2009年4月4日土曜日

4月3日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 8,017.59 +39.51 (+0.50%)
Nasdaq: 1,621.87 +51.03 (+1.20%)
S&P500: 842.50 +23.28 (+0.97%)

本日は、昨日一昨日の大幅な上昇に対しての反動か若干下落して始まりましたが、その後上昇トレンドに転じて、今日も上昇で終了しました。Dowは8000台を回復し、4週間の上昇幅としては、1933年以来で最高の上昇との事です。Nasdaqは、昨日市場終了後に予想を上回る好決算を発表したResearch In Motionが20%を上回る上昇となり、Nasdaqの上昇に大きく貢献しました。

Dow ends above 8,000 in best 4-week run since 1933

<本日の主なニュース>

米労働省が発表した3月の失業率は、66万3000の職が失われ、過去25年で最も高い8.5%に上昇しました。また、1月の失業件数は74万1000件に下方修正されました。この失業数は、1949年以降で最も高い数字との事です。尚、アナリストの3月の失業件数の予想は、65万件で予想よりも高い失業数でした。リセッションが始まってから、500万人の職が失われたことになります。

U.S. jobless rate hits 25-year high
Bureau of Labor Statisticsニュースリリース

Richmond Federal Reserve Bank主催のカンファレンスで、バーナンキ議長がスピーチを行い、「Fedは、ファイナンシャル市場と企業の安定化し、信頼するに値する債務者に対しての貸し出しの拡大を促進し、経済活動の回復のための基盤を構築する手助けをするために全てのツールを使う責任がある。」と語りました。
Fed to use all tools to stabilize markets: Bernanke

債券取引大手のPIMCO(Pacific Investment Management Co.) CEOのMohamed El-Erian氏が、「最近の株式市場の上昇を継続させるためには、市場は強力で継続性のあるファンダメンタルズの向上が必要である。しかし、ファンダメンタルズは現時点の発表されているデータからその様な材料を示すものはない。」とコメントしました。また、本日発表された失業率について、「遺憾ながら、既に懸念されている雇用状況の展望は、悪化を続けている。数字はウォールストリートの予想に沿ったものであるが、巨大な資産の崩壊によりメインストリートの消費と経済のアニマル・スピリットに対して非常に強い向かい風となっており、継続した月ごとの高い失業件数と加速する失業率の上昇は、消費とアニマルスピリットをさらに低下させる事になる事だろう。」と語り、「一般的にクレジットマーケットは、証券市場の熱気と同じ様な感覚は感じられない。」とここ最近大きく上昇している株式市場の動向に対して、クレジット・マーケットがそれを裏付ける様な動きになっていないことを指摘しています。「私は、テクニカルの材料で、(証券市場で)取引されており、そしてそれは、この数日間で終わったと想像している」、「相関関係の剥離は、現時点で、短期のテクニカルのリポジショニングにより、根本的な原動力が混乱している事を示唆している」と語りました。

Pimco says stock rally vulnerable given data

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)主要なところは全て上昇しています。WFC 6.59%, BAC 4.97%, Citi 4.01%, JPM 3.98%, GS 4.54%と順調に上昇しました。MSは日中は下落となっていましたが最終的には、4.11%の上昇となりました。

(小売り)ほとんどが上昇していますが、上昇幅はそれほど大きくはありません。

(住宅関連)順調に上昇しています。

(テクノロジー)  上昇しているところが多いです。その中でもRIMMの20.78%は突出しています。一方で、コミュニケーション関連のMOT, QCOM, BRCM, Sprint等は下落となっています。レイオフを発表したDellが8.63%の大幅な上昇をしたのが目を引きました。Microsoft は2.80%の下落でした。

<まとめ・コメント>

政府が発表した失業率は、予想通りではあったものの、非常に厳しい雇用市場を表す結果でした。株式市場は午前中は若干下落でしたが、上昇トレンドに転じて、最終的には上昇して終了しています。悪い失業率が発表される事は、すでに予想された上での昨日一昨日の大幅な上昇だったので、本日特に大きく崩れる事なく終了した事は妥当な範囲なのではと思います。

一方で、昨日も書いていますが、失業率に関しては楽観視できる材料は見当たらず、それが今後経済や市場に与える影響を考慮すると、楽観はできない状況にあると考えています。主なニュースの中でPIMCOのCEO El-Erian氏の発言を取り上げていますが、個人的には、彼の言っている事に完全に同意しています。

これで、4週続けての連続、4週間での上昇幅は1949年以降で最大とのことです。その前に急激に下がっていた反動とも言えますが、いづれにせよ、それ程大きな裏付けがあっての大幅な上昇でない様に思えます。

ここで市場は一旦落ち着いて、あと2週間程度の企業の四半期決算発表を迎えるのか、来週、一波乱あるのか、どうなるのか静観しようと思います。中短期のトレンドを決める上での材料としては、やはり重要なのは、企業決算と今後の見通しだと思います。

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