2009年4月9日木曜日
4月8日の米国市場
<主要インデックスの終値>
DOW: 7,837.11 +47.55 (+0.61%)
Nasdaq: 1,590.66 +29.05 (+1.86%)
S&P500: 825.16 +9.61 (+1.18%)
二日連続で下落後の本日は、上昇で終了しました。昨日、他のインデックスよりも下がったNasdaqは本日は逆に他のインデックスよりも上昇となりました。本日の朝に発表された、住宅メーカーPulte HomesによるCentexの買収、政府によるTARPの生命保険会社に対する救済融資の報道等が上昇要因となる一方で、午後に発表となったFOMCの議事録が景気の状況に対しての警戒を示すものであった事から、上昇を抑えました。
Housing deal, hope for insurers lift stocks
<本日の主なニュース>
本日の日中の主なニュースは基本的に以下の3つです。
- 財務省が生命保険会社もTARPの対象とする事を認め、近日中に発表予定である事を確認した事
- 住宅建設販売のPulte Homesが同業のCentexを13億ドルで買収する事を発表した事
- FOMCの議事録の公開、特にFedの経済・景気の動向に対して非常に慎重な見方をしている事が明確になった事
この内の、二つに関しては、既に本ブログの別エントリーで取り上げています。(関連エントリーをハイパーリンクしています。)PulteのCentex 買収発表で、Centexの株は本日18.90%上昇、一方、買収する側のPulte Homesは10.49%の下落と対照的でした。尚、本買収は株式の交換によって行われます。
参考記事:Pulte Homes agrees to buy Centex in $1.3B deal
明日小売業の3月の販売結果が発表される予定ですが、投資筋では小売り業界は既に底を打ったとの見方が強まっている様です。
March to hint at whether retail's worst days are behind
<主なセクター・株の動き>
(ファイナンス)下落したところが多いです。FITB 7.37%, C 2.17%, BAC 4.08%, MS 2.70%, GS 1.15%下落しています。一方、JPM 0.66%, WFC 0.27%上昇しています。
(小売り)全体としては非常に順調でした。特にTargetは7.34%の大幅な上昇でした。
(住宅関連)PulteのCentex 買収の発表があった朝は全面的に大幅な上昇となりましたが、その後収まりました。主要なところでは、CTX 18.90%, LEN 5.05%, MTH 2.23%, KBH 0.07%の上昇、DHI 4.02%, TOL 3.22%の下落でした。
(テクノロジー) 上昇しているところが多いです。目立ったのは、NVDA 4.11%, JAVA 6.05%, BRCM 4.90%, MRVL 6.12%, RIMM 3.27%, CTXS 7.80%の上昇でした。
<まとめ・コメント>
二日連続で上昇した後の本日は、生命保険会社がTARPの対象になることを財務省が認めたとの報道から、生命保険会社の株は大幅高で始まりました。また、本日の朝に発表されたPulteのCentex買収のニュースから、ホームビルダー株も軒並み10%を超える大幅高で始まりました。しかしながら、生命保険会社と住宅建設販売株の両方とも、その後はかなり調整が進み、上昇はそれ程でもない範囲で終了しています。
別途既にエントリーしておりますが、生命保険会社TARP適用は確かに良いニュースではありますが、これで全て問題が解決した訳ではないので、全面的に大幅高となるのはちょっと行き過ぎと思っていましたが、市場も同様の認識をしていた様です。ホームビルダー株についても、PulteとCentexの株価には大きな影響のあるニュースではありますが、非常に低迷している住宅セクターの現状の中で、買収のニュースでセクターの株全体が大きく買われるのはあまりにも飛躍し過ぎ、と思いましたが、こちらの方も、本日最終的には割と収まって終了しています。
FOMCの議事録が公開され、その中でFedが景気・市場環境に対して非常に厳しい見方をしているのが明らかになりました。これは、一つ前のエントリーで取り上げていますが、このFOMCの議事録を読んだ後で、株を買おうと思うのはかなり勇気がいると思いました。
今日のセクターでは、テクノロジーが全般的には順調でした。また、小売りに関しても非常に順調に上昇し、一部の銘柄については大幅な上昇となりました。個別の銘柄では、上昇を裏付ける様なニュースも多少なりともありましたが、本日セクター全般が非常に順調だったのは、明日発表予定の3月の販売結果が思いの外良いのではとの期待とそれにより、小売りのセクターは底を打ったとの見方が強まっており、その考えから買いが進んだ様に思います。
全体的には、ここ二日で多少下落した分を若干調整する様な上昇だった様に思います。多少なりとも事前の動きはあるものの、やはり来週以降の企業の四半期決算動向を待つ様な状況にあると思います。
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