2009年4月23日木曜日
4月22日の米国市場
<主要インデックスの終値>
DOW: 7,886.57 -82.99 (-1.04%%)
Nasdaq: 1,646.12 +2.27 (+0.14%)
S&P500: 843.55 -6.53 (-0.77%)
今日は、市場開始前にWells FargoとMorgan Stanley等の決算発表があり、市場開始前の取引では両社の株は大幅に下がっていました。市場開始後も下落で始まりましたが、その後、Wells Fargoは一時は$20を超える大幅な上昇、MSも下げ幅を縮小し、それ以外の主要ファイナンスもかなり上昇していました。発表されたAT&Tの決算結果が減益だったもののアナリストの予想以上でした。また、iPhoneの売り上げが好調だったとされ、市場終了後に決算発表予定のAppleも好決算の期待が高まり、また、他のテクノロジー株の動向にも好影響を与えていました。しかし、終了までの最後の1時間で、AppleのMacの売り上げが前四半期よりも低いとの見込みであることが、一部で報道された事等から、テクノロジーセクターは下落、全体の市場も下落に転じて、DOWとS&P 500は結果的には前日比で下落、Nasdaqはほぼ変わらずで終了しました。
<本日の主なニュース>
Morgan Stanleyの第1四半期の結果は、5億7800万ドル、一株あたり57セントの損失でした。アナリストの予想平均は、一株あたり9セントの損失を見込んでおり、予想よりも悪い結果でした。決算発表時に配当を一株あたり5セント、80%減額することを併せて発表しました。
Morgan Stanley posts loss, slashes dividend
AT&Tが発表した四半期の結果は、売り上げは0.6%減り305億7000万ドルでアナリストの予想310億6000万ドルを下回ったものの、利益は31億3000万ドル、EPS53セントでアナリスト予想の48セントを上回りました。第1四半期に160万台のiPhoneがアクティベイトされたとのことです。新規顧客の携帯の月々の売り上げの内、iPhone向けが75%になっている様で、一部のアナリストからは、AT&TのiPhoneのエクスクルーシブの契約終了に対する懸念がでてきている様です。(以下添付の記事をご参照下さい。)
AT&T profit boosted by iPhone, video, Internet
Boeingの第1四半期の利益は6億1000万ドル、EPS86セントでした。昨年の同期の12億1000万ドル、EPS$1.62に比べると、大幅な減益となりました。また、2009年の収益見込みを引き下げ、$4.70から$5.00の間と発表しましたが、アナリストの予想$4.61よりも高かった事等から、株価は本日1.77%上昇しました。
Boeing profit narrows as economy hits orders
市場終了後にAppleが決算を発表しました。結果は、12億1000万ドル、EPS$1.33の利益でした。アナリスト予想は、EPS$1.09を上回りました。iPhoneの出荷は、379万台でアナリストの予想の330万台を上回りました。iPodの出荷は、1101万台、Macは222万台の出荷でした。(iPodは予想よりも約100万台も多く、Macは予想通り。尚、Macは今回前四半期に比べ出荷減となりました。)
Apple profit beats expectations on iPhones, iPods
EBayの発表した四半期の結果は、純利益、売り上げ、利益率とも下落しましたが、アナリストの予想を上回ったため、本日日中に3.43%上昇に加えて、アフターアワーズでさらに7%近い上昇となっています。
EBay profit, sales down but beats Street view
<主なセクター・株の動き>
(ファイナンス)MS 8.97%, BAC 5.71%, WFC 3.35%, JPM 1.94%下落しています。C 0.31%, GS 0.11%の若干の上昇です。
(小売り)Wal-Mart 1.75%, Best Buy 0.60%下落となりましたが、それ以外は上昇しているところが多いです。
(住宅関連)ほとんどが上昇しています。日中は、大きく上昇していたのですが、最終的には数%程度の上昇のところがほとんどです。
