2009年4月18日土曜日

4月17日の米国市場



<主要インデックスの終値>

DOW: 8,131.33 +5.90 (+0.07%)
Nasdaq: 1,673.07 +2.63 (+0.16%)
S&P500: 869.60 +4.30 (+0.50%)

今日は、多少上下しましたが、最終的にはDOWとNasdaqはほぼ変わらず、S&Pは0.5%の若干の上昇でした。週を通してみた場合は、今週は各主要インデックスは、2%前後の上昇となり、好調でした。これで、6週続けての上昇となりました。この6週間の上昇幅は、1938年7月以来で、最も高いものだとのことです。Dow ends best 6 weeks since 1938 on econ hopes



<本日の主なニュース>

本日発表されたミシガン大学消費者景況指数(MCSI)の4月の速報値は、3月の57.3から61.9に上昇しました。これは、9月の70.3以降で最も高い値です。
U.S. consumer sentiment highest since September

GEの発表した四半期の結果は、利益が昨年同期に比べ36%減少した27億4000万ドル、EPSで26セントでした。アナリストの収益予想はEPS21セントで、予想を上回りました。GEの株価は本日0.98%の上昇でした。
GE profit drops on finance, NBC but tops forecasts

Citigroupの四半期の結果は、9億6600万ドル、EPS18セントの損失でした。一時的な出費を除いた場合のReutersの見込みは、一株あたり12セントの損失で、アナリスト予想のEPS30セントの損失よりも良いものでした。また、優先株の影響を考慮しない場合、四半期の収益は15億9000万ドルで、同様の条件で見た場合、2007年の第3四半期以来で初めての黒字だとの事です。収益の結果には、アカウンティング・ルール変更による25億ドルの増価が含まれています。

Citigroupは、525億ドルの優先株式を普通株式への転換(交換)の計画を、ストレステストが完了して、その結果後に延期すると発表しました。
Citigroup results top forecasts

GMのCEO Fritz Henderson氏が、Chapter 11のバンクラプシーの申請の可能性が高くなっていると語りました。実際の表現としては、以下のものです。
"Given what we need to accomplish, I certainly felt a couple weeks ago that it was more probable that we would need to go through a bankruptcy process," Henderson told reporters on a conference call. "That continues today."
(我々が達成しなければならないことを考慮すると、バンクラプシーの過程を経て行う必要となる可能性は、数週間前よりも確実に高くなっていると感じている。)
GM readies plans for bankruptcy it hopes to avoid

<主なセクター・株の動き>

(ファイナンス)Citiは8.98%の下落、GSも0.49%の若干の下落となりました。それ以外の主要なところは、MS 4.3%, WFC 4.16%, BAC 2.51%, JPM 0.06%上昇しています。

(小売り)昨日と似た様なパターンで、Wal-Martが下落、一方Targetは上昇となりました。

(住宅関連)今日も順調に上昇しています。

(テクノロジー)  上昇と下落に分かれていますが、主要なところは下落しているところが多い様に思いました。決算発表を行ったGoogleは0.90%の上昇でほぼ変わらず、Apple, Dellが上昇する一方で、IBM, Intel, HPは下落でした。Nokiaの発表の影響かMotorolaが9.02%の大幅な上昇となっています。

<まとめ・コメント>

四半期の決算結果に関しては、GE, Google, Citiともアナリストの予想よりも良い結果でした。ただし、結果が予想よりも良くなるだろうとの見込みは既に株価に織り込み済みだったと言えるかと思います。GEとGoogleに関しては、株価は結果としてほぼ変わらないレベルで、ほぼ予想(アナリストが公開している収益予想ではなく、市場の直前の予想)通りの結果だった様です。Citiに関しては、優先株の配当支払等を除いた場合は、2007年第3四半期以来の黒字だったとのことで、Pandit氏が言っていた黒字の見込みを実現した様な発表です。ただし、アカウンティングの変更等による決算上の好材料も大きく、また、実質的な事業としては、消費者向けのクレジット等の損失の増加や、それが今後高まる事、ストレステストの結果による影響等を考えると、今日発表されたレベルの内容であれば、売られるのは妥当だと思います。

興味深いのは、来週月曜日発表予定のBACは今日も上昇した事です。Citiの結果がそこそこ良かったので、BACはそれ以上に良いのでは、との期待が高まっているのが今日の上昇の理由の様に思います。後、Wells Fargoも今日は上昇となりました。これも、正式な決算発表は来週で、良い結果が発表される事はほぼ確実なものの、実際にその発表が行われる事による期待からなのではと思います。

ここまでの決算結果は、主要企業の発表内容が「予想よりも良い(悪くなかった)」ところが多いものの、アナリストの予想よりは悪くないながら、実質的には大幅な減益となっているところが多く、また、不安材料も少なからずあります。ミシガン大学の消費者景況指数に関しても、最近の「状況は改善している」との期待が込められた認識を裏付ける数値だった事は、市場のセンチメントを維持させることに貢献したと思っています。

GMのHenderson氏が破産法申請の可能性が高まっていると記者団に述べた事は、ある意味、その方向性について一般社会に徐々に認識させて行こうと言うコミニュケーションの戦略だと思います。少し前までは、このGM破綻の可能性は市場に大きな影響を与えてきましたが、今日の報道でも市場の影響はほとんどなかったと言えるかと思います。これは、現時点では、GM破綻の可能性を織り込みながらも市場が大きく上昇していることを示しています。

週を通した場合、今週も上昇となり、これで6週間連続の上昇、しかも、上昇幅は過去70年間以上で最大とのことです。ここまでは、思いの外、市場は安定していますが、来週以降どうなるのか、注目しています。


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ちょっと細かい話なのですが、参考までに個人的な意見を以下に書きます。

月曜日は、Bank of America、市場終了後にTIが結果を発表する予定です。TIの結果はほぼ事前予想通り赤字、ただし、Nokiaと同様に「大幅な下落のペースは鈍化しており、市場は安定しつつある」と言ったコメントがあるだろうと、予測しています。この表現はNokiaでは非常に好感されましたが、2匹目のどじょうはいるのか、個人的には注目しています。今日のMotorolaの上昇の理由もこれだと思っていますが、Motorolaの発表は再来週なので、そこまで持つのかな、と思っています。もしかすると、隠されたポジティブサプライズがあり、それが一部リークしている可能性もあります。そうでないととても説明できないくらいのここのところの上昇を見せています。

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