2009年4月15日水曜日
4月14日の米国市場
<主要インデックスの終値>
DOW: 7,920.18 -137.63 (-1.71%)
Nasdaq: 1,625.72 -27.59 (-1.67%)
S&P500: 841.51 -17.22 (-2.01%)
今日は、朝発表された小売店の販売結果が予想よりも低かった事、昨晩のGoldmanの四半期決算発表のカンファレンスコールでCFOが市場環境は依然として厳しいと慎重な見方を示した事等から、下落して始まり、一旦はかなり戻したものの、そこから再び下がって終了しました。
<本日の主なニュース>
政府(商務省 国勢調査局:U.S Census Bureau)が発表した米国の3月の小売店の売り上げは、前月に比べ1.1%の下落となりました。市場予測は前月に比べて上昇だったにも関わらず、予想以上に悪い結果でした。尚、小売店の販売は過去2ヶ月連続で上昇しており、米国の景気後退は底を打ったのではないかとの期待の元となっているデータの一つでしたが、今回下落となった事で、その様な期待に水を差す状況となった様です。
U.S Census Bureauプレスリリース
Retail sales show recession far from bottom
Johnson & Johnsonの四半期の結果は、35億1000万ドルの利益、EPS$1.26でした。アナリストの予想平均のEPS$1.22を上回りました。また、2009年の利益予想は、$4.45から$4.55の間の見込みを堅持しています。売り上げは7.2%減少し150億ドルでしたが、コスト削減を進めた結果、EPS同レベルを維持しています。株価は本日0.43%の上昇でした。
J&J profit beats forecast, cost cuts deliver
市場終了後、Intelが四半期の決算を発表しました。結果は、売り上げが71億ドル、EPS11centsで売り上げ、利益ともアナリストの市場予想を上回りました。Intelの株価は、本日0.19%の微増でしたが、アフターアワーズでは、現在4.5%の下落となっています。
UPDATE 1-Intel results top Street forecast
Intelの結果から、S&PとNasdaqのfutureは下落しています。
S&P, Nasdaq futures fall after Intel results
<主なセクター・株の動き>
(ファイナンス)E-Trade 7.47%, Citi 5.53%の上昇でした。一方、他の主要銀行は下落しています。FITB 17.05%, GS 11.56%, MS 11.97%, JPM 8.9%, BAC 8.44%, WFC 7.12%と大きく下落しています。
(小売り)下落しています。目についたところでは、Best Buyが6.87%の下落でした。
(住宅関連)Toll Brothersが2.02%下落している以外は、ほとんど上昇しています。
(テクノロジー) 下落しているところが多いですが、コンピュータと通信系のところは上昇しているところも多く目にしました。
<まとめ・コメント>
決算発表を一日早めて発表したGoldmanは、市場の予測よりも良い好決算だったにもかかわらず、本日は10%以上の下落となりました。Goldmanの株は、ここ数週間で非常に大きく上昇しており、市場予測よりも良いことは株価に織り込み済みだった事等から、発表後利益確定の売りが集中した事が一つの大きな要因と思われます。また、TARP返済のため新株発行による50億ドルの資金調達も、既存株主に取っては株の希薄化につながる事なので、売りの要因となったのではと考えています。尚、今回発行の公募価格は123ドルだったので、いきなり株価は発行価格を下回る結果となっています。
GoldmanのCFOがカンファレンスコールで、ファイナンシャル・セクターの市場状況について依然として慎重な姿勢を見せている事もGoldmanの株価、ファイナンスセクターの株価に影響を与えた様で、主な企業はCitiを除いて大きく下落しています。正直、Wells FargoやGoldmanは、元々それなりに良い結果となる可能性が高いと思っていたので、個人的には想定の範囲内でした。尚、市場はここからが正念場だと思います。木曜日にJP Morganが決算発表予定ですが、恐らくある程度良い結果を発表すると思います。今日の市場のGoldmanの結果に対する反応を見ると、驚く程良くない限り、下落のリスクが高くなってきている様に思います。その様な見方が今日のJPMの下落に反映されている気がしています。(ただし、相対的に言えば、JPM(とGS, WFC)は他のファイナンス株よりも下落リスクは低いと考えています。)
尚、注目はやはりCitiとBank of Americaの決算結果です。Citiは今週の金曜日、BACは来週です。上に書いた様にJPMはそれなりの好決算(あるいは現時点で既に公開されているアナリストの市場予想より良い結果)を発表すると思っています。しかし、Citiが黒字となるのか否か、市場の注目と期待は集まっている様です。CitiとBACの株価は連日大幅に上昇を続けてきていましたが、BACに関しては、今日は一休みの下落となったものの、Citiは今日も上昇しました。これは、Citiが黒字を発表するとの期待からだと想像しています。(アナリスト予想は赤字)
この様に個人的には、CitiとBACの決算結果が異様に高い期待に対して応えられるのか、注目しています。
本日市場終了後にIntelが四半期の決算を発表しましたが、アナリストの予想よりも良い結果だったにもかかわらず、アフターアワーズで4%以上の下落となっています。これは、ほぼ自分の予想していたシナリオに近い展開でした。(アナリスト予想を上回る結果で株価下落)
上にも書きましたが、本日発表された3月の小売店の販売結果は、最近の大幅な上昇を支える“景気は底を打った”との楽観的な見方、あるいは市場の希望的観測に水を差す結果だったと思います。その割には、今日の市場はそれ程下落しなかった、と思っています。このニュースに加え、今後、企業決算の結果が市場の期待程ではない場合、失望から再び下落のトレンドへの変わる可能性は高まってきている様に思います。
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