(テクノロジー) 上昇と下落に分かれています。上昇で目立ったのは、BRCM 10.19%, STX 7.20%, TXN 3.16%上昇等です。Broadcomについては、昨日Emulexに対する買収提案の際に大きく下落した反動と思われます。
<まとめ・コメント>
今日の朝発表されたWells Fargoの決算はほぼ事前発表通りで、特に驚く様な材料はありませんでした。クレジットロスに関しては、46億ドルを計上、228億ドルをクレジットロス用に備えていると発表しました。Morgan Stanleyに関しては、アナリストの予想以上に悪い決算で、昨日市場終了後にCapital Oneが発表した結果も、クレジットロスが急速に増えており、ファイナンスセクターの今後については、予断を許さない状況だと解釈していました。しかし、市場開始後は私個人の予想とは裏腹にファイナンスセクターは大幅な上昇となりました。Capital Oneは昨日のアフターアワーズでは、かなり下がっていましたが、本日の日中は前日比で上昇となっており、個人的には納得できず、また、市場があまりにも楽天的に推移している様に思いました。結果的には、ファイナンシャルは、ほとんどが反転下落で終了しました。ある意味、これはある程度好ましい調整的な動きだったと思います。
政府がストレステストの一部の結果を対象の金融企業に対して、今週の金曜日に明らかにする予定との報道がありました。また、今回のストレステストにおいて、TCE(Tangible Common Equity)の割合が重要な基準点として扱われると一部の報道がありました。主要なファイナンス企業の第1四半期の決算がほぼ出そろいつつあり、ファイナンスセクター関連の焦点はストレステストに集まってきています。
AT&Tの決算結果は予想よりも良く、また、AppleのiPhoneが大きく事業に貢献したとの内容から、AT&Tの決算結果は
Appleはもとより、テクノロジーセクター全体に好影響を及ぼした様です。今日のTIは大きく上昇しましたが、恐らく、その影響と思われますが、反応があまりにも飛躍しすぎていると思っています。携帯電話の中でスマートプォンが非常に好調な一方で、既存の携帯電話はシェアを失っており、TIは既存の携帯の半導体では高いシェアを持っていますが、スマートフォンでは後手に回っており、苦戦中です。と言う事で、BroadcomやMarvellが好調なのは分かりますが、TIが今回の決算結果と発表した最新の収益見通しから見た場合、決算発表後に上昇するのは納得できません。(納得できない動きを短期的には常にするのが株式市場の傾向だと理解はしています。特にテクノロジーセクターの株に関しては、そうです。)
市場終了後に発表されたAppleの決算はアナリスト予想を上回る好結果でした。これは、本当に素晴らしい結果だと思います。AT&Tとのエクスクルーシブの契約は来年終了予定なので、契約期間終了後どうなるのかに市場の注目が集まってきています。(AT&Tの不安材料、他のキャリアのアップサイド)Appleの決算発表の速報をみたのですが、どうも、カンファレンスコールにおいて、AppleはAT&Tとの関係に満足していると語った様です。これは、AT&Tには非常に好材料だと思います。
ここまでの決算結果は、減益、売り上げ減を発表する企業が多いながら、アナリスト予想は上回るところが多く、市場としては大きく崩れずに堅調に推移していると思います。ここ数日、一部企業ではアナリスト予想を下回る結果を発表したところもありますが、市場全体への影響はほとんどなく、株価自体もここ数週間のレベルでみた場合、悪影響はほとんどない様なところが目立ちます。(e.g. Capital One, Morgan Stanley他)
「アナリスト予想よりも良い、あるいは悪くない」=「最悪期は脱した」との解釈がある様に思います。また、市場は5週連続で上昇しており、その上昇モーメンタムは依然として強いものがあります。このままモーメンタムを維持できるのか否かが短周期的な着目点だと思います。個人的には、遅かれ早かれ、市場のトレンドは転換すると考えています。短中期的にはやはりストレステストの結果、政府の対応が非常に大きなイベントだと思います。
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