の増加を得て、住宅ローンはブームとなっている。それで大きな利益を得ている。率直に言って、考えられないくらい良い4.1%のネット(純)金利マージンをとなっている。これが基本的な理由ですか?

Atkins: この四半期に多くの良いことが起きています。ビジネス・フロー、テポジット(貯金)・フローとも良い状況です。我々は、クレジットを拡大しました。そして、おっしゃった様に、今四半期、住宅ローンは非常に良く、金額、利益率も高いです。それに加えて、我々のオペレーティング・マージンは、あなたがおっしゃった様に金利マージンは4%以上で我々が予想していたよりも良いものでした。

CNBC: 金利マージンが予想よりも高かったのはなぜですか?

Atkins: Wellsは伝統的に金利マージンは他の主要銀行と比べても最も高いあるいはそれに近いレベルにあります。Wachoviaと合わさって見た場合、我々はWachoviaのより高いコストの(高いコストがかかる)貯金が期限を迎えてきており、それは金利マージンに良いニュースとなっています。スプレッドや一般銀行業務も徐々に良くなっています。また、市場は論理的な動きを取り戻してきており、以前存在した非論理的な値付けをしていた競合が市場から撤退しているため、残った我々でその分を得られてきています。我々はクレジットを拡大しており、経済にクレジットを注ぐ様にしています。それらのことが、利益率の向上に貢献しています。

(日本時間の12日深夜に以下の部分を追加しました。)

CNBC: 人々が抱いているキー•クエスチョンとして、損失計上があります。33億ドルの損失計上は、その前の四半期と比べると大幅に減少しています。あなたは、クレジット・クオリティが向上しているため、それとも、会社を合併した時に、まとめて多くの損失計上を行ったため、もうそれ程する必要がなくなった、ということでしょうか?

Atkins: 後者の要因がより大きいです。12月に買収を完了した時、我々はその時点で既に損失計上を行いました。 Wachoviaのローン・ポートフォーリオ、特にリスクの高いローン・ポートフォーリオに関しての損失は既にピークを過ぎています。現時点では、それらに関しての損失は少なくなっています。Wachoviaの買収による損失の方のピークは既に過ぎており、それが意味する事は、我々は今、統合による効率化、売り上げのレバレッジ等、合併の利点を享受できる様になっています。

CNBC (David): 今日の株価の大幅な上昇によって、なんらかの形のエクイティ・オファーを検討されているのかどうなのか非常に興味があります。WellsのTCE(コメント:恐らくTangible common equity ratioの事を言っていると思います。)は良くなってきているものの、現時点では他社と比べると低いレベルにあります。本日の株価のパフォーマンスの上昇によって、エクイティ・オファーを検討されているでしょうか?

Atkins: 我々の注力分野は、引き続き収益を向上させる事です。収益が本当に鍵です。収益(の向上)が資本(Capital)を上昇させるための最善の方法です。それが第1四半期に起きています。ご存知の様に、数週間前に我々は配当の削減を発表しました。数週間前に発表したにもかかわらず、それは、第2四半期から全面的に直資本の向上への影響が始まります。(配当の引き下げは)四半期に10ベース・ポイント資本を引き上げることになります。収益を引き続き伸ばす事が、資本の引き上げの最善の方法だと思います。

CNBC: 住宅ローンのポートフォーリオについてですが、あなたはWachoviaのポートフォーリオで多額の損失を既に計上した、とおっしゃいました。特にカリフォルニアの動向について破綻申告の件数が再び増えており、フォークロジャーズ(抵当権執行)がこれから増えてくると予想されています。ホームエクイティ・ポートフォーリオは1290億ドルあります。あなたのそれについてのお考え(予想)はいかがでしょうか?また、現在の住宅市場全般について、また、そこでどの様なアドバンテージがあるとお考えですか?

Atkins: 恐らく我々はまだ、住宅市場全体の問題から抜け出した訳ではないと思いますが、カリフォルニアで良い兆候も実際に見られます。特にローエンド(低価格帯)の方で活発な動きがあります。多くの人が家を買っています。特に事例として、第1四半期に我々は1900億ドル相当の住宅ローン申請を得ています。その内の一定の部分は新築住宅で、リファイナンス(借り換え)だけの動きではありません。(コメント:一般に米国では、金利が下がると既存の住宅ローンを金利の低いローンに借り換える動きが活発になります。)我々は、全米で80万人以上の顧客のお手伝いをしました。多くはカリフォルニアの顧客です。この四半期に家を買う、あるいは、ローンを借り換える動きが(活発に)ありました。住宅市場の低迷の底に近づいていると望んでいます。

CNBC: 失業率が上昇している中で、Wellsは保証のない1290億ドルのホームエクイティとクレジット・ラインを抱えています。あなたは、それらの損失の急上昇とそれを損失計上しなければならないと予想されていますか?

Atkins: 失業率は高い状態が続いています。か(その状況の中で)クレジットサイクルのトップとボトムを予想する事は時期尚早だと思います。しかし、高い失業率ではありますが、ほとんどの人は依然として(職があり)働いています。実際に、ほとんどの住宅所有者は住宅ローンを期日までに支払っています。そして、住宅ローン、ホームエクイティ・ローンとも、金利はここ数ヶ月で非常に低くなっています。それも(破綻件数を抑制することに)大きな手助けとなっていくと思います。

CNBC: 先(四半期)の見通しを本日明らかにしたことは、TARPの返済をできるだけ早く行う事を意図しているのですか? その様な動きを既に行っているのですか? もし、既に行っているのでしたら、政府はなんと言っているのですか?

Atkins: 我々は、政府(から言われている事)についてコメントはしません。我々は、配当の引き下げを数週間前に発表した時、実行可能になった場合、できるだけ早くTARPの返済をしたいとの意思を示しました。我々は、TARPの高い配当(金利)を支払っています。(コメント:同じレベルの融資と比べた場合、一般に高いと決して言えないと思いますが、、、)我々はちょうど3億7200万ドルを前四半期分の配当金利を納税者のお金に対して支払いました。ですから、我々としてはできるだけ早く返済したいと考えています。しかし、我々のメインのフォーカス(主要な注力分野)は、クレジットの拡大、再びクレジットを経済・市場へのフローを起こす事、利益を上げ続ける事、会社を成長させる事、です。我々はこれら全てのことを実現する事により、経済、消費者の手助けとなるだけでなく、我々のバランスシート、資本を向上させることとなります。


